来客者 風の民クーリャ 風童達
嵐の国(トファノキブーミ)が(何時か分からない将来に)消えてしまう事が回避された。
それは風童が融合だか合体され、別の存在になる事によって、ババァンより改で新たな“継承”が行われたから。
あの時に交わした、改で新たな存在となった、風大人童との会話が思い返される。
「風童、クーリャが突然賢い(様な気がする)物言いをするのは、ババァンの影響なの?」
クーリャは時々、ただの生意気坊主とは違う側面を見せる時がある。
「スルガトキヒコよ、言い違いはございますが、」
あ〜スイマセン、ハバァバンドーさん、、、、
「私達は父なる存在、ハヴァバンドゥーズローシミィより産まれし者。」
「故に持ち得たモノ(意識・思考)は、ハヴァバンドゥーズローシミィより与えられしモノ。」
ババァンの考え方や性格が遺伝してるのか?
「此場にて、私達は学ぶ機会を持ちません。」
「ですので外成る世界へと向かうのです。」
「向かう先にて出会い、興り、学ぶのです。」
向かう先って、何処なんだろう。
そう言えば、エルフの里国でクーリャ以外の風童を見掛けた事が無い。
向かう先、、、オレの知らないこの世界の何処かの場所で、風童達は翔んでいるのか。
「向かう先にて、接した者より学びます。」
それは、何処の誰なんだろう。
「それでさくら、クーリャは大人しくしてるか?」
風の民クーリャ・ククール、スッテンドッテンなんとかは、さくらが引き取る形で、リーザの住居に一緒に居る形を取っている。
まあ、居候だな。
「うん、自発的(勝手)に何かしているみたいだけど、特に変わった様子は無いと思うの。だけど日中は、何処に行っているのかは知らないわぁ。」
そこは自由に、と言うか、干渉する事は無いからなぁ。
クーリャはエルフの里国の誰かから、学んでいるのだろうか、、、何を?
「それで、チョコは大丈夫?」
風の民クーリャはチョコレートを食べると酔っぱらう。有るだけ食べてしまいそうだし(実体験あり)。
「一日ひとつの言いつけは、守っているのでご心配無く。」
『チョコレートは一日一個』オレの言いつけは守らなかったくせに!
実際のさくらのチョコレートの保管に関しては、“魔力”に依る鍵が掛けられている。それはクーリャであれ探す事も見付ける事も不可能である。
「さくらそれで、風童達は『接した者達から学ぶ』そうなんだけど、何を学ぶのだろう」
国語や算数?作法や生活習慣だったりして。
「クーリャはお父さんと接する事によって、意識と知識を育てるの。」
育てるの、何で?それでオレなの?
「風童達は、ハヴァバンドゥーンズローシミィによって産み出された存在。」
そうらしいけど。
「だから、その持つ知識も意識も限られたモノとなってしまう。ひとつの流れしか持たず、個体差は有れど、、、ハヴァバンドゥーンズローシミィのその時の気分かしら?多様性など望めない。」
やっぱババァンのクローン人間みたいなモノ?
「ハヴァバンドゥーンズローシミィが望んだ風童は、そうでは無い。多くの意識が交わり、多くの流れを作り、多くの喜びが溢れる世界。」
強い風は流れてましたけど。
「だから風童達を『風が持つ流れ』に乗せ、皆を外へと向かわせた。」
そうだ、確か風童は100人近く居るって言っていた、、、気がする。
だからクーリャ以外の風童は何処かに飛んで行ったのだろう。それは、エルフの里国以外の場所へ!そこで出会った誰かから学ぶ。何を?
うわぁ~、風童達に聞きたい!いったいどんな場所へ!国だか里に行ったのか。そして出会った者達、それらが在る世界へ!
「それでさ、クーリャの修行って何?“ヴィラーサット”の名が付く風童達は、皆んな修行中って事?」
何人のヴィラーサット付きの風童達がいるのか知らないけど。
「風童達は(嵐の国の)外へと向かう。それは喜びを持ち帰るが為に。」
イタズラのテクニックを磨いて、帰って皆んなに披露する為に?
「その中でも、クーリャはお父さんと出会った。ココ(エルフの里国)には無い意識であれ知識、行為に言語、それに習慣。」
「はぁ~色々と。でも、オレから色々と知ったとしても、何に使うの?」
「イタズラよ。」
はぁ~やっばり、でも、イタズラって〜?!
