邂逅
「すみませーん。誰かいませんかー。」
祝が寺の門を叩きながら言う。しかし、祝の言葉がこだまするだけで、門の向こうからの反応はない。
「やっぱり誰もいないんじゃないですかね。」
「もう一度尋ねてみたらどうだ。聞こえていなかっただけかもしれない。」
広瀬は掠れて読めない表札を見ながら祝の文句に答えた。
「誰かいませんかー!!」
今度は叫ぶように言った。
「はい。ここにいますよ。」
後ろから誰かが答えた。驚いて二人が振り向くと、そこには長い黒髪をポニーテールにした着流しの男がいた。声の低さや服装から男だと分かるが、長いまつ毛・血色の良い唇・透き通るような白い肌、女の広瀬から見ても美人の女性にしか見えない。
「私に何か御用ですか。」
男が尋ねる。
「ここの住職に会いたいのだが、あいにく留守のようでして。どこか住職が行きそうな場所をご存じありませんか。」
広瀬が男に聞く。見れば見るほど、作り物かと思ってしまうような顔立ちだ。男と目が合ってしまい、広瀬は頬を少し赤らめながら目をそらす。目をそらした先には魂の抜けたような表情の祝が立っていた。きっと、男の美人オーラにやられてしまったのだろう。
「私が住職の御門です。」
男が言う。なんと目の前にいる天女のような男が住職だというのだ。てっきり、坊主頭の中年男性を想像していた広瀬と祝は狐につままれたようにあんぐりと口を開けて呆然としてしまった。
御門は〇クロスのア〇トくんを黒髪黒目にして、さらに美人にした感じです。