表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/28

二重思考

【強くてニューゲーム】

【つづきから】

---------------

「ちょっと、考えさせてくれますか?」

「あと、お手洗いに行きたいです。できれば冷たい水もいただけますでしょうか」


――


マキナさんが肩にぶつかってくる。

「なんですか?」


今度はより強くぶつかってくる。痛いんだが。

「やめてもらっていいですか?」


さらに今度は床にぶつかり始める。おかしくなったのか?いや、これは――

「……これは、モー」


マキナさんは横に振る。皆まで言うなということか。唐突に牛のモノマネカバーストーリーをする。

「牛だモー!……意図を完全に理解しました。ただ……、"それ"は良くわからないんですよ」

「そんな」

モールス信号らしい、というところまでわかったが、そんなに知らないのだ。


マキナさんは深刻ななにかを伝えたいようであったことは分かったが、さっぱり見当がつかなかった。

なぜこのような回りくどい方法で伝えようとするのだろう?魔王を見に行くと良くないのか?

誰か――シュレか?シュレに聴かれたらまずい?脅されている?だからこのような真似を?

シュレにこのような子供だましが通用するだろうか?きっついが物は試しだ。やってみるしかないか。


手でハートを作って、マキナさんに伝える。

「私はあなたの話など聞きたくない」

「そんな~、でもお話したいっスよ~」


首を縦に振りながら、答える。なんて滑稽なんだろう。

「嫌です」


「アッシの後ろには3つの供給孔があり、上が魔力供給孔、右が電力供給孔、左が情報供給孔で、

上と左は触られたくないっス!」


触れってことか。

「ああ、上と左は触らないですよ、絶対触らないから」


「そっちじゃな――こっちっス!じゃなくて……」

よける。あれ?むかって右ではなく左なのか。こちらに合わせてくれたのか。しかし、ややこしい会話だ。


「ああ、絶対触らないから!」

「絶対っスね!!」

「絶対だ」

「絶対っスね!!!!」

触れる位置を確認しあう。大丈夫そうだ。


「おっと手が」

「あっ//// やった!成功です。聞こえますか?」

「//// 喋ったら――って、念話か」

「//// ええ、その通りです。怪しまれないように普通に話しつつ、続行しましょう」

「//// わかりました」


マキナさんは、話すとお茶らけていてシュレの前や念話だと真面目な不思議な人だった。

時間を稼ぐために、少々わざとらしくシュレに聞こえるように言う。

「あーうんこしたくなってきたなあ!//// 下品で申し訳ありません」

「ちょ、なんてこと言うんスか//// その調子でお願いします」


これが二重思考ってやつか。頭がおかしくなりそうだ。

「大なら外っスね//// 時間稼ぎ助かります」

「//// いえ」


平静を装うが、思考が相手に垂れ流しになるのは新たに変な性癖に目覚めそうだった。

向こうの考えが過剰に流れてこないことから、ある程度の考えを送る意思がなければ、

駄々洩れほどではないのだろう。おそらく。そうであってほしかった。


「//// シュレ様は、よく麻酔して解剖するのですが、最近対象を痛めつけて解剖とかが趣味になっていて、それで!」

「……ひっ」

解剖。中学の頃、豚の内臓を見て気持ちが悪くなったな。

そういえば、こんな有様でも少なくとも鳥はいるようだから解剖する生物には困らないのか。


「そ、その、外のトイレに衝立はあるんですか//// そうなったことに心当たりは?」

「あるわけないじゃないっスか//// ありすぎてわからないです」

「困ったな//// 困りましたね」

詰んでないか?


「//// そうだ、心当たりありました。勇者さんが帰ってくると伝えてからですね」

「//// 帰ってこないほうがよかったのか……」

「//// そんなことないですよ!……きっと。

とにかく!勇者さんには、これからとある条件を満たしてもらいます。

そうすれば時間遡行魔法発動条件が整うので、過去へ戻って一緒に考えましょう」

「//// 過去に戻れるのか!?」

「//// 今からポータルから発電機4セットと特殊なPCを出します」

「//// え?トイレ行きたいんですが」

「//// 聞いてなかったんですか?過去に戻るんですから我慢してください」

「//// はい……」


「//// 発電機に接続して、PCを立ち上げてください。ユーザー名とパスワードは付箋に」

おいおい。セキュリティはどうなってるんだ。


「//// コインクリッカーを起動してしばらくクリックしたら合図として手を挙げてください。

すると、私がなにか言うので『うぅ……あ、ありがとうございました』と言ってください」

「//// ……それでいいのか?わかった」


発電機の1つにPCのコンセントを繋げる。

PCを起動し、ログインしてアプリケーションの「コインクリッカー」を立ち上げる。


画面には、500円玉が映っていて、これをクリックする。

すると、500円玉が吐き出された?ん?


とにかく、クリックする。クリック。クリック。

クリックするたびに500円玉が出てくる。なにか闇バイトに加担させられている?

そろそろ指が疲れてきて、手を挙げ――前方の発電機が爆発する。


「勇者さん早かった!はい、今日の作業は終わりですわ、お疲れ様でした//// シュレ様に見つかりました!早口で!」

「うぅ……あ、ありがとうございました//// 目が!目が見えなくなってきたんですが!!」

「//// 成功です、良かった」






【原作】百夜異世界物語





【プロデューサー】魔王





【進行管理】魔王





【調達管理】魔王





【QA】魔王





【脚本】マキナ





【世界設定】ワールドフリッパー





【イラスト】いらすとや





【プログラミング】マキナ





【BGM】魔王塊





 主演キャスト

【勇者A】勇者

【勇者B】勇者

【勇者C】勇者

【勇者D】勇者

【魔王】魔王

【マキナ】マキナ

【シュレディンガー】シュレディンガー

【町民A】シュレディンガー

【博士】Fox.シルフィード博士

【中の人】高慢ちき



    【スペシャルサンクス】

       異教徒大学

憂さ晴らしに協力してくださった被検体の皆様



【協力会社】株式会社501U



Thank you for playing!


---------------


to be continued world line...


END15.お嬢様END(false)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