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ハーフエルフの父~エルフの里国編~  作者: タマツ 左衛門之介久


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来客者 風の民クーリャ ヅロドローエネラギア

 訪問した嵐の国で起こった出来事。

 あの場所を構成し、留めていた物『記憶の石』。

 その力が弱まった(だとか)。

 ババァンは、嵐の国を治める力が弱まって来るから、その後を自分のに託し、会社機能だったら、変革と新規事業へと移行した、、、それは一方的に、強制的に。

 あっ、会社ではないけど。

 だけどそれにより、嵐の国(特大シャドーボックス・ジオラマ)は壊れずに済んだ(みたいだ)。


 クーリャが父なる存在ババァンシミミンに『国には戻らず』と言われていた事は、『記憶の石』が持つ力が弱まる前兆があったからなんだろう。

 だけどあのまま、本当に『記憶の石』が弱まってしまい、嵐の国がコンニャク(コニエック=終わり)を向かえ、消えてしまう事になっていたら、、、風童達も巻き込まれる事になったのか?

 だけど、それはそれで外に出されていた風童達は、どうなってしまったのだろう。

 もしかして、嵐の国が消えてしまえば、同じ運命を辿る事になってしまったのだろうか、、、。



「どうしたトキヒコ、何を想う。」

「ええ、ザーララさん、、、あの時、ババァンドンシミミンは、」

 トキヒコは言い間違える。

 繰り返し、繰り返し間違えても、直す気が無い。

 そもそも誰かの名前を憶える事は苦手のようだが、憶え無い(憶えようとしない)。

 だが、言い間違えを聞かされたエルフ達は、その事を訂正しない。


 それは、トキヒコの意識と思考が伝わり分かるから。耳から入るトキヒコの発声が間違っていても、その意図する事を理解してしまうから。

 トキヒコの思い違えや考え方が間違っていたならば、正すべき声も掛けよう。

 そう、トキヒコはエルフ達に甘やかされている。



「ザーララさんは、ババァンシミが新たに『記憶の石』を作るには、彼の命を削る事だと言った」

「ああ、彼の者の持つ“器”成れ、力だな。其は限界を迎えていた。」

「そうか、限界だったのか、、、でも、ババァンが命を削って作る物をザーララさんやさくらだったら、容易たやすいと」


「ああ、造作も無き、容易き事。」


「あの場所(嵐の国)を形造るズロロンエラエラギーは、一種のエレメンツ、それはあの場所を作り、留めるエネルギー」

 だったっけ?

「そうだトキヒコ、トキヒコの申す『記憶の石』は彼の場のエレメンツであるヅロドローエネラギアであった。」


「もしもザーララさんがババァンと同じ様に、記憶の石を作るとしたら、何個ぐらい作れるんですか?」

 100個、200個、10,000個!


「ヅロドローエネラギアか。そうだなトキヒコ、わたしで有ればイエゼン(1個)で良かろう事。」

「えっ、1個だけ?」

 あっそうか、ババァンが作った10個分の能力を1個に集約しちゃうのか。


「エークゥ・トファノキ・ヴィラーサット(ハヴァバンドゥーンズローシミィ)はジェツシェチ(10個)より増やせぬと申したが、アヤツもまだまだだな。」


 ババァンは10個の記憶の石を作って、それらを使ってひとつの国(トファノキブーミ=嵐の国)を作りだした。そこに地形から建物、その上その中で暮らす者まで作ちゃいましたけど。


 なのにザーララさんは1個だって、、、もしかして、ババァンの方がザーララさんより大きな魔力を秘めてたの?


「トキヒコ、わたしならイエゼンの物に次成るドゥバー(2個目)への影響を持たす。ドゥバーにてサー(3番目)を産み出させれば良い。さすれば次であらば同様に、其を繰り返せば良い。故に其に数など関わらずに、ヅロドローエネラギア成れ自体が創り続ければ良い。」

 ひとつ目のモノに次に連なる、制御する性質を持たせちゃうって、、、それでズロロンエラエラギーが次の物を作り出させる、それを繰り返させて、その上そこには数量が関係無く、、、それじゃ永久機関!無限じゃんか!

 ザーララさん、無限が作れちゃうって事?


「魔力成れど使い方、示すべき向きの違いだな。」

 多分それって『普通』の“魔力”じゃ出来ない事なんだろう。

「トキヒコ、其は『普通』であろう。わたしであれは『普通』成る。造作も無き事。」

 いやそれ、『普通』じゃない!



