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月に帰る美女(?) 1


蓮姫達が内裏へ連れてこられたのはおやつ時…大和の言葉で言えば()(こく)


帝が宴をひらいたのは、夜が暗くなりはじめた(とり)(こく)


帝は多くの臣下や貴族達を集めると、彼が帝についた近年で最も大きな宴を開いた。


上機嫌で酒を浴びるほど飲む帝。


かぐや姫が手に入ることを疑わず、絶世の美女が自分のモノになる妄想と酒に溺れていた。




そして現在は()(こく)



夜空に浮かぶ月はまだ真上には上っていない。


「今日はおとぎ話と同じ満月…か」


桐壺の庭から夜空を見上げ、ポツリと呟く蓮姫。


「確か満月なら…月が真上にくるのは、夜中の12時くらいだったはず」


「むぐむぐ。…ちょっと蓮。あんたの従者…もぐ…遅過ぎない?んぐんぐ…ぷはっ。本当に来るんでしょうね?まさか私ら…見捨てられたんじゃないの?」


呑気(のんき)に庭で夜空を眺める蓮姫に、かぐや姫はイライラしながら問いかける。


ちなみにこの桐壺にも宴用のごちそうがたくさん運び込まれ、かぐや姫はソレを片っ端から食べては、お茶で流し込んでいた。


(ジーンとかぐや姫だと…どっちが食べる量多いかな?)


かぐや姫の食べっぷりに蓮姫は純粋に、しかし失礼な事を思っていた。


自分を黙って見つめる蓮姫にかぐや姫の額には青筋が浮かぶ。


「ちょっと!蓮ってば!聞いてんの!?ねぇ!シカト!?」


「すみません、かぐや姫。ちゃんと聞こえていますよ。ジーンは…私の従者は必ず来ます。私とかぐや姫を助けに」


「私はついでかっての。…そんなとこにいないで…あんたももっと食べたら?」


かぐや姫はプイッとそっぽを向きながら、小鉢を1つ蓮姫のお膳へと乗せる。


まだツンツンと怒っているらしいが、蓮姫へ若干のデレを見せるかぐや姫。


そんな彼女の仕草を嬉しく感じながら、蓮姫は笑顔を向けて室内へと戻る。


「ありがとうございます。でも、もうお腹いっぱいなので」


「………マジ?あれだけで?あんたって少食ね」


(う~ん……普通に一人前食べただけなんだけど…いや、言わないでおこう)


