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取り敢えずパーソナルスペースを取りましょう

とまぁこんな感じですわ。


…そろそろ口調を戻しますね。


さて、俺は今葛葉に連行されている。


「ねぇねぇ見て、あそこに綺麗なお花が咲いてるー」

「お、おう…」


ごめん、何処にも見えない。


「あ、こっちにもだぁ…。今日はいっぱい良いことがあるねっ!」

「うん、そうだな」

「でもね」


葛葉は綺麗に一回転して俺の方を振り向き、後ろで腕を組んだ。


「悠の周りのお花だけが萎れてる。しょんぼりしてるんだ。ねぇ教えて?なんでしょんぼりしてるの?」

「え、えぇ?」


そう言われましても。俺はそのお花が見えないわけで。どうしようもないんですけれども。


「なんか今日変なことでもあった?」


変なことは…あったけれども。音ゲーの世界に転生というなんとも普通に考えるとあり得ないことが。


「沈黙は肯定ってこと?」

「え、いや…」


俺が苦笑いを浮かべていると何故か葛葉がジリジリと近づいてきた。


「葛葉?」

「んふふ。やっとお名前言ってくれた。ねぇ行こ?ご飯食べられなくなっちゃう」


足を止めたのあなたなんですけどね。

俺はそれを喉の奥に押し込み、葛葉について行った。


「おっ!!葛葉!!」

「あっ!隆聖君!!おはよう!今日も綺麗なお花咲かしてるねっ!」

「ありがとな!悠もおはよう!」

「おはよ…」


うん、新キャラ登場。


だけどごめん。マジで分からん。こんな人おったっけレベル。まぁでも主要人物であるのは確定だ。


かの後輩曰く、この音ゲーでは作画コストを削減するためにかどうかは不明だが、主要キャラクターとそれ以外のモブの顔面偏差値が雲泥の差らしいのだ。


そして彼は周りと比べて、いや比べなくてもわかるほど整っていた。


短く切られている綺麗な金髪に瞳は薄い水色。


またまた葛葉と同じように整っていた。


そういえば俺の顔はどんなのであろうか。しかし生憎鏡を見ずに部屋から出てしまったのでわかるはずはなかった。


「なぁ、今日は何食べる!?俺は無難にスクランブルエッグとメープルシロップをかけたパンにしよっかなー!」

「オレはねぇ…。悠と同じやつにする!」

「えぇ…?」

「ねぇねぇ悠は何食べたい??なんでも良いよ!!」


グイグイと顔を近づけられる。やめてくれ、その整った顔を近づかせないでくれ。しかし周りはそんな俺らが見慣れた風景なのか、特に咎める様子はない。

誰か止めてよこの子をぉ!!


「で、何食べるの!!」

「白飯に味噌汁に魚にしようかな…」

「良いね!!んじゃあそれに決定!!!!」


悠はそう言って走っていった。


廊下は走るんじゃありません!!!

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