「じゃあ、さくらが『記憶の石』、ズロロンエラエラギーを作ったら?」

 さくらはエルフ達の持つ“魔力”に加え『未知なる力』を持っているらしいから。どうなる?

「さくらであれば、イエゼンで良かろう。」

 さくらも、ひとつ?


「それはザーララさんみたいに、二つ目を産み出す様に同じ様な効力を持たせられるから?」

「いやトキヒコ、さくらは“異”だ。」

 さくらは違う?



「さくらが創ろう成らば、其のイエゼン成るヅロドローエネラギアは、育つ。」

 育つ?



「トキヒコ、魔力が育つ事などあり得ぬ。」

 えっ、そうなの?

 魔力を秘めた子供エルフが大きくなったら、その持つ魔力も身体の成長に合わせて、育って大きくなるんじゃないの?

 使える『技(術)』が増えたり、内に秘める魔力量だか魔力ヂカラが大きくなるんじゃないのぉ〜。


「トキヒコ、魔力はな、その持つ力を拡大に向かう事は適おう。」

 エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーは、膨大な魔力をお持ちだと聞かされている。

 だけど、何を以って膨大なのか、どれだけの大きさなのか、魔力は量としては測れない。『ビール瓶何本』とか『東京ドーム何個分』とかだとイメージは沸き易いんだけどなぁ。


「あくまでもトキヒコに持たすイメージと成るが、魔力成れの大きさ多さ、その体積成れ、質量成れ表現や計測方法を違えとせ、同じ状態のモノの容量と表せば、其が増減するだけの事。」


「だがな、さくらが秘め様シルワァ・ヅィロドァ(“力”)は育つ。」

 力が育つ。ハタチを過ぎても成長中?


「魔力を大きくし、其が膨大と表せ様とも、それだけだ。本質を変えるには至らぬ。故に育ちとは異なる。」


「『ヅミアーナ』育ちは変化をもたらそう。魔力成れど器の増減であろう事、しかしさくらの育ちは変化を伴おう事。」

「ザーララさん、その変化っていうのは?」


「トキヒコ、流れだ。1本のレゼカ(川)の流れを思い起こせ。」

「川の流れ、ですか」


「そうだトキヒコ、レゼカは1本流れ様。だがな常に方向は変わりまた、戻る。一定のリズムを持ちながらも尚、其の変化は続こう。留まる事を知らずにな。」


「して、分流成れが加われば、其は大きさ太さを変え、含む強さも変わろう。」

 川の流れは、分流が加われば下流に向けて大きくなる。

「さくらの“力”だとかを川の流れで表して、、、その加わる分流って何なんです?」


「知識に経験、思考、行動、表す感情、全てだ。さくらが生を営む全てはさくらの“シルワァ・ヅィロドァ”を育てよう。」

 さくらが感じて、経験する事は、その“力”が育つ事に反映される、、、

 じゃあ、悪い事ばかりしていたら、悪い力が育つ?


「トキヒコ、トキヒコの申す『悪』を表そう事象が不明であるが、トキヒコの想像する先に、さくらの“力”は立とう事。」

 子供を正しい道へと導きたい。親として持つ当然の思いだ。

 だけどオレ自身が正しい者かと問われれば、、、答えに窮する、、、オレは善人なんかではない。

 それに『親は無くとも子は育つ』。さくらを見ていれば分かる。さくらは既にオレの手では届かない所を進んでいる。


「さくらの育ちは、先が見えぬ。其の拡がりは何処まで行こう、其は“無限”と表すべきなのか、わたしでは表現すべき語彙を持たぬ。」

 川が流れ続いた先は、海に届くのだろう。

 さくらの“力”は何処に届くのだろう、、、。

 

 だけどザーララさんがさくらの事をこうも言われるなんて。

 子供が褒められてる事を聞かされると、親としては嬉しいなあ。

 さくら、お前って意外と凄いのかもなぁ。

 “魔力”が使えて便利だし。


「トキヒコ、さくらは無限や永遠に繋がる力を持とうぞ。お前のさくらに対する評価が低かろうぞ。」

 ふぅ~ん、そうなのかなぁ。


さくらへの評価ですか。いつもほぼ満点ですよ」


「ですがザーララさん、さくらは私にとって子供以外の何者でも無いですから」

 可愛い可愛い、私のちいさな








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