ババァンは何で“イタズラ”なんて思い付いたんだろう。
それで、やっぱりクーリャの修行って、イタズラの事かよ!
「イタズラって、場合によっては悪意にも繋がるキワドイ事。
だから相手を知らなければ、無闇に行為も、、、内容や範囲ね、決まらない、決めれない。」
イタズラを仕掛けられた相手は悪意を持ってしまう、、、有り得る。そう、笑って済ませるとは限らない。そうでなければ“イタズラ”とは呼べないかも。
オレはやられたら、、、イラ付くよなぁ。
「人間を例えると、人間としての種はひとつ。でも人種、地域、文化が違う、」
「同じ人種であっても、生活圏や持つ歴史背景等で別の文化体系を持つ。そこには決まりであり、生活習慣も含まれる。
ここで良い事はあちらではダメ。」
確かに。
「だから風の民達が学ぶのは、もっと深い所。それこそ相手の持つ性質であり、それは習性。」
「習性ってぇ〜。」
それって、元々皆が生まれ持ってる気質であり性格の性質とか、付け加えると、オレだと自分が持つ癖や行動の特性なのか?
自分が育つ中で新たに持ったり、変化した性質は有るかも知れないけど、風の民はイタズラを行う為に、相手のそんな深いところまで理解するって事?
風の民は、イタズラ相手となる者をプロファィリングしちゃうって事かよ。
そこまで相手となった者を知らなければ、イタズラから喜びは見出せないから?
「そう、風童達は『知る』を得る為に。でも、そこまで知らなければ、イタズラという行為は成立しなくて?お父さんが『やられたぁ』と思った同じ行為だったとしても、他の誰かだったら怒りを抱えてしまうかも知れない。」
「まあ、確かにそうかも」
「だから相手を知り、範囲を測るの。そうでなければ、彼らが求める『喜び』には繋がらない。」
ハヴァバンドゥーズローシミィが産み出した、多くの風童達は、嵐の国から外の世界へと飛び出した。
その中で、クーリャはエルフの里国へと辿り着き、エルフ達から“意識”を学び、その持つ性質を測る中で、クーリャはリーザと出会った。
リーザからは他エルフが持ち得ない何かを感じた。
それは、人間の事。
リーザは人間の意識や生活習慣を知り、その身に纏う。
その為、クーリャはエルフ達からは感じ得ない他の存在である“人間の事”を合わせて学ぶ。
クーリャはリーザと接する事により、ふたつの種族を同時に学ぶ事となり、クーリャは嵐の国の外ではリーザの事を師と仰ぎ、先生との位置付けをしている。
だからクーリャはリーザに対して、従順な態度を取る。
「オレはクーリャが師と仰ぐ者の伴侶なのに」
クーリャって、オレには攻撃的なんだよなぁ。
「でも、風の民が(イタズラ)相手に対してそんな考えで接して、相手に合わせる事が適った先に有るイタズラ、、、オレは努力の結果だとか、頑張ったからだなんて、ちっとも思わないからな」
イタズラはイタズラなんだよ。決して褒められる行為ではない。
「お父さん、手遅れね。」
「何が?」
「もう既に、クーリャにとってお父さんは、イタズラの一番的、いい標的ね。」
「何でぇ〜」
いい迷惑!
「クーリャはエルフの里国の者達を相手にイタズラを行う。だけどエルフ達はクーリャのイタズラを気にも、意にも介さない。」
クーリャのイタズラ・テクは、まだまだか。
「私達からすれば、それはエルフの“鈍さ”と思うかも知れないけど、」
うんエルフ達、寛容と言うか、お人好しと言うか、鈍く感じちゃう時も有る。
「お父さん、エルフ達にイタズラが仕掛けられる?」
エルフは相手の持つ意識を読み取れる。
「うっ、難しいかも。それ、無理かも」
エルフ達に意識が届けばイタズラはバレてしまう。見抜かれてしまう。
見抜かれちゃったら、もうそれはイタズラにならない。
エルフにイタズラを仕掛ける、、、オレ、無理かも。
「エルフ、つまんないなぁ!」
クーリャも無理だろ。
(「お父さんは、イタズラを“仕掛ける側”だからね。」)
「お父さんがエルフ達にイタズラを仕掛け様とするなら、努力が必要でしょ?」
何だよ、イタズラに掛ける努力って?
