PTA vs 童話の住人
注意:この作品はPTAに対しての大きな偏見が含まれています。
みなさんはご存じだろうか?「PTA」という組織を。彼らの存在自体は知るものが多いだろう。しかしその隠された闇の顔を知るものは少ない。彼らの存在は時として物語を歪めてしまうほどの莫大な力をもつ。かつて、こんな力を持った集団がいただろうか?例えば力を持った権力者達が、その猛威を振るうことは想像に容易いだろう。だが彼らは平民、どこにでもいる一般市民にすぎないのだ。だがそんな一般人の彼らが強大な力を得ることのできる組織。それがParent Teacher Association 略して「PTA」である。ではご覧いただこう、彼らの隠された真の力を!
ケース①
僕の名は桃太郎。犬、猿、キジを仲間に、現在鬼ヶ島の入り口まで来ている。これから鬼を討伐し、宝物を取り返す。待っていろ鬼たちよ!
うむ、丁度鬼たちは酒盛りをしていて酔っているようだ。攻めるなら今がチャンス!
「いくぞ!」
P「待ちなさい!」
「誰だ!」
P「僕はPTAに属するPというものだ。君、酔っている間に襲うなど、なんて卑怯なことをするんだ!」
「卑怯とはなんですか、こちらの戦力は私一人と犬、猿、キジのみ。圧倒的に鬼と戦力差があり、普通に戦えば苦戦するのは目に見えています。時と場合によっては、手段を選んではいられ・・・」
P「だまりなさい!童話は子ども達が見るものなのですよ!こんな不意打ちをして勝っても、私はなにも嬉しくはありません。正面から正々堂々とした態度で敵に挑む、それが正義というものでしょう!」
「いくら正々堂々としていても、勝てなければ意味がありません。困っている村の人達や、おじいさんとおばあさんを救うことができません」
P「ほぅ、我々PTAを敵に回すのか?」
「!?」
P「我々の組織のことは君も十分承知しているだろう?我々の組織に比べれば鬼ヶ島なんて可愛いものだ」
「・・・わかりました。鬼達の酔いが醒めてから。正々堂々、正面から立ち向かいます」
・・・
「さぁ、鬼よ出てこい!この桃太郎がお前たちを成敗しにきたぞ!」
鬼「ガハハ、返り討ちにしてくれるわ!」
「うおおお!」
・・・
「くっ!想像通り、かなりの苦戦を強いられている。とにかく鬼の数が多い!他に注意を引かせ鬼の数を減らさねばならぬ。いけー家来達よ、鬼達を攪乱させよ!」
ワンワン!
キーキー!
ケンケン!
二匹と一匹はそれぞれ三手に分かれて鬼に攻撃を仕掛ける。それぞれ犬は噛みつき、猿は引っかき、キジは鬼の目をつく。
ケンケン!
T「やめなさい!」
ケン!?
キジは突然尾を捕まれジタバタと足掻く。一瞬鬼に捕まったのかと焦った桃太郎だったが、尾を掴んでいるのは化粧の濃いおばさんだった。この場にはあまりにも不釣り合いな人物である。
「なんだ、誰だお前は!」
T「わたくしは!PTAに属します、Tと申しますの。鬼の目を狙うなんて、なんて野蛮なの!そんなことはやめなさい!」
そう言うとTは荒々しく、キジを手から解放した。
ケン!
T「いいこと?目を狙うなんて、子ども達が真似したらどう責任取ってくれるの?決してそんなことはしないでちょうだい!」
ケン!
キジはそう返事をすると、今度は鬼の腹をつく。
ツンツン
鬼「ガハハハ!こそばゆいわ!」
ペチン!