余計なことを言えば、確実にかぐや姫はまたへそを曲げるだろう。


蓮姫は苦笑いだけ返すことにした。


「でも本当に遅過ぎない?もう月はだいぶ上ってるってのに」


「まだ真上にいくまで時間はあります。心配はいりません」


「……でも遅いことに変わりないし」


「そうですね。でも…ただのんびりしてる訳じゃないと思います。きっとジーンの事ですから…何か理由があって遅れてるんです」


「ただゆっくりご飯食べてるだけじゃない?」


「ふふ。その可能性も捨てきれないですね」


かぐや姫が嫌味を言おうが、彼女が予想できる最悪の事態を口にしようが、蓮姫は慌てる様子など全く無い。


それはユージーンへの深い信頼を表していた。


「…ホント……ムカつく…。信頼とか言って男を都合良く使う女…私嫌い」


「…すみません」


かぐや姫の八つ当たりに蓮姫は眉を下げて謝る。


その仕草がまたかぐや姫をイラつかせた。


かぐや姫の心がまた、蓮姫への嫉妬で満ちていく。


自分が持っていない美しい男達。


自分だって男にチヤホヤされる環境が欲しい。


美しい男との絆を自分も築きたい。


だからこそ、それを持っている蓮姫が、かぐや姫は(うらや)ましくて仕方ない。


(うらや)んでも、嫉妬しても、憎んでも…恐らく自分には手に入らないと知っている。


それでも…女というものは、同じ女を(ねた)まずにいられない。


「なんで謝るのよ!やめてよ!また私が悪者みたいじゃない!」


「かぐや姫。そういう意味では」


再び頭に血が上りかけたかぐや姫を、蓮姫が(なだ)めようとしたその時。


「誰が悪者だと~?…ヒック」


宴の当事者である帝が現れた。


だいぶ酒を飲んできたのだろうが、その手には一本の徳利(とっくり)を持っている。


足元はおぼつかない千鳥足。


顔全体が真っ赤に染まり、目の焦点もおかしい。


彼が息を吐く度に、酒の匂いが桐壺中に満ちていく。



帝は徳利(とっくり)を口にあて、中身(恐らく酒だろう)をゴクゴク飲むと、蓮姫にズイッと顔を近づける。


「ヒクッ!そなた達~、何故…宴に出んのだぁ?今宵はぁ~、朕の念願が叶う日ぞっ!朕を祝う気が、ヒック!無いのかぁ!?」


「………お言葉ですが帝。『いつ何時(なんどき)かぐや姫が来ても良いように、桐壺で待機せよ』とおっしゃられたのは、帝の方にございます」


かぐや姫に絡まれた時は嫌な表情一つしなかった蓮姫だが、酔っ払いに絡まれるとなると話は別だった。


そもそも蓮姫はかぐや姫を気に入っているが、帝には(わず)かな好感すら持っていない。


酒臭い息を拒むように鼻をつまんで顔を背ける。


眉間に(しわ)を寄せて帝へ正論をぶつけた。


「ふっ!ふふふ~。そなたっ、本当に…ヒク…無礼者じゃのぉ~。よろしいっ!よろしいぞぉ!褒めてつかわすぞ~」


もはや酔っ払い過ぎて蓮姫の無礼も気にならないらしい。


冷ややかな…本当に冷ややかな目で帝を見つめる蓮姫だが、帝は気にすることなくニコニコと笑っていた。


「ふふふ。清く美しい心を持つそなたも久遠も…朕のもの。そして見目麗(みめうるわ)しいかぐや姫も手に入る。まこと朕は…天に愛された帝よのぉ。ヒクッ。そうは思わぬか~?のぉ、醜女(しこめ)


「…さよう…で…ございますね。…おめでとうございます…帝」


自分へ満面の笑みを向ける帝に、かぐや姫は自嘲気味の笑顔を返した。


やはり帝は、目の前の女が本物のかぐや姫という事実を全く信じていない。


美しくない、というだけで。


かぐや姫は気を(まぎ)らわせようと、ごちそうに手を伸ばす。


しかしこの食事も、醜い自分ではなく、美しいかぐや姫を迎える名目の宴に出されたもの。


それに気づいたかぐや姫は、食欲が一気に失せ(はし)を置いた。


目に見えて気落ちするかぐや姫を見て、帝は眉間にシワを寄せる。


「なんじゃその顔は?醜女(しこめ)よ。ただでさえ醜い顔を更に醜くしおって。酒が不味くなるではないか」


「……っ、」


「帝!」


随分と勝手な事ばかり告げる帝の言動の中でも、かぐや姫を(けな)す言葉だけは我慢ならない蓮姫。


帝を睨み付けるように彼を呼ぶが、帝とて一人の女に怯む事は無い。


「なんじゃ?朕に…天に愛されし帝に何か物申したいとでも?」


「えぇ、何度だって申し上げます。友を侮辱(ぶじょく)されるのは我慢なりません」


「そなた…朕が寛容(かんよう)だからと図に乗りおって」


帝の方も蓮姫を見下して睨みつける。


睨み合い、一言も発さない帝と蓮姫を見て、かぐや姫はただオロオロと二人を見比べた。


蓮姫はともかく、酔っ払いの上、普段から傲慢(ごうまん)な帝の方は何をしでかすかわからない。


だが、二人の睨み合いはある人物の登場でひとまず終結した。


「帝。ここにおられたのですか」


「…ん?久遠か?」


「はい。…どうなさいました?…彼女がなにか?」


「……ふぅ…いや。何も無いぞ」


帝は蓮姫に背を向けると、再び徳利を口へと運ぶ。


しかしいつまでたっても酒が流れて来ない。


徳利(トックリ)を逆さまにすると、ピチャン…と一滴だけ雫が垂れた。


(から)か。醜女(しこめ)の顔に乳母(めのと)との睨み合い…その上に酒切れ。酔いが一気に冷めたわ」


「でしたら寝所に戻り休まれてはいかがですか?女房に支度させましょう」


「うむ。普段ならそうするのだが…」


久遠の提案に頷きつつも、帝はチラリと蓮姫を振り返った。


「…今宵はかぐや姫が参る。寝ているわけにはいかぬのだ。…しかし……遅い。竹取の翁は遅過ぎる…そうは思わぬか?」


「お言葉ですが帝。まだ月は真上に来ておりません。約束の時間はまだ先です」


先程まで妄想と酒に酔いしれていた帝だったが、酒が抜けた途端、疑惑の念が混み上がる。


「確かに…そなたの言う通りだ。だが一つ聞こう。本当に…かぐや姫は来ると思うか?竹取の翁は、朕にかぐや姫を差し出すと思うか?」


「そうしなければ命は無い…とおっしゃられたのは帝です」


「ふむ。そうであったな。誰であれ命は惜しいに決まっておる。しかし遅過ぎる。待つのも退屈じゃ。酔いが冷めた今となっては…宴を楽しむ気にもなれん」


帝はため息をつくと、今度はかぐや姫へと目を向ける。


本当に汚らしいものを見るような目で。


「そもそも醜女(しこめ)。そなたの顔はほんに(みにく)い。そなたの顔を見れば、どんなに上等な酒も不味(まず)くなる。…そなたはやはり()らぬ。竹取の翁が来たら共に帰してやろう」


