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空 異界に立つ ~The Superstition~

 段々と目も開けれない眩しさの終息を感じながら意識が覚醒してくる、完全に意識がハッキリしたので目を開け、軽く周囲の空気や景色を捉える。ちなみにいま姿勢は某機械頭脳と反乱指導者のいつまでやってるのかツッコミたい殺戮機械映画の完殺機械のポーズだ、ダダンダンダダン


「あの野郎! 知っていやがったな!」


 訪れた異界の大地に立ち上がると天に向かって野菜王子っぽく吼える! そして何故、知っていながら知らない振りをしたのかをしばし考えるが思い当たる節がないのでとりあえず現状の確認に移ろう。

 いま自分がいるのは少し小高い丘、眼前にはいくらか離れた場所に馬車の轍と多分、人の往来で踏み固められた わりには雑草が結構生えた道っぽいものが左右に続いている。後ろを向くといかにもヤバイ雰囲気の薄暗い森がこれまたヤバげな山へと続いている。

 しかし何より驚いたのが空気の透明度と匂い、日本にしろ他国にしろ地球規模で繋がっている以上どれだけ自然に囲まれていようと汚染されていたのが如実に感じられた。ただ何時までもここで感動している暇はない、魔物も盗賊も闊歩するこの世界でしかもいまだ絶賛感覚ズレ中では危険すぎる、早急に対処し対応を検討することを善処しなければくっころ案件になってしまう!


 考えてる暇はない、 即行動を開始! と丘の下に見える道へ






 背を向け森に向け歩き出す。なんでヤバげな森の方なんだよ! って?まず現地民が善良とは限らないでしょう? 感覚が同期するまで不安だしね、盗賊が出ないとも限らないし魔物だって平地には出ないとは聞いてない。暫くは感覚を掴むのと気の考察をしなけりゃならない。つまり……修行だ! 修行といえば山篭り、そして都合のいいことに向かう森の先には山。何も間違ってはいない、最悪なんか出たら家に篭城すれば大丈夫大丈夫。


 気味の悪い森だったが特に何もなく山に入り中腹あたりに開けた平地を見つけたのでここをベースキャンプにしよう。さっそく意識化に埋め込まれたアイテムボックスから家マーク2を取り出す(無制限がマーク1緊急避難用がマーク3)


 「お~!!」


 なんということでしょう! 現れたのは記憶に残る懐かしの我が家にそっくりの建物が現れました。

建物は破壊不可能、指定した敷地やドアの進入許可制・悪意や害意に反応設定可と至れり尽くせりなので安心しつつドアを開けるとやっぱり中も我が家だった。まずは食料の確認を、と調べると確かに各種穀物や調味料その他があったがいわれたとおり心もとない量に過ぎない。なるべく早めに食糧確保だなぁ、と思いながら足早に道場に移動する。

 

 まずは着替えて道場の神棚に挨拶、普通は道場の神棚にはどの流派でも同じ1柱から3柱を祭っているがうちは一味違う、完全に元父の趣味で怒りに目覚めた気功波フィギュアともう全部アイツ1人でいいフィギュア、石ころ1つ押し返すプラモと赤金ハーフラメのⅢ虎覆面が飾ってある。礼を終えると道場の半分の畳で結跏趺坐(けっかふざ)を組み己の内との対話を始める。

 

 無だの空だの<外気>だのはもっと高いステージの話でまずは内なる<気>を感じ取れないことには何も始まらない、んじゃないかなぁ、と思う。……仕方ないじゃん実際問題あっちにいた頃は<気>なんてなんかこんな感じ? こんな理解? 程度にしか分からなっかったんだから。

 元父や達人や老師的な人ならともかく15才少しの小娘には肉体や筋力の作用の練功や発剄は頭で理解できても道教とか陰陽大極的なものは知識は多少あっても到達なんて出来ません!! 私の理解する<気>の知識がイコールこの世界、というか私にのみ組み込まれたシステムじゃなかったら、いきなり手詰まりになるところだったよ……


 ……さて、結跏趺坐で心臓の鼓動と深く長い鼓動に自己を沈めるうちに自身の中に血液とは違う別の流れを探す……探す…………探す………………っ!! これか!! かつては感じられなかったもやの様な淡い、でも確かな今まで分からなかった別のものを確かに内に感じる!! 

 しかし感じるだけで全くコントロールも制御も出来ずただ流れを感じるだけだ、そこで僅かでも心を乱すと制御はおろか認識すら一気に霧散する……やっぱり一筋縄ではいかないみたいね。


 とにかく心を平らに保ちなんとか制御しようと時間感覚も失うほど集中するうち、僅かに動きを感じた。これか!! 体の中心に大きい大本の<気>の塊、原気や元気または生命エネルギーそのものと言ってもいい塊がありそこから全身に血流のように<気>が廻る、この大元を活性化したり全身に廻るバイパスを太くしたり圧縮したり加速させたりがコツか!! ではさっそく、と掌に<気>を集中させようとしたところで凄まじい消耗と脱力感を感じて意識が暗転する……調子に乗って消耗に気付かなかったのか、もしくはそれほどまでに制御や難度、消費等が激しいのかは分からないけど意識を手放しながら彼の長男の嫁、いくら先生が宇宙最強の一角とはいえ簡単にコントロールで掌に<気>を集めて浮くことも舞空もすぐできたとかスゴイ天才じゃん……つくづくそう思った。

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