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ハーフエルフの父~エルフの里国編~  作者: タマツ 左衛門之介久


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さくらの持つ力の源流 トキヒコの源流

「お父さん?」さくらは小声でトキヒコに声を掛けた。

 トキヒコはさくらに声を掛けた後、直に眠ってしまった様だ。

 トキヒコは、直に寝る。

 自分が眠ると決めて横になれば、例えそれが布団で無く共、ベンチであれ草原、地面であっても寝てしまう。


「お父さんが、寝た?ナイス!」

「お父さんは、朝遅いくせに、昼寝もしちゃうからなぁ」

 起こさなければ、翌朝まで寝てしまう事もある。

 トキヒコは、一度眠るとなかなか起きない。それはさくらも知る事。


「良し、と。」

 さくらはその場で立ち上がると、意を決する想いを抱え、この場に集まる者達に対して言葉を投げた。


「私はスルガトキヒコの児、スルガさくらです。教えて下さい、何故、私の中にはあなた方から伝わるモノ(波動)を秘めているのでしょうか?」

(「何者が返答してくれる?」)


「私の言葉は伝わっている。」実感を越えた確信的な感覚が有る。

(「だが果たして、私の問いに答えてくれる者は現れるのだろうか、」)


 さくらが待つ間も無く、音も無く、気配も無く、ただ、その者は現れた。


 今立つ左右に分かれた樹木の形そのままに、樹木より抜け出す様に、さくらの眼前に大きな姿が現れる。


「あなたは?」

 揺らめく大きな影、二股に別れている姿に、顔は持たず。


《《この者は、スルガトキヒコと名を持つか、そして、そなたはスルガさくら、この者の児、、、我らと申そうか、此地に集う者、、、それらに名など持たぬよ。》》

「名前をお持ちにならない、、、」だけど、


(「私の声が届いた!そして意識として、向こうの声が届いて来る。」)

 さくらに湧き上がる想い。さくらは聞きたかった。多くの事を聞きたかった。

「私は知りたいの!」

(「父の持つモノ、私が持つモノ。そしてその因であり、理を!」)

 さくらが彼らに聞きたかった事、それは父の事であり、自分の事。

 何より自身が秘める“力”の因を。

 


「何故、父スルガトキヒコにあなた達は集まるのですか?」

 さくらは父トキヒコに関する事から伺った。

 疑問や問題を解決するには順を追う、時系列的に聞き、知る事、それが妥当だと思ったからだ。


《《集まる?》》

「はい。この地を訪れ進み行く内に、皆さんは父と並び進みました。」其れは何時から?父が子供だった頃から、、、

 それはさくらも気付かないままに、トキヒコの周囲には溢れ出してしまうかの多くの者達が集まり、そしてこの場所、父トキヒコが言うところの”秘密基地”へと共に進んだ。


 さくらからの声、それが届いた彼らは、まるで顔を見合わすかの様に、何かを相談でもしているかの様にさくらの紅赤の瞳に映り出される。

 やがて先程の大きな姿を現した者からの声であり、意識が届く。


《《近しき想いを持とうなれば、同じき道を進めばよい。》》

 トキヒコの周囲に集まっている者達も、さくらに向かう。


《《嗚呼、ああ、同じくなろう。》》

《《同じ》》

《《同じ、、、共に居る。》》

(「同じ?何が同じだと言うの?」)


《《尚も近しき想いを持ちこの地を訪れよう者ならば、それは同じ者。ヒトが表す事であれば家族と成ろうか。》》


「家族?!」

(「『同じ』は家族だと言うの?」)


《《そう家族、この地に集う者は皆、家族。》》


「ええ、血の繋がりだけが家族ではないわ、、、」


「でも、形無き、現す姿が異なる者、命の有無が不明な者達と家族って、、、」

(「姿、その形が、存在が、違い過ぎる!」)


