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妖怪酒場  作者: 古葉七
3/3

カッパとゲームと尻子玉

久しぶりの更新です。

今回は会話の前に誰が喋っているか分かるように名前を入れています。

ここは妖怪達の集まる妖怪酒場。


今日も今日とて飲んだくれている花子さんと口裂け女ですが、何やらもう1匹妖怪がいるようですね。


カッパ「私が渡したスマホの調子は順調かい?」


帽子を被った少女が花子に問いかける。


花子「問題ないよ。

相変わらず凄い技術力してるね、あんたは」


カッパ「へへ、そうだろう。

じゃあ、今月の契約料って事で……山姥!

こっちに日本酒とモロキュウね」


口裂け女「うん?どういう事?」


花子「ああ、こいつとの契約でね。

スマホの使用料金は月に一回この店で好きに飲み食いしていいって話になってるんだよ」


カッパ「へへ、今日もごちになるぜ」


口裂け女「それにしては安すぎない?」


カッパ「おいらの趣味に付き合ってもらってるようなもんだからいいんだよ。

何なら口裂けも一個持っとくかい?」


口裂け女「私はいま使ってる機種の分割払いがまだ残ってるのよね。

でも、それが終わったら乗り換えを考えてみても良いかもね」


花子「それは良いとして最近妖怪として活動してるの、あんた?」


カッパ「直に子供達に会って相撲ってわけにはいかないからな。

専らネットゲームで対戦してるぞ」


花子「ネットで対戦って……尻子玉とかどうするのよ」


カッパ「花子さんよ〜今の時代に子供の尻子玉なんて取れるわけないだろ?

現代人なら倒れた子供を調べてあっという間に私達に行き着いちゃうよ?

そうしたら一気に狩り尽くされておしまいよ」


口裂け女「世知辛い世の中ね。

だからってネットで対戦ゲームする妖怪ってどうなのかしら?」


カッパ「全然良いだろ?

私たちゃチートなんて一切使わずに実力で勝負してるからね」


花子「いや、そこは妖怪らしくチート使いなさいよ」


カッパ「馬鹿いっちゃいけないよ!

私たちは真剣に勝負をする事に命懸けてんだよ。

チーターなんて逆に八つ裂きさね」


口裂け女「八つ裂きって物理?」


カッパ「そんな訳ないだろ。

ゲームの中でだよ」


口裂け女「え〜チーターってズルしてものすごく強くなっている人でしょ?

勝てるの?」


花子「クッチー、こいつら甘く見ない方がいいわよ。

チーター殺しなんて得意中の得意技でしょ?」


カッパ「くっくっくっ、もちろん。

妖怪らしく私達の前でチートを使った事を後悔させてやるさね」


口裂け女「おお〜格好いい。

具体的にどうやるの?」


カッパ「チーターのキャラから逆探知してそいつのパソコンハッキングして初期化さね」


口裂け女「やり方が全く妖怪らしくないんだけど」


花子「仕方ないわよ。

人間の知識がなかった頃は病気ですら私達、妖怪の仕業にされてたんだから。

それなのに現代ではウイルスという存在が引き起こしていると言われて病原菌を振り撒く鬼も消えてしまった……時代に合わせて私たちも変わっていかないと」



口裂け女「花ちゃん……良いこと言ってるかもしれないけど私達のやり方は昔から何一つ変わってないよ」


花子「寧ろ私はトイレが綺麗になった上に音まで流れて、クッチーはマスクが品薄で手に入らないし」


カッパ「うわ……2人とも環境弄られてナーフされてるじゃん」


花子「ナーフ言うなや!

あんた、そのゲーム脳どうにかしなさいよ」


口裂け女「ねぇねぇ、花ちゃん。

ナーフって何?」


花子「ああ、ゲーム用語で弱体って意味よ。

最近のゲームはバランス取る為にちょっと強いとすぐに弱体化されるからね」


口裂け女「え〜それって私達も強キャラだから弱体化されたって事?

そんなふうに評価されると悪い気しないわね」


カッパ「いや、あんた達は時代の流れに取り残されただけでしょ。

何でもかんでもゲームに合わせて考えるのやめた方がいいよ」


花子・口裂け女『あんたが言うなよ!!』


こうして今宵も彼女達のトークは止まらずに夜が更けていくのであった。

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