「そうすると、エルフ達に比べお父さんは分かり易い。だからクーリャにとってはイタズラの格好の標的であり餌食なのよ。」
クーリャがオレをイタズラの対象として学んでいるとしたら、考え方や行動バターンを読まれてたりして。
すでに手遅れ?!
それだと増々クーリャを警戒しなくちゃならない、、、やっぱり風の民と関わる事は、ロクでも無くて、面倒くさいなぁ。
「でもさぁさくら、今後風童は生まれて来るのかなぁ」
ババァンシミが嵐の国から去ってしまったから、クーリャ達が最後の風童になっちゃうのかなぁ。
「お父さん、風童達は 引き続き産まれ来ると思うわ。」
(「どれだけの数と成るかは、分からないけど。」)
「ふぅ〜ん」
だけどまた、それがイタズラ好きの小人さん達だったら、関わるとなると面倒だなぁ。
「風童達は産まれて来る。だけど概念的にその持つ性質は、、、(お父さんに判り易く)生まれ持つ目的であり性質はイタズラとは違って来ると思うの。」
「何でぇ~?」
「今後、産まれ出る風童達は別成る概念に依り誕生せし者。」(「そのプロセスは分からないけど。」)
「お父さん、生みの親が変わったの。ハヴァバンドゥーンズローシミィから継承された者達は、改で新たな概念、、、意識ね、を持っているの。」
「新たな意識って、どんな事?」
「それは私でも分からないわぁ。」
「だからね、新たに産まれ出る風童を待ちましょう。どんな子達が現れるのか、楽しみだわ。」
新たな風童かぁ。
そりゃあ新たな出会いは楽しみだ。だけどさ、
「さくら、クーリャはこのままさくらが引き取るんだな」
「なんでよー、お父さんが託されたんじゃなくて?」
「さくら言ったじゃん、クーリャに対して『来る者拒まず』と。クーリャもその気だぜ」
さくら、任せた。
「あっ、クーリャ」噂をすれば何とかだな。
風の民、風童クーリャは、その背に光の羽根を輝かせながら、音も無く、漂う様に現れる。
「ドギビゴ〜、世話になるぞー。エヘン。」
当たり前の様に私の隣に座ると、私を見上げながら言ってくる。
「はぁ?何でだよっ!」
「母なる存在が、ドギビゴの元に行けってさー。」
今度は母なる存在かよ。
「誰だよソレ!」
「それはジェツシェチ(10人)のマウキュイクダヴァなのさー。」
あー、風大人童達か。あの人達がクーリャの保護者にババァンから代わったって事?
「あたいは修行なのさー『ヴィラーサット』が名より外れるまで、徳を積むのさー。」
風童が積む徳は喜び。
でもそれはイタズラを行って得る徳だろ。
「クーリャ、どっか他所へ行ってやってくれよ」
面倒、うるさい、迷惑。
「ダメなのさー、ドギビゴが一番なのさー。」
「何だよっ、一番って!」
「あたいが徳を積むには、ドギビゴが最短距離の一番なのさー。」
オレに一番イタズラが仕掛け易いって事か。
だけど、オレも有段者とは行かずも、イタズラに関してはソコソコだぞ!
クーリャ(風童)は、接する者から学ぶ、、、あれ?オレのイタズラみたいな行為は、クーリャに学ばれている?!
それと、クーリャがオレから学んでいるのなら、クーリャの生意気さは、オレから学んだって事?
いやいや、クーリャの生意気さは初めからそうだったよなぁ。
「ドギビゴはあたいの事をイタズラだ〜とか言うけどさー、ちょっと違うのさー」
「イタズラはイタズラじゃんか。クーリャの場合は何か違うのか?」
「ドギビゴは単にイタズラって言うけどな〜、対峙となる相手に不快を持たせば修行は足らず。悪ふざけやからかいのみでは邪魔成る行為の他ではなく。喜びに繋がるイタズラは、奥が深いのさ〜」
「何だよそれ、知らねーよ」
風童がイタズラより徳(喜び)を得る為に、相手より学び、相手の深い所を知る。
それは仕掛けたイタズラで相手に不快感を持たせない為に。
気遣いなのか?それならそもそもイタズラなんてするなよな。
どちらにしてもオレにとって、クーリャは厄介者には変わらない。
キュウイがグダダの風大人童達、何でオレを巻き込む様にクーリャを仕向けるんだよっ!
今度会ったら「刻の間」送りだからな!