《《姿形など、、、必ずしも全てが持ち、得なければ成らかろうか。》》


《《姿形や生の有無など、只の誰かしの定義に過ぎぬ。》》


《《同じである。向かおう先、想う先、それは示す意識であり“気持ち”であろう。》》

(「姿や形、それこそ存在の異なる者達が持つ想いであり“気持ち”、、、その気持ちが同じだからって、、、父は、この地に集う者達と同じ“気持ち”を持つと言うの?」)


「皆さんが持つ気持ちと、父スルガトキヒコが持つ気持ちが同じであるなら、、、教えて下さい、それは何なのでしょう?」


《《気持ちを表そう事など、、、難しいな。》》

《《嗚呼、表すならば、何とする?》》

《《うむうむ、何とする、何であろう。》》


《《スルガさくら、此地にを訪れし並びの今、己の中にて感じ得る気持ちとするモノは有ろうか。》》

(「私に伝わる気持ち?」)


 さくらは目を閉じ、大きく「開いた」。

 『開く』それはエルフが魔力を行使し、相手の意識を読み取る『術』のひとつ。

 

 さくらの意識の中に、多くの事が入って来る。

 木々が興す周波の囁き、

 呼び合う鳥達の声、山鳩、雉、コガラ、トラツグミ、ホトトギス、、、数え切れない程の多くの野鳥達。

 何かを見付けた獣の息遣い、、、猪が地面を掘るのね、

 昆虫独特の信号のやり取り、、、ミツバチが独自のダンスで蜜の在り処を教え合っている。

 魚が作った波紋の先、波紋を受けた別の魚が泳ぐ向きを変えた、、、

 、、、さくらの広がる波動。

 その波動は、さくらの中に多くの事象を届ける。


(「、、、有る、精霊達の興す波動、そして“想い”が!」)


 今、さくらの行った『術』は、エルフのソレを遥かに超えていた。

 しかし、


(「精霊達の波動が有る、そしてその想いが或る!だけど、だけど入って来ない、、、届かないの?!」)

 エルフ達が行う『開く』は、相手の意識や感情を知るに繋がる。

 その中には相手の『嬉しい』『悲しい』の感情である“気持ち”も含まれる。


(「或る、或るのだけど、、、上手く理解に届かない?!」)


(「判る!もう少し、、、だけど解らない?それを理解するには届かない!何故?私に何が足りないの?!」)

 解りそうな所で進まない。さくらはジレンマを抱えた。


《《スルガさくら、気持ちなど“力”を向け知るには誤りとなろう。》》


《《気持ちは感ずる先に有る。》》


《《同じくする者であれば容易かろう。》》


《《感ずれば、何れ先に繋がろう。》》


(「お父さんと彼らが持つ“気持ち”、私では持てていない事だから、理解に至らないの?」)


(「だけど、精霊達から伝わり来るモノと、私の中に有るモノが同じに感じるのは何?」)

(「父は、この場に集う者達から、やはり何かを与えられたのだろうか?」)



(「お父さんと精霊達が持つ同じとする『気持ち』が、私の持つモノの“核”かも知れない。だけど、、、」)

 さくらの意識の中に少しの『焦り』が現れ出していた。

(「この場所は、刻の流れが遅く、この樹の上では刻が止まっている、、、だけど残されてる時間は少ない、お父さんが起きる。」)

(「だからもっと、もっと多くの事を聞きたい。」)



「あなた達は父に対して何を行い、何をお与えになられたのでしょうか?」

(「父トキヒコは、この場に集う者達から何かを与えられた。」)

(「それが結果として、私に届く事となった。」)


《《此地に集う者が、何者に何物を与え様事など適わず。》》


《《見ての通り、此地、此場の者は何も持たぬよ。》》


《《ああ、何やらも無い。》》


《《何を持とう?》》


《《だが、届け様モノは或る。》》


《《そう、届け様、、、届けれ様事か。》》


(「届けられるモノ、それは何?」)


