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「あほな少年のその後」

 「その女はある人物に電話すると、

眠っている少年を優しく起こすと、

 校長と教頭を待つこともなく

二人共帰って行ったのでした」

 「何で帰るのじゃ。

 これからだろう、

 その問題のある教頭をとっちめるのは」

 「すいません。

 話しを続けさせていただきます。

 結局、教頭も校長もそれ以来姿が消えたのでした。

 そして、

 翌々日にはもう新しい教頭と校長が就任したのでした」

 「ある人物というのは怖い男だったんじゃなあ。

 それで、

 その変な教頭と校長の死体は見つかったのかあ」

 「いえ、消えたままです。

 今も」

 「なんじゃ、

 これがどうしてカミサン伝説になるのじゃ」

 「すいません。

 もう少しだけ付き合ってください」

 「本当にもう少しじゃな」

 「はい、続けます」

 「まず、

 そのあほーな少年ですが、

 どうなってると思います」

 「まあ、

 あほなりに元気で暮らしているじゃろう」

 「元気は元気ですが、

 今や医師ですよ。

 まだ、研修医ですが。

 しかも、

 国立の医学部に入って医師になったのですよ」

 「じゃあ、なんじゃ、


 あほーあほーあほーカミサンカミサンカミサン


で頭が良くなったということをいいたいのか。

 そうじゃろ」

 「そうです。

 そうとしか考えられません」

 「もともとあほじゃなかったのじゃろう。

 とろかっただけかもしれないし、

 気が小さかっただけかもしれない。

 所詮、小学生だからな」

 「教授も信用してくれないのですね」

 「信用する方があほーじゃ」



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