1/3
―手紙―
誰がこれを読んでいるのだろうか。
こんなふざけた内容の手紙を。
しかし、手紙というのは読み手がいるからこそ手紙。
当然読んでいるものがいた。
そいつにどんな感情が巡ったかは、別に知らなくても良いことだ。
知らなくても良いことというのはあちこちに溢れかえっている。
知ったあとはそれをどう調理しておいしく仕立て上げていくか、それこそが有効な使い道だろう。
だから、手紙の内容なんてのも、なんだか知らなくて良いような気がしないでもない。
しかし、それではこれ自体の存在も知らなくて良いことなので、とりあえず、そのふざけた手紙の内容をここに記しておく。
前略
たびに出ます。
どうぞ捜さないで下さいな。
後略