《《嗚呼、或ると言えようか。》》


《《それはこの者の思い。》》


《《そう、想いならば、届け様やも知れぬ。》》


《《それは、届こうのか?》》


《《届く届かぬ関わらず、準ずるのみ。》》


《《この地に身を寄せよう者の持つ思いに準じよう。》》


(「お父さんの思い?」)



 トキヒコはある時、強い思いを持ち、それは自身の妻に向けられた。

 トキヒコが今まで持った事がない、強き思いが向かった先、それはリーザのお腹であった。

 トキヒコは伴侶となったリーザの懐妊を知り、言葉通りに両手を挙げて喜んだ。


 しかし人間とエルフ、姿形が似ていようが違う存在である。

 過ごして来た時間が違う、産まれ出た世界が違う、なにより存在としての種が違う。

 それはトキヒコであっても理解していた事。


 二者の間に在る、種としての共通点も相違点も、有るのか無いのかすら、実際には分からない。

 そんな状態の者同士の間で、そもそも新たな生命を得る事は可能であるのか?いや、許される事であるのか?

 トキヒコはどこかで何時も思っていた。


 やがて妻が懐妊した。


 二者の間にあった、不確かなモノはトキヒコの危惧であったのだろうか。

 いや、トキヒコが安堵する事は無かった。

 そもそも別の世界、別の種とも呼べよう者同士の間で宿った、新たな命の鼓動。


 新たな生命、いや、命成す者として、この後に形を成す事に続くのか?母の母体にて育ち進む事は可能なのか?そして無事にこの世界に飛び出す事は可能なのか、、、飛び出して来たなら、、、それは生命体として、形を成しているのか、、、。


 トキヒコのリーザの懐妊に喜ぶ気持ちは、立ち上がれられぬ程の不安とに押し潰された。それは恐怖であった。


 だが、同時に持った。

 今宿された小さな命、無事であって欲しい。

 このまま誕生まで、自分の出来る事を行おう、やれる事をやろう。それでこの命が『護れる』のであれば。


 トキヒコが持った“思い”は、祈りであったのかも知れない。



《《この者が持つ思い。何よりお前を『護りたい』とする思いは此地に集う者にも届き、家族であらばそれに連なろう。》》

(「私を護る?では、父の事を知っていた。父が子供の頃にこの場に居た時から、彼らは父と接していた、、、」)


《《家族は家族を護りし存在。ならば連なろう。》》

(「護る?!彼らは父スルガトキヒコを家族として位置付けているから、、、

 『家族は家族を護る事』彼らが父に対してその意識を持つから、、、先日私自身が『スルガトキヒコを護る』と感じたのは、彼らから伝わったその意識が、私の中に在るからなの?、、、」)


『スルガトキヒコを護りし存在のひとつ』

 先日さくらが母王ジールとの謁見の際に、突如として想い浮かんだ意識。


《《ただ、此地の者が行えし事など何も無い。》》


《《与え様モノも何も無い。》》


《《“思い”は持とう。だが、持つだけである。》》


《《思いなど、、、届くか否か判らぬ先。》》


《《届かぬ共、此地の者も思いを向ける事しか適わぬ。》》


《《其れは、何も興さぬ。》》



 名も無き精霊達が持つ事となった“思い”は、時間も空間も関する事無く超越し、リーザのお腹の中で誕生しつつあった新たなさくらへと向かった。

 精霊達の思い(波動)は、からみ合うひとつの“力”となって、さくらに向かった。

 そして、彼らの思いは、母であるリーザから継承される事となる、さくらが元々内に秘めていた魔力と融合される事となった。


 名も無き精霊達の『思い』はさくらに届いた。

 だがそれが、胎児と成ったさくらを『護る』事に繋がったのだろうか?答えは無い。


 そしてさくらは誕生した。


 その宿した力は紅の赤い瞳として表されられた。しかしその力は、同時に眠りを迎える事となる。

 眠り、それは力の留まりと熟成。エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが掛けたるさくらへの『枷』。


