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来訪者 風の民、クーリャ・ククール、、、なんとか

 あ、

 何かが来た。

 って、何かが居る。


 だけど姿が見えない。なのに何故分かる?感じる?

 、、、そっか、これってルイラーか。


「お~い、トキヒコ様の前では、隠れても無駄だぜ!」なんちゃって。



「ドギビゴ〜」

 オレの名前を誤って呼ぶ、チビスケが姿を現す。

「なんだ、クーリャかよ」

 姿を現したのは風の民。クーリャ・ククール・サン、シィ?スッテンデン、、なんとか。

 風の民、名前が長いんだよなぁ。きちんと覚えられてません。


 風の民クーリャは身長が50cmぐらいの小人さん。だけど自身の姿を消す事が出来、その上自分の重さ(体重)も消す事が出来るって言ってた。

 そして何より特筆に値するのは、背中から光る羽根を広げ、空中を漂い翔ぶ事が出来る。

 その見る姿は、スッとした鼻筋を持つ、美しい顔立ち。スマートな身体つき、見た目だけは妖精だったり、天使でありさえしちゃうかも。

 だだし、その『生意気』な性格が無ければな。

 

「どうした、クーリャ?」

「ドギビゴが作ったという、住処を見に来たのさー。」

 ああ、クーリャ『トキヒコハウス』に来たのは初めてか。でも招待なんてしていない。


 クーリャは光る羽根を広げると、部屋の中を翔び回った。

「ドギビゴ〜、ちょっといい所かもな〜」

 そりゃあそうさ、エルフの里国の皆んなが頑張ってくれたから。

 だからと言って、別にクーリャに褒めてもらう云われは無い。


「ドギビゴ〜、あたいはちょっと気に入った。しばらくココに居てやるよー、エヘン。」

「いや、要らん。帰っていいよ」

 クーリャうるさいしなぁ。それに誰かを養う程、、、というか、私全く働いていないプー太郎状態なので。


「なんだよー、なんでだなんでだ、なんでだよー!」

「あーうるさい。はいはい、帰った帰った」

「何でだよー」

 風の民って得意技がイタズラじゃんか。オレ要らないよ。


 風の民ってイタズラ好きと言うか、風の民が持たされている性質として『相手を喜ばせる』事で、それをイタズラで求める行動を取ると。だけどイタズラってする方の喜びであって、される方は迷惑だよ。

 風の民、そう言った何か変に間違った認識を持っているみたいなので、厄介だ。

 そのイタズラ、内容とかは知らないけど、何だか面倒くさい事は確かだろう。



「そもそも、ココ(オレの家)に居てやるって、何だよ?」

 誰も頼んでないし。でもクーリャって、エルフの里国に来た時は、どこで寝泊まりしてるんだろう?

「そう、ドギビゴの住処かに居てやるよ〜。ありがたいだろー。エヘン」


「はいはい分かった分かった。では、お引き取り下さい」

「なんだよードギビゴー!何でだよー!あたいが行く所が無いじゃんかー!」

 クーリャに怒りをぶつけられる云われは無い。特に義務も義理も無い。クーリャが勝手に怒ってるだけじゃんか。

「そんなの知らん。そうだエルフの王宮に行って、女王様に相談すれば?」

 クーリャはブルッと震える。

 どうやらクーリャは、エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが苦手の様だ。



「クーリャ・ククール・シャンデニーラト・サンダステェン・アンディカミー・ヴィラーサット、如何なされました。」

 リーザは、前が見えない程の大小の荷物を抱えて、食材の調達から戻って来た。

 しかしリーザは片方の荷物を降ろすと、慌ててその手を口元に当てた。

「トキヒコさん申し訳ございません。」

「えっ?リーザ何?」


「クーリャを呼びます際にその、、、」

「ん?ああそっか、別にどっちでもいいよ。ゴメン、リーザに変な気を使わせちゃって」

 私はクーリャをフルネームで呼べない(覚えられない)。

 だからリーザにもクーリャを呼ぶ時に短縮して『クーリャ』にしてと、お願いした事があった。忘れてた。

 でも今更だけど、クーリャに対してそんなに気を使う必要はなかった。生意気だし。


「リーザリ〜フェアル〜ン」

 クーリャは味方を得たとばかりに、リーザへと擦り寄る。


 リーザとクーリャとの会話は、すごく小声でちゃんと声が届いて来ません。その上エルフ達の言葉だし、全く分からん。

 だけどクーリャ、私に合わせた日本語だと、小さい体に関わらず何故だか大きな声になる。それで、うるさい。


 リーザのヒアリングから、どうやらクーリャは修行として、今回嵐の国から出て来たそうだ。

 クーリャは修行となった。何で?そんで修行って何するの?