「っ、ほ、本当ですか!?」


醜女(しこめ)などおっても、なんの役にも立たぬからな。乳母(めのと)はこの女だけで事足(ことた)りる。そなたの顔は未来の息子…光の君の教育にも悪い。構わぬ。さっさと()ね」


再び帝に怒りが込み上げた蓮姫だったが、歯を食いしばって怒鳴りたい衝動を我慢する。


せっかく帝がかぐや姫を翁達の元へ帰すと言っているのだ。


余計な事は言わず、このまま成り行きを見届けた方がいいと判断した。


「ありがとうございます!ありがとうございます!帝!」


「ふむ。存分に感謝せよ。そなたには昼間に大層笑わせてもらった故な。その礼だ」


「ありがとうございます!良かった!一時はどうなる事かと思いましたが…寛容な帝に深く感謝致します!」


かぐや姫は自分で蓮姫に付いてきたクセに、帝に感謝の言葉を告げて何度も頭を下げた。


(そうよ!私がここにいる理由なんて無いわ!蓮のせいでこんな所に来るハメになったけど…帝が要らないって言うんだもん。私はさっさと帰ろう。蓮なんて従者が助けに来るんだし…勝手にするでしょ)


彼女の中では、また蓮姫を悪者にして自分は被害者として内裏に連れて来られた事になっているようだ。


憎々しげに蓮姫を見るかぐや姫。


だがかぐや姫の心情に気づいたのか、もしくは無意識か…蓮姫は何も言わずかぐや姫に微笑んだ。


その微笑みは『良かったですね』と言っているようだった。


嫌味ではない。


純粋にかぐや姫が無事帰れる事を喜んでいる蓮姫。


(っ、だから…なんで怒らないのよ!なんで笑うのよ!やめてよ!(みじ)めになるじゃない!)


蓮姫から顔を()らすと、かぐや姫は羞恥に顔を真っ赤に染めた。


彼女だって本当は気づいている。


蓮姫を悪者扱いすることで、自分が被害者ぶる事で…そんな自分が段々と惨めになることに。


蓮姫から事情を聞いていた久遠も、かぐや姫を見て眉間に(しわ)を寄せていた。


(やはり…彼女は醜い。彼女こそ本物のかぐや姫らしいが…帝が信じないのも無理は無いな。恐らく今後も、誰一人信じないだろう)


「そうだ醜女(しこめ)。存分に朕に感謝せよ。…とは言え…いつになったら、かぐや姫は来るのだ」


再びイライラと不機嫌になってきた帝。




だが遂に…彼の望みが叶う時が来た。



バタバタと足音が聞こえたかと思うと、一人の女房が桐壺へと飛び込んで来る。


「み、帝!竹取の翁と共に!かぐや姫と申される方が内裏(だいり)に到着致しました!」


「っ!?遂に来たか!?翁と共にいるのならば今度こそ本物であろう!構わぬ!今直ぐ、かぐや姫をここへ連れて参れ!今直ぐにだ!!」


待ち焦がれた「かぐや姫到着」の言葉に、帝の胸は高鳴り鼻息も荒くなる。


かぐや姫を連れて来るよう命令された女房だが、オロオロとした様子で帝へと告げた。


「お、恐れながら帝。内裏(だいり)のしきたりでは、入内(じゅだい)した者は、まず帝に相応(ふさわ)しい清らかな体かを確かめねばなりません。その()は他の妃様方へのお目通りに、内裏(だいり)のしきたりの説明、入内(じゅだい)して直ぐに帝へお目通りなど」


「ええい!朕の命令が聞けぬと申すか!?何がしきたりか!帝である朕こそ内裏の法ぞ!朕が今直ぐ連れて来いと言うておるのだ!さっさと連れて来ぬか!そなたを殺して他の者に命じても良いのだぞ!」


「っ!!?す、直ぐにお連れ致します!」


傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な態度で自分を怒鳴りつける帝の姿。


女房は顔を真っ青にしながら、来た時以上の速さでドタバタと戻って行った。


「帝。お気持ちは分かりますが、帝自らが内裏(だいり)のしきたりを(ないがし)ろにするのは、如何(いかが)なものかと」


「久遠よ。朕はそなたの諌言(かんげん)ならば受け入れる。普段ならな。しかし…今回ばかりは聞けぬ。かぐや姫はあの桐壺の更衣と等しい…もしくはそれ以上に美しい女人(にょにん)ぞ。朕はそんな女人(にょにん)を待ち焦がれたのだ。そしてやっと手に入った。誰にも朕の邪魔はさせぬ」