 エルフの持つ“魔力”を抑えるが為の『枷』。これはさくらを人間社会で育てると決めた、トキヒコが女王ユーカナーサリーに求めた事。

 “魔力”は、人間社会において不要なモノ。その中で“魔力”などを現す機会、ためらう思いがあれば、それこそそれが成長の枷となる。トキヒコの持論であった。


 エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが掛けたるさくらへの枷、それは精霊の届きし思いと、さくらが継承され本来持つ事と成った魔力と融合された、ひとつの“力”のままに、眠りを迎える事となった。


 ふたつの力は時を掛け、融合が進み、さくらの成長と共に育つ事となった。

 本来魔力は、その者が持つ力が大きく成ろうとも、育つ事などは無い。『育つ』と『拡張』は違う。

 さくらは『育つ魔力』をその身に秘めるに至った。


(「この場所に集う者達、、、精霊達の思いは父の持つソレと連なり私に届いた。

 だけどそれか何故、私が持つとされる“力”となるの、、、?」)

(「自分が持つ力の因が精霊達に依るモノ、、、だけどそれが何故、自分が持つ“力”となったのか?」)

 さくらは解析ができなかった。


(「父にはこの場の者達と同じ想い、同じ気持ちを持つ。それはこの場の彼らが集まる事に繋がった、それは、、、。」)


「はっ!」

 さくらは寝ているトキヒコに振り返った。

 トキヒコから届く波動。


「同調?」

 お父さんから伝わって来たのは同調?!


 何故、お父さんに同調なんて似合わない!

 一匹狼を気取って単独行動を好んで、自分勝手。


 お父さんは、集団行動からは直に飛び出してしまう。

 協調である集団行動、それもお父さんが持つ想いとは違う。


 お父さんのその性格の特性として、相手の調子に合わせない、自分の主張を前に出す、結果が見えず共、誰かの賛同を得られないままに始めちゃう。

 誰かと協力しても、その利害関係や立場なんて二の次、無視するに近い。

 周囲に賛同をする事があっても、その様子や調子に合わせない。

 相手を尊重しても、必ずしも歩調を合わせるとは限らない。

 同調でも協調としても、程遠いのに!


 同調よりも強い、協調性が欠けているとも捉えられるお父さんの性質なのに、、、



「地球、地球の中?!」

 さくらに再び、トキヒコから届き伝わるモノがあった。

(「地球、、、お父さんはこの世界、それこそこの星、地球と一体に、融合される、、、同じに成ろうとていたの?!」)


(「だけど自分がいくら同調を目指しても、回りの者に知られなければ、、、

 だけど、それを感じた者達はお父さんに集まる。だから、この場に居る者達は感じて、寄り添う様に集まっていると言うの?」)


(「共振なの?お父さんの固有共振に合わせよう、重ねようとする意識を持つ者の存在がある、、、それが今この場に集まる彼らであり、大自然の意志、、、父の固有共振を感じ取った者達と繋がる、、、それが父、スルガトキヒコの持つ源流、、、。 


 だからと言い、そこに何かの事象が興る事は無い。

 父、スルガトキヒコの中には、何も持たない、、、。」)



(「お父さんは、、、『協調』や『同調』とも違う、もっと広域的な思想とも言うべきなのかしら、一種の領域とも言える世界観を持つ、、、そんな気持ちを持つ、、、私の意識では、届かないのかも知れない、、、」)


 地球と一体になる、、、それはトキヒコが無意識の中で持つ、自身の源流であったのかも知れない。

 例えそれがトキヒコの源流で在ったとしても、そこに“力”へと連なるモノは何も無い。


(「お父さんの中には、私が持つ“力”の因は無い。」)

(「では何故、私は“力”を持つ?エルフ達が現す“魔力”とは別の力を秘める?」)


