FOURTH TAKE
【強くてニューゲーム】
【つづきから】
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また、ここへ戻ってきた。
わざわざ後で心臓を一突きする直前よりも今ここで、さっさと話をつけて決着をつけてしまえば楽勝なのでは?そう考え――私は、魔王へ駆け出し、ヴェールを剥ぎとろうとしたら、
マキナに体当たりされて阻まれる。
「痛ったー、なにするんですか、マキナさん」
魔王へ寝返ったのか?
「……待つ<ウェイト>っすよ。なんで、さっきと同じことするんスか?バカじゃないっスか?」
「は、はあ?さっき?同じって、なにがですか?」
意味が解らない。魔王をちらりと横目で見る。待ってくれているのか、グルなのかしらないが、なにもしてこないようだった。
「さっきもヴェールをめくって魔王の顔を見たじゃないっスか!」
「まだ見てませんが」
「見たじゃないっスか!」
「まだ見てない!」
話がかみ合わない。どういうことなんだ?幻覚をマキナさんだけに見せているのか?私の記憶を消された?
「さっき、私は魔王の顔を見た?」
「そうっすよ」
「さっきとは5分以内のできごと?」
「たぶんそうっす」
「魔王の顔を見て私は発狂しましたか?」
「どちらとも言えないッスね」
「……何が起きた?」
「勇者クンは、のっぺらぼうの魔王を見て、呆然とした後、また走り出して一度魔王の顔を見ようとした、と思うっす」
うーん、全く記憶にございません。それが本当なら無限ループに陥っていたかもしれないのか。でも、魔王の手下である可能性も捨てきれない。
「よくわからないが、止めてくれてありがとう。マキナさんがいてくれてきっと助かりました」
「ふふん!」
得意げになっていて少しかわいい。
「さ、ちゃっちゃと、魔王に殺されてくださいッス」
――コイツ!やっぱりグルだったのか!マキナに切りかかるが、ひらりと躱される。
「違うっス!誤解っス!ごめんなさいごめんなさい!!言葉足らずだったっス!!!!」
「話《命乞い》を聞こう」
「こ、これはいわゆる負けイベントってやつっス。戦力差があって勝てないンすよ!」
「へえ?」
「10から12倍、できれば15倍程度の戦力が欲しいっス。でも、今の段階では手が打ちようがないッスよ!」
だから魔王はあんな余裕ぶっているのか?いや、でも……。しかし、今度こそ暴いて……、ダメだダメだ。
「……わかった。それで、わざと魔王に殺されればいいんだな?」
「そうっス」
――
「もうやめてくれないか?」
「さすがだな、勇者」
――?なんだこれは、話が通じていない?
ボイスチェンジャーのような、くぐもった声たちが聞こえる。
また、魔王が詠唱準備を始めていて構える。さて、異世界転生RTAといこうじゃないか。
「―、―、― ―― 、、― 、―、 、、、 、―、―、― ―、― ―、 ――、―、 」
「――ッス!魔王、どうい――」
勇者の身体に強い衝撃が走る!
勇者は敗北した……