「我らの父なる存在から『暫くの間、国に戻るは無い』と言われたのさー」

 うわっ、何かソレって、私が女王ユーカナーサリーに与えられた罰『暫くの間、自身の里へと戻る事を禁ずる』と同じじゃんか。

「はっはぁ〜ん、クーリャ何かやらかしたなぁ。そんでハッパッパァ、ドン、、、シミを怒らせたんだろ。そんで追放かよ」

「違う違ーう!父なる存在を言い間違えるなー!それで修行なのさー。」エヘン。

「はぁ?何か知らんけど、修行なら他所よそでやってくれ」

 クーリャが私の生活に混ざる事はお断りします。


「トキヒコさん、らしくありませんね。」

「えっリーザ、らしく無いって?」

「来る者拒まず、です。」

「いやでも、クーリャって面倒くさいじゃん。ちょっと(だいぶ)生意気だし、うるさいし、」

 なんだクーリャ、その味方を得たりの『したり顔』わっ!


 風の民と関わると、ロクな事が無い。女王ユーカナーサリーはそうおっしゃられていた。

 それで確かに、オレは迷惑をこうむった事が有るの!



『コンコン』

 ドアにノックが有ると、その者は人間、もしくは人間的な思考を持つ者。

 エルフの里国に、訪問時にノックをする習慣はございません。


「あれ、さくら?」

 さくらが来た。何で?

「ママにお昼を呼ばれてるの。一緒に食事を作る約束よ。」

 そんなの聞いて無い。だけど何も問題も無い。


 さくらの視線は先客者である風の民、クーリャに向かっていた。

「あれ、さくら初めてかも?」

 さくら、初めて小人さんを見ても動じもしないなぁ。その度胸と言うか、怖いモノ知らずはリーザの遺伝かなぁ。


「コイツは風の民。確かトキワ町のブーブーだったか、嵐の国ってトコで、ババァ・ドスーン・ズロースの染み、っていうジオラマ・ビルダー(創造主)が作った場所(国)?だ」

 オレの記憶力、なかなかだろ。エヘン!

「違うぞー違うぞドギビゴ〜!あたいの父なる存在を言い間違えるなー、違うー!」

 いや、大体合ってるでしょ?


「トファノキブーミ、ね。」

 さくら解るのか?

「そして風童かぜわらし達の父なる存在、ハヴァバンドゥーンズローシミィ、ね。」

 えっ?さくら知ってるの?

「今、お父さんの記憶から知ったのよ。」

 ほら、オレってなかなかの記憶力!



「いいわ、クーリャ・ククール・シャンデニーラト・サンダステェン・アンディカミー・ヴィラーサットさん、私の所へ行きましょう。」

「さくらー!」

 クーリャは喜びで飛び上がると、天井にぶつかり落ちて来る。あーあ。

 しかしさくら、、、訳わからん、くっそ長い名前まで!

「あーさくら、先ずそのフルネームでの呼び方、必要無い(オレが言えない)。それとクーリャを引き取る事、お勧め出来ない。クーリャはうるさいし、面倒くさいし、それで生意気だ」

「いいのよ、お父さん」

 なんでぇ〜?

「私だって、来る者拒まずよ。」

 さくら、、、後悔するぞ。


 クーリャは床からムクッと起き上がった。

「それでドギビゴ〜、チョコレイトは無いのか?」

 何だよクーリャ、ダメージ無しかよ。

 風の民って、ちょっとやそっと(相当に)で死んでしまう事にはならないと。

 でも傷みや怪我、物理的にそれなりのダメージは受ける。だけど不死身、、、だそうだ。


 クーリャ、チョコレートって、

「無いよ。そもそもココはエルフの里国じゃんか」

 風の民クーリャは、私の元いた世界に来た事があり、そして食べたチョコレートが好きだ。

 だけどチョコレートを食べると、何故だか酔っ払う。

「クーリャ、チョコ食うと酔っ払うじゃん。それで酔うと手が付けられないと言うか、何するか分からない。危険過ぎる」

「そんな事言うなよー、意地悪言わずにチョコレイトを出せー!」

「だからココには無いって!」

 あー、うるさい!