自分を睨みつける帝に久遠は小さくため息を吐いた。


そのため息で、久遠もこの帝にはほとほと呆れているのだと蓮姫は理解した。


誰が何を話すでもなく、ただ沈黙が流れる。


すると遠くから「こちらにございます!お急ぎ下さい!」と先程の女房の声が聞こえた。


静まりかえった桐壺内では、全員の耳にその言葉が届く。


特に帝は瞬時に回廊の方を向くと、そのまま視線を動かすことは無い。


帝の胸は高鳴るどころか、早鐘のように大きく鳴り響く心臓の音が自分の耳を支配する程だった。


徐々に近づいてくる、いくつもの足音。


その中の一つこそが、自分が焦がれに焦がれたかぐや姫だと思うと、帝は興奮で手足が小さく震え出す。


あまりの緊迫した空気に、蓮姫や本物のかぐや姫もゴクリと唾を飲み込んだ。


久遠だけが興味無さげな表情をしていたが。


そして四人が待つ桐壺に先程の女房が現れると、その場に(ひざまず)き頭を下げた。


「お待たせ致しました、帝。ご命令通り、かぐや姫をお連れ致しました。かぐや姫…お入り下さい」


女房の言葉に(うなが)されるように、その人物は…ゆっくりと桐壺へと足を踏み入れた。



床に着くほどに長い(つや)やかな黒髪。


絹で出来た上等な着物を何枚も重ねた十二単。


顔は左半分を扇で隠しているが、隠れていない右半分の顔は白く陶器のよう。


(うっす)らと化粧を(ほどこ)されたその顔は色気が漂っている。


一度帝に向かって深く腰を折り、頭を下げたその者は、ゆっくりと言葉を(つむ)いだ。



「お初にお目にかかります。私が…かぐや姫と呼ばれる者にございます」



そう告げると、その者はゆっくりと背筋をただし、扇で隠れていない方の紅い右目に帝を映すと、優雅に微笑んだ。


その微笑みは、ため息が出るほどに美しい。


帝は…いや、帝だけではない。


本物のかぐや姫も、その者を連れて来た女房や武官達も頬を赤く染め、その者の姿に見惚れている。


あの久遠ですら、彼等と同じように頬を染めて、その者から目が離せなかった。



まさに絶世の美女と呼ばれるに相応(ふさわ)しい。



背筋をただしたせいで、帝や久遠よりも背が高い事を除いて…だが。


その者の正体を知る蓮姫だけは、頬を染めたり見惚れることは無く、自分の計画唯一の欠点に気づいて頭を抱えそうになっていた。


(…しまった。…ジーンの背の高さまで考えてなかった。これじゃバレるかも…)


現れたかぐや姫と呼ばれる絶世の美女の正体。


それは…かぐや姫の着物を纏い、かぐや姫の(かつら)を付け、女装したユージーンだった。


ユージーンは蓮姫の視線に気づいたのか、彼女に向けて右目でウィンクをする。


蓮姫に向けられたウィンクだったが、彼女の後方にいた本物のかぐや姫にもそれは直撃し、かぐや姫は「はぅっ!」と変な唸り声が出る。


しばし見つめ合う蓮姫と女装したユージーン。


だがその間にあるのは甘い空気などではなかった。


ユージーンの方からは少なからず怒気が放たれ、蓮姫にはその微笑みが氷の笑みに見える。


蓮姫は蓮姫で、女装した自分の従者から正直目を離したくて仕方なかった。


(確かに…ジーンは美形だし…『女装したら絶世の美女になる』って前に自分で言ってた。…けど…なんて言うか…私がジーンを見慣れてるからかな?なんか…絶世の美女というか…絶世の美しい女装…。あくまで女装した男感がぬぐえない…)


女装してまで自分を助けに来た従者に失礼だと感じながらも、蓮姫は自分の正直な感想を偽れなかった。


だが、ユージーンの女装に違和感を感じているのは、蓮姫ただ一人。


他の者は誰一人として彼が…目の前にいる美女が男だとは思ってもいない。


そんな思考に至らぬほど、ただただユージーンの美しさに見惚れているだけだった。


そして、この美しいかぐや姫を待ち望んだ帝が、ゆっくりと口を開く。


「……美しい。…なんという…美しさだ。…想像以上だ。…そなたのような女人は…まさに奇跡だ…」


「…お褒めに預かり、光栄にございます。帝」


ユージーンは微笑みを帝に向けると、地声よりも少し高い声で口先だけの礼を告げる。


蓮姫には無理したユージーンの声にしか感じないが、やはりその声ですら帝を虜にする。


「…そなたは…声まで美しいのだな」


帝はもはや、目の前の女(男)の美しさに心を奪われていた。

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