聖女になりました1
ううっ..さぶっ。
学校からの帰り道。あたり一帯は見渡す限りの雪,雪,雪。
わたしは体をぷるぷると震わせながら,我が安息の地(家)を目指していた。あー,早くこたつでゲームがしたい....
そんなことを考えていると,突然目の前に白いなにかが迫ってきた。いでっ。
「ざんね~ん,あたらないですぅ」
「くっそ,逃げてばっかずるいって!」
どうやら,雪合戦の流れ弾が飛んできたらしい。路肩ではしゃぐ男子小学生たちの姿がそこにあった。
ただでさえ寒くて最悪な気分だったのに,雪をぶつけておいて謝りもしないこいつらに若干イラっとする。
こんなところで遊んじゃ危ないよと注意するか?という思考が一瞬よぎるも,しかしコミュ障のわたしはというと,子供相手ですら話しかけられない。いやむしろ,子供は特に苦手な部類なのだ。
なので,何事もなかったかのように通り過ぎようとしたところで。
ギュイイイイッ。スリップした車がこちら側に突っ込んでくる。やばっ,逃げないと__________あっ。
滑った。
体が宙に浮かび,バランスを取ろうと両腕を前に突き出す。そしてその結果,目の前で腰を抜かしていた一人の男の子に抱き着いて着地。
直後,ドカッという音とともに背中に衝撃が走る。
「おねぇ...ちゃん?ねぇ,おねえ ん大丈 」
やっばい。意識とびそう。これ死ぬのかなわたし。まあいいか...最後にこの子の命を助けられたんだし。いえ本当は,自分一人助かろうとしてたんですけども...
「わたしの....分..まで,生きて..ね」
そういって最後の気力を振り絞って笑顔を向ける.
普段ならこっぱずかしくて言えないようなドラマみたいなセリフだけど,なんとなく雰囲気でいってしまった。てかなんか,言いたかっただけかも。みんなだってこういうセリフ憧れるよね!?よね??
ふう。落ち着けわたし。ま,もう死ぬんだし,恥ずかしさで布団にもぐって悶えることもないだろう...まって,どうしよう,これでまだ生きてたら...
こんな状況だってのに,そんなバカみたいなことを考える思考はとまらない。恥ずかしさのせいで一瞬,あやうく意識がはっきりしかけるも,幸いなことに,私はとうとう眠りについたのであった。