「でもチョコレートは、私も食べたいなぁ。」

「さくらー!」

 なんだクーリャ、『味方を得た』みたいに喜びやがって。

 まあ、チョコは私も好きだ。


「でもさくら、こっち(エルフの里国)で、チョコレートって再現出来るのかなぁ」

「カカオ相当が有れば、何とかなるんじゃない?」


「カカオ相当か。それ、何処に有るのか分かる?」

 チョコレートは、カカオの種を発酵や焙煎してカカオマスとした物が主原料となる。

 だからエルフの里国であっても、カカオ相当のモノか、置換えられるモノを原料とする事が出来れば、後は砂糖や粉乳だかを混ぜ加えれば、再現というか、相当品は作れると思う。

 まあ、再現してくれるのは、リーザの『お菓子(作り)力』に頼ります。


「流石に私も何が置き換えられるのかは知らないわぁ。具体的に記されれば、直ぐにでも向かえるだろうけど。」

 さくらの持つ”力”、そして魔力を以てしても、知らなければ届かないのか。


「ママに聞くのが一番ね。」

 そりゃそうだ、リーザに聞くのが一番だ。

 カカオの代替品となるモノを手に入れて、リーザにチョコレート相当のお菓子を作ってもらおう。



 突然、クーリャが視界の外へ吹っ飛んで行くのと同時に、来た!

 ゾワゾワゾワゾワ〜ンと、背中を引っ掛けられる様な、嫌な感じが来た!


「チョコレート菓子か、わたしも知るぞ。」

 いやザーララさん、お呼びしてませんし、お菓子に釣られて現れるなんて、、、地獄耳!


「トキヒコの想う『地獄』か、一度向うも良いやもな。」

 いえ、でも地獄って実際は在るのかなぁ。行った事無いからなぁ。

 ただ、ザーララさんが地獄に行ったら、閻魔大王を倒してしまいそうだし、強烈な悪魔だから。

「トキヒコ、わたしをもっと誉めろ。」

 いえいえ、ちょっと違うんですけど。



『ムギュ〜』

 クーリャがザーララさんの魔力の圧で潰れている。マンガみたいで面白いけど。

「ザーララさん、力(魔力)を少し抑えてやって下さい」


「ん?何、風の民、多少の事では死に至らずぞ。」

 ええ、女王ユーカナーサリーから、そんな事を聞いてますが。

「だがな、其がわたしに当てはまるとは思うなよ。」

 ザーララさんは風の民に『死の刻』を与えちゃうとでも言うの?


「ですが、ココは殺生禁止の結界が有ります」

 エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーが、この場で私が獣の類に襲われないように掛けて下さった結界。

「ユーカナーサリーが掛けたる結界か、わたしには関せず。」

 ダメだ。このエルフには通用しない。


「トキヒコ〜、わたしを特別視するな。わたしは皆と変わらずぞ。」

 いや違う。それに、

「それよりもザーララさん、ココに来ても良かったのですか?」ちょっと小声で。


「何ぞだ、トキヒコ?」

「だって女王様、ユーカナーサリーに罰を与えられていたじゃないですか」

 そうあの時、禁忌の森『ザカザニー・ラス』で、私達二人揃ってそれぞれに与えられたエルフからの罰。


「そうは言うが、トキヒコ、お前は既にその罰を破っているではないか。」

 私が女王ユーカナーサリーから与えられた罰。『暫くの間、自身の里へと戻るを禁ず』、、、だけど『ドローガ・ドロゼワゥ』樹木の中へと入り、その持つ流れに乗る、、、で、実家の裏山へ行ってしまったかも知れなかった。

 あれ?でも何でザーララさんが知ってるの?

「あれは、事故です。それに本当に自分の故郷(日本)に戻ったのも確かじゃないですし」

「いやトキヒコ、お前は確かに元居た世界へと越え渡った。」

 うっ、ザーララさんが言うのであれぱ、そうなのだろう。

 って事は、、、ユーカナーサリーも知っている?!あちゃぁ〜。


「、、、私はいいんです。改めて罰でも何でも受けますよっ!」開き直るけど、ちょっとヤケ気味。

「ではザーララさんは『暫しトキヒコに会うを禁ず』をどうするんですか?」エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーに与えられた、ザーララさんの罰。


「トキヒコ〜、そもそもわたしは『お前のエルフ』ぞ。其に越す事など何も無い。」

 何、その順位関係?

