やべ、俺ストーリー知らねぇ…
皆様、転生ってご存知ですか?まぁ知ってますよね。
突然ですが、私、音ゲーの世界に転生致しました。
何故っ!!!???
ここからは回想シーンですわよ。
「あーだりぃー…」
俺の名前は吉川悠。至って普通の反社だ。拳銃やドラッグの密輸、その他諸々をしている。
「吉川くーん。この薬結構良いよー!ちょーキクぅーー!!!」
「うるさいですよ。取り敢えず水を飲んでください」
「あははー…ちょうちょが飛んでるぅ…」
ダメだこりゃ。
この通り、俺の周りには頭のいかれた奴らが沢山いる。殺人で精神病んだ奴ら、ドラッグで頭いかれた奴ら。などなど。
俺はそんなものには手を出したくない。そもそも1週間前までは銀行に勤めていたエリートだ。自分で言うのも何だが。高校はその県で一番頭が良い公立に行き、大学は関西の国立だ。そして弁護士資格も持っている。
とまぁ俺の経歴はこんな感じだ。
何故俺がここにいるのか。それはスカウトされたからだ。俺は最初はとてもとても抵抗したんだが何と上司が俺を強制的にクビにし、そして強制的に入らされた。
いやこれ労基行けば一発アウトだろ。…だが現実はそう上手くいかず、俺が勤めているところはとても大きいところらしく、警察でさえも手を出さないんだと。
俺の平穏な生活を返してください本当に。皆んなはこうならないように気をつけるんだよー。
俺も相当頭いかれてしまっているかもしれない。なんとかして阻止しなければ。
ちらりと時計を見ると時刻は22時。俺の定時だ。
「失礼します!!」
俺はそう言ってノートパソコンを閉じ、机の上のものを片付け上着を羽織り、カバンを持ってタイムカードを切った。
ここからは俺の時間だっ!!!!!!!
俺の唯一の趣味。それは「音ゲー」だ。
スマホから伝わる振動がピッタリと重なった時の衝撃。あれはもうハマるしかない!!!
俺の好きな音ゲーは音楽学校を舞台としたもので、キャラクターがイケメン揃いでとても有名ななのだ。
また、音ゲー自体がとても難しく、俺のようなキャラには興味ないけど音ゲーが好きな人にもピッタリなのだ。また音ゲーが苦手な人も推しキャラにめいいっぱい褒めてもらえるので大丈夫ならしい。前の職場の後輩が言っていた。
俺はバスに乗り、早速音ゲーを始めた。
たんたんたんたん、たん。耳を澄ましても聞こえるか聞こえない程度で俺は画面を叩く。そして気持ちいい振動が俺の手に伝わる。
うーん超きもちぃ!!これがヤクをキメてる奴らの気持ちかぁ!!
そんなことを頭の中で思った。
しかし俺の表情は動かない。なぜなら俺はストレスで表情筋が終わっているからだ。
それにしても楽しい。楽しすぎる。
しかし現実はそんなに甘くなかった。
最後に見たのはトラックが俺が乗っているバスに倒れかけているところだ。