キジは成すすべなく、叩き落されてしまった。
T「そもそもが、こんな暴力沙汰を起こすこと自体、愚かで野蛮なことですわ!桃太郎!」
「はい」
T「暴力行為ではなく、話し合いで解決するのです!鬼達を説得して仲直りするのです」
「・・・え!?とても話し合いが通じる相手ではありませんよ」
T「その姿勢がダメなのです!暴力で解決なんてとんでもない。和解して仲直りするのが筋です!正義の味方なら、そのぐらいのことはして欲しいですわね。」
そう言うと、Tは桃太郎から武器一式をすべて取り上げた。
「!!なにを・・・」
T「武器を持つなんて物騒なことはお止めなさい。こちらに抵抗する意思のないことを示すことで、初めて話し合いが成立するのです。さぁ、平和的解決のために鬼達を説得するのです!」
「・・・PTAには逆らえない」
桃太郎は鎧をすべて脱ぎ、両手を上げ抵抗する意思のないことを鬼に示す。
「鬼達よ、私の話を聞いてほしい。こんな戦いをしても意味がない。我々と共に・・・」
鬼「ガハハハ!武器を捨てるとはバカなやつだ!」
「ぎゃあああ!」
桃太郎は鬼にやられてしまいましたとさ。
A「おいおい、ダメじゃないか鬼達。桃太郎を倒してしまっては」
鬼「なんだてめぇは!」
突然姿を現したのは金髪で無精ひげを生やした男だった。
A「私はPTA会長のAという。正義が負けるなど、こんな展開はとても容認できるものではない」
鬼「ガハハ!なにが容認できないだ。武器も持たないお前に何ができる」
Aの手には絵本が握られているのみ、一見、勝つ見込みがあるようには思えない。
A「これは君達のストーリーを示した絵本というものだ」
そう言うと、Aは鬼が描かれたページを開いた。
A「消去!」
Aは絵本に描かれた鬼を修正ペンで白く塗りつぶす。
鬼「ぐおおおお!」
苦しそうな悲鳴と共に、鬼達の姿は跡形もなくなった。
A「子ども達への障害となり得る存在は、すべて私が消去する。」
ケース②
わたくしは王妃、わたくしはこの世で一番美しい存在でなければならない。だから、わたくしよりも美しい白雪姫はこの世に存在してはいけないの。
わたくしはリンゴ売りに化けて今、森の中にある7人の小人の家の前にいる。丁度7人の小人達は出かけていて、今は白雪姫しかいない。さぁ、出ておいで白雪姫。
コンコン
P「はい」
王妃「なんだいおまえは」
出てきたのは髪の毛がボサボサな背の高い青年。小さな小人でもなければ白雪姫でもない。
P「僕はPTA所属のPと申します。七人の小人の留守を預かっています。白雪姫は今お昼寝中です」
王妃「なんだい?PTAって。わたくしの邪魔をするんじゃないよ」
P「残念ながら、そういう訳にはいかないのです。近年、過激なアニメやゲームの表現により、それを模倣した少年犯罪が増えておりまして、童話も例外ではありません。毒物を混入させた食べ物を食べさせるなんて、とても危険極まりない行為です。断じて容認できません」
王妃「わたくしを誰だと思っていますの!この国の王妃ですわよ。あなた!自分の身がどうなってもよろしいのかしら?」
P「そちらこそ、ご自身の身がどうなってもよろしいのですか?」
王妃「は!?どうゆうこと?」
P「この世には、あなたよりも高い地位の人達がいる。そう、それは"出版社"です」
王妃「しゅ、出版社!?」
王妃の言葉が言い終わるのと同時に、奥から別の人物が現れる。
A「俺はPTA会長のAだ。俺はPTAであると同時に出版社の人間でもある」
王妃「PTAに、出版社!?何が何だかわからなくなってきましたわ」
A「お前らも生かすも殺すも俺次第。絵本の出版を辞めれば。お前らは永遠に葬られる」
王妃「もういいですわ!先ほどから荒唐無稽なことばかり言って!もう許しません!あなた達を縛り首にして死刑にしますわ」
A「ふっ」
Aが絵本に描かれた王妃の絵を塗りつぶす。
王妃「なにがおかしいの!・・・えっ・・・ちょっと・・なんですのこれ」
A「消えるのはおまえの方だ。子ども達への正しい教育のために嫉妬に塗れたお前には消えてもらう」
王妃「ああぁぁぁ!」
ケース③
おれは今日、狩りをするために森に来た猟師なのだが、その道中でとんでもないものを見つけてしまった。なんと、おばあさんの家のベットで、お腹を大きくしたオオカミが寝ているではないか。あの大きなお腹の中には赤ずきんちゃんとおばあさんがいる。すぐに助けなければ。
私はおばあさんの家に入り寝ているオオカミの前に立つ。
猟師「待っていろ、すぐに助けてやる」
A「待て!」
猟師「あなたは、PTA会長のAさん」
A「ほぅ、俺も有名になってきたな」
猟師「何の用だい。今から、このオオカミの腹を切り裂いて二人を助けるところだってのに」
A「オオカミの腹を切り裂いてはいけない。あの団体から目をつけられるぞ」
猟師「あの団体ってなんだい?あんた程の人が恐れる程のもんなのかい」
A「あぁ、その通りだ。その団体の名はドウブツ☆アイゴ❤ダンタイ◇」
猟師「ドウブツ☆アイゴ❤ダンタイ◇ ? 聞いたことないな。そんなにヤバイ奴らなのか」
A「あぁ、こいつらばっかりは俺もどうすることができない。だから、オオカミの腹を決して切り裂くな」
猟師「で、でもよぉ。お腹を切り裂かねぇと、赤ずきんちゃんとおばあさんは死んじまうんだぜ」
A「・・・」
猟師「・・・すまねぇ!Aさん。おれは二人を助ける。見殺しにすることはできねぇ」
猟師が刃物を構え、オオカミの腹にそれを向ける。
A「消去!」
猟師「Aさん、なぜ!」
猟師の体が徐々に透けて消えていく。
A「バカ野郎!腹を切り裂けば、赤ずきんとばあさんだけじゃない!この作品自体が消される可能性だってあるんだ。お前は本来消すつもりはなかったが、これも被害を最小限に抑えるためだ。」
猟師「A・・・さん」
A「俺だって辛いんだ、わかってくれよ。最後に言わせてくれ、あんたは消すには惜しい人間だった」
猟師「Aさあぁぁん!」
猟師は跡形もなく消滅した。
・・・
以上がPTAの活動記録である。
初コメディー作品。
無論PTAと敵対するつもりはありません。創作物として軽く受け流していただければ幸いです。