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苦悩の集

僕らが待ち望んでいた明日は来なかった

作者: 時雨 小夜

 

 僕らが待ち望んでいた明日は来なかった


 分かってる わかってるさ


 ずっと笑ってなんていられないんだ


 ずっと笑ってなんていられないんだ


 今日も今日とて雨が降るんだ


 僕は誰かを泣かせてしまう


 誰かが僕を苦しめに来る


 雨晒しの洗濯物は


 誰に拾ってもらうでもなく


 しかし捨てられるでもなく


 ただ薄汚れた路地裏に放置のまま


 ドラッグに喰われた娼婦は


 今日も今日とて娘を殴る




 僕らが待ち望んでいた明日は来なかった


 信じられない 受け入れられない


 今日も今日とて日が昇る


 誰彼構わず今日を与えられ


 這いつくばって のたうち回って


 ひたすらに今日を生きる


 誰彼構わず平等に与えられた今日の中で


 不平等に今日を生きる


 要らない今日なら捨ててしまえ


 要らない太陽など消してしまえ


 娼婦の娘は母を殺した




 今日が要らないのなら死んでしまえ


 昨日が欲しいのなら死んでしまえ


 今耳に響くのは


 遠くの川のせせらぎ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前半が救いようもなく汚れて悲しい世界だからこそ、最後の二行が心に響きました。
2015/08/14 19:15 退会済み
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