(「私がスルガトキヒコの児であるが故に、私が力を宿す事と成ったのは解る。だけど、」)

(「だけどその“力”の源であり、因(理由や根拠)が分からない。」)


 トキヒコが持つかも知れぬ何かは示されぬまま、実際はさくらの持つ力に繋がる源流の一部であれ、発見であった。



《《スルガさくら、、、此地の者共の“思い”は、幾ばくか届くに至ったのであろうか。》》

(「私に届いたという思い?それが私の中にある、この場の皆が持つ波動であり意識、、、同じ感覚、、、。在る!」)


《《スルガさくらが此地に立つ。他に求めるモノ、望むモノは何も無い。》》


《《此地に居る来ずも関わらず、この世に立てば其れで良い。》》


「ありがとうございます。」


 さくらは大きく頭を垂れた。

 それは素直に行われた、さくらが持つ普通の常識。


(「この場に集う者達が持つ思い、それは私に届いた。だから私の中の感覚、、、ああ、なんて温かいのだろう。」)

 さくらは自身の持つとされる“力”を理解する為に、向き合った事は何度もあった。

 温かい、、、初めてそう感じた。それは、さくらが自身が“力”と向き合う姿勢が変わったからであった。


(「だけど、、、彼らが下さり届いたとされる“思い”が何故、私が持つとされる“力”となったのかは、解らない、、、」)


「皆さんの下さった思い、それは私の中に確かに在ります。」

(「でも、お父さんとこの場に集う精霊達が持つ、同じとされる“気持ち”には、私は届かない、、、」)


(「お父さんと精霊達とが持つ“気持ち”を持たない私は、自分の持つ力の因を理解するに届かない。それは、彼らから家族との認識も受けられない、、、」)


《《此地に立とうが立つまいが、スルガさくらは家族、スルガトキヒコの児であるならば、そう成る。》》


《《同じ意識を持とう者に連なる者であれば家族。》》

《《疑いも、拒みも生まれず、共に在るべき。》》


《《だが、此地に居る者が、何かを与えるは適わず、何かを渡す事も適わず。》》


《《ただ添い、進みを共にするを向かう。》》


《《向かう先は定まらぬ。それがこの世。》》


 精霊達の想い、家族であるスルガトキヒコの護りに繋がる事。





『「、、、何か、誰かがおしゃべりしてる?囁き声が聞こえる、、、いや、風の音かなぁ」』



『「風も音も地球の中、オレも犬も葉っぱも地球の中」』


『「皆んなこの世界に居る。地球から他の場所へは行けない。だからずーと、この中で過ごすんだ」』


『「そうなると、皆んなお隣さんになるのかなぁ」』


『「だから仲良く、、、でも、なんか無理して仲良くしてもなぁ、皆んな自分勝手だし、、、でも、ケンカする事は無いか」』


『「みんなで走って競争して、あいつが勝った、オレが負けた」』


『「お菓子をもらった、一緒に食べよう、うれしい?オレも嬉しいよ」』


『「なんだよ、こっちに来いよ!」』


『「どこまで行こう、どこまで行ける?」』


『「いつまで?死ぬまで」』


『「死ぬって?よく分かんないよ。でも悲しいこと」』


『「じゃあさ、一緒にいればいいじゃん」』


『「そう、ずーと地球の中にいるからさ。地球、分かるだろ」』


 トキヒコは夢を見ていたのだろうか。

 それとも、トキヒコの中にある、記憶を辿っていたのだろうか、、、


 、、、誰かの話し、、、誰の?



「あっ、お父さん、、、」

(「父が、、、起きた?」)

 この場所は、時間の進みが止まっている。

 それでもさくらの体感として10分は経っていない。

『トキヒコは一度眠るとなかなか起きない』さくらも知っている事、であるが、、、



「なんか、思い出した気がする」

 トキヒコは、ゆっくりと目覚めた。






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