第1話 誘拐かも
「起きたかね伊田浩介君」
浩介の目の前に白衣のいかにも研究者って感じの胡散臭そうな人が立っていた。
「フガフガフガフガ」
(ここはどこだよ)
「まず、『命令大声を出すな!』これでよしと」
と言うと浩介の口に付いていた拘束具をはずした。
「お前誰だよ!ここどこだよ!」
「まあ待て、そう焦るな説明する。まずその首輪は隷属の首輪と言ってって魔法学校にかよっていれば知っているか。人に矯正的に言うことを聞かせることのできる魔道具だ」
浩介が知る中で一番嫌いな魔道具の一つだった。
「この魔道具を付けてなにをするつもりだ」
「なあに、簡単さ実験をするんだよ」
「実験?」
「私はある研究をしていてね実験さ」
「何の実験だよ」
「人口精霊をつくるんだ」
「人口精霊だとそんなものつくれるはずないだろ!」
「私は精霊術師なんだ。でも契約精霊がいなくてね。いないなら作ればいいんじゃないかとおもったんだ」
人が魔法を使うには主に3つの方法がある。
1つ目が、自分で使う。この方法を使う人を魔導師と言う。
2つ目が、魔方陣や魔道具などの道具を使う。この方法を使う人を魔術師と言う。
3つ目が、精霊に頼んで使う。この方法を使う人を精霊術師と言う。
どの方法も得手不得手があるが一番自由度が高いのが精霊術師だ。
精霊術師は精霊に明確な魔法のイメージを伝えるほど魔法は術師の思い通りに使える。
精霊と契約するとイメージを思念として送ることができるようになる為精霊と契約した精霊使いはかなり強い。
しかし、精霊にもランクがあり下から下級、中級、上級、特級、王級がいる。
下級は一番多く空気中をだだよっている意思のない精霊だ。
契約精霊がいない精霊術師はこの精霊に魔力を込めた声で魔法を頼む。
しかし下級精霊から中級精霊になれるのは一千万分の一と言われている。
契約できるのは中級以上の精霊なので数があまりいないので契約できるのは極僅かと言える。
しかし、人口精霊は現代魔法における3代難問の1つとまで言われていてで今まで誰も成功したことがないものだった。
「これを見ろこれは火の下級精霊を一千万体を込めて作った精霊玉だこれをお前の身体に埋め込む。お前の身体は火の魔力属性適正は父親を超えているらしいからな。それに魔力を持っていない。私の理論が正しければお前の肉体を媒体として王級以上の精霊が産まれるはずだ。」
「じゃあなぜ、俺が起きるまでその実験をしなかったんだ」
俺は震える声で少しでも時間を稼ぐために質問をした。
「王級以上の精霊と契約するために隷属の首輪を発動して起きたかったんだ。隷属の首輪は意識が無いと発動ができないだろ。」
確かに隷属の首輪は意識が戻って最初に命令した人を主人とする魔道具だと今思い出した。
「俺の身体はどうなるんだ。」
俺は震える声でおしっこをちびりながら質問をした。
「肉体はどうか分からないが精神は壊れるだろうね。もう質問はないよね。」
「待って」
「待たな〜い」
俺の意識は暗転した。
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「知らない天井だ」
「起きたかね炎の精霊よ。『命令私と契約せよ』」
「嫌だ!」