乙女ゲーム
新連載です。
500文字台という制限をもうけて作成しております。
短いですがよろしくお願いしますm(._.)m
「くそっ、メアリローズめ! まだ諦めてないのっ?」
会社の社員食堂。
そこでスマホ片手にうなる友人に理紗は冷めた目を向けた。
「ながら食いはみっともないよ」
「だあってメアリローズが!」
「誰よそれ…。いい。なんとなくわかるから説明しないで」
「この女マジむかつくのっ」
アラサーにもなって乙女ゲームにハマリまくっている友人に理紗はため息をついた。
この子大丈夫かしら。
「それってそんなにおもしろいわけ」
「もちろん。理紗もやろうよー。絶対ハマるよ?」
「いや私はいい」
「なんでよっ。食わず嫌いは損するよ? 見てホラこれ」
ずいっと目の前にスマホをつきつけられ、理紗はのけぞった。
画面にはキラキラエフェクト満載の金髪ロン毛の貴公子が、爽やかな笑顔で理紗を見つめている。けっ。
「悪いけど趣味じゃない」
「うっそー。エドアルド王子めっちゃかっこいいじゃん! 理紗目ぇ腐ってんじゃないの?」
「それはあんたの脳みそよ」
「えー。まあ確かにちょっととろけてるのは否定できないわ。あー、チョーかっこいい…」
スマホを胸に抱き、うっとりする友人に理紗は吹き出した。