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嫌われてたはずなのに、騎士団のみんなが離してくれない  作者: ぷく


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28/31

番外編 熱が悪い! 前半

ちょっと休憩で番外編です( ´-ω-`)

「……さむ……」


夜更け。

アオイは布団の中で小さく丸まっていた。


昼から続く倦怠感は、

夜になると、はっきりとした熱に変わっていた。


「……のど……かわいた……」


起き上がろうとして、力が入らない。


コンコン。


「……アオイ?」


扉の外から、低い声。


「……起きてるか」


「……はい……」


弱い返事。


扉が開き、カイルが入ってくる。


「……顔が赤いな」


「……ちょっと……あつくて……」


「……熱だな」


カイルは一瞬考え、


「……体温計がない」


「……え……」


「……動くな」


そう言って、顔を近づけた。


――こつ。


おでことおでこが、そっと触れる。


「……っ」


距離が近い。

吐息がかかる。


「……かなり高い」


「……団長……近いです……」


「……測っているだけだ」


だが、すぐには離れない。


「……逃げないんですね……」


「……逃げる理由がない」


アオイは、ふにゃっと笑った。


「……なんか……」


「……安心します……」


布団の端をぎゅっと掴む。


「……ここに……いて……」


「……一人……やだ……」


普段なら言えない言葉が、

熱のせいでそのまま口から出る。


カイルは少し黙ってから、椅子を引いた。


「……分かった」


「……ここにいる」


アオイの指が、そっと伸びる。


「……手……」


カイルはその手を包んだ。


「……あったかい……」


「……眠れ」


「……はい……」


しばらくして――


「……う……」


アオイの呼吸が乱れる。


「……カイル……」


「……?」


「……いかないで……」


「……ひとり……やだ……」


うなされながら、

はっきり名前を呼ぶ。


「……すき……」


「……ここ……すき……」


カイルの指が、わずかに強く握られる。


「……熱のせいだな」


その時。


「……騒がしいと思ったら」


扉が開く。


ノアとレオン、

そしてユリウスだった。


「団長、ずっと番してるんですか」


「……番だ」


「独占じゃん」


「ずるいな」


アオイが、うっすら目を開ける。


「……ノア……」


「……レオン……」


「……ユリ……」


「ユリウスです」


「……みんないる……」


「……いなくならない……?」


三人とも、言葉に詰まる。


ノアが言った。


「行かないよ」


レオンも言う。


「ここにいる」


ユリウスは静かに言った。


「……逃げる理由がありません」


「あなたは、守る対象ですから」


アオイは安心したように目を閉じた。


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