「それにわたしはユーカナーサリーの上の者(姉)成るぞ。如何に王、その上の者、何方が強き立つと成ろうのか。」

 王様とそのお姉さん。どちらが意見だか権限を持つとしたら、、、

「そりぁ王様でしょ」

「何故だトキヒコ?」

「だって王様がその国の頂上であって最高権力者。そこに年齢とか経験は関係無いですよ」

 そんなのあったら、最年長者が常に一番偉い人になっちゃうよ。


「うむ、良し忘れよう。ユーカナーサリーの戯言など、わたしは知らぬ。」

 罰を戯言だって、、、あーダメだこの自由 エルフ


「それよりもトキヒコ、リーザリーのチョコレート菓子は何処と成ろう?」

 はぁ?

「いえザーララさん、ココにチョコレートは無いですよ」

「ん?何故だトキヒコ」

「何故って言われましても、今、エルフの里国でチョコレートを再現するにはどうしたらいいのか、って言っていただけですから」ザーララさんの地獄耳、フライングし過ぎだろ!


「、、、成るか。」

 無敵の悪魔が、スゲー残念がってる。

 まあ、クーリャにザーララさんにさくらと私、皆んなチョコレートが食べたいんだ。

「リーザ、ちょっといいかなぁ」

 エルフの里国でチョコレートの再現、リーザに聞くのが一番だよな。 




「確かにこの地にてカカオ、それらを加工します先のカカオマスを得ます事は適いません。」

 あー、そうだよな、別の世界だもん。色々と似てはいても別のモノ。


「ですが、シゼコラダの実、カカラダの実を乾燥、焙煎ですね。その後の工程しとまして、粉とします。粉としました両者の合わせ混ぜます量の割合により、トキヒコさんが求められますチョコレートの香りと味覚を得ます事と成りましょう。」

「やったあ、流石リーザ!」


「トキヒコさん、まだ材料となりますシゼコラダの実、カカラダの実を得ておりませんし、チョコレートへの多くの工程も残されておりまする。」

「材料さえ手に入れれば、後はリーザか何とかしてくれるでしょ」

「それはもちろんです、お任せ下さい。」

 流石リーザ、『私のエルフ』!痛っ!

 ザーララさんが、視線のビーム?で攻撃して来た。


「ですがトキヒコさん、」

「リーザ、なにか問題が?」

「カカラダの実成れは恒常のモノとし、我らの食に現します。」

 チョコレート相当を再現する為の片一方の材料に用いるカカラダの実は、エルフ達が主食としている『ズィッチャ』に混ぜられたりするそうだ。

「しかしながらシゼコラダの実、暫く聞き及ぶ事と成りません。そもそも我らは主として摂取とせず物。管理も観測も行われておりません故、今現在の生息します地域の特定に至りません。」


「あーリーザ、今ココには凄いのが二人居るから問題無いでしょう」

 さくらとザーララさん。


「シゼコラダの実、それがどんな物なのか、リーザ二人に伝えて欲しい」

 エルフ同士であれば、絵を描いたり、言葉で説明しなくても、“意識“で伝播しちゃえば、より正確に伝えられるだろう。


「リーザリー、、、?」

「トキヒコさん、申し訳ございません。」

「どうしたの?」


 リーザが持つシゼコラダの実の知識が、意識としての伝達が上手く届かない?

「お父さんシゼコラダの実、ママも実際に採取した事が無いの。だから正確な知識として認識されていないみたい。」

 そんな事があるの?


「それってさぁ、大体でいいんじゃないの〜?」

 取りあえず想像の範疇や似たような何かを持って帰ってきて、確かめるのはそれからでも。

「認識不足は曖昧さに繋がるの。エルフとしては曖昧さは苦手なの。」

 それはリーザがシゼコラダの実に対する認識と記憶に曖昧さが含まれているから、不十分なまま相手に表現(説明)するには、思考にストップが掛かってしまう。

 エルフは『大体』『適当』『多分』を選ばない。何事にも正確さを前面に押し出そうとする、エルフ独特な意識の置き場。


「申し訳ございません、至らぬ私をお許し下さい。」

「いやリーザ、謝らないで」


 私はチョコレートを食べる事を我慢出来るだろう。

 だけどこの口が、チョコレートを受け入れる体勢になっちゃってるから、、、味の記憶が憎らしい!ちょっと悔しい。


「シゼコラダの実、有るよー。」

 クーリャ?


「あたいの里には多くの実を着けていて、何か邪魔なのさー。」

 いやクーリャ、今の話し聞いていなかったのか?チョコレート相当になる、その材料の一方を邪魔だなんて。



 ただ、嵐の国『トファノキブーミ』、エルフの里国の王、女王ユーカナーサリーは、その場所を知らない。特定出来て無いと仰られていた。


「ザーララさんはご存知ですか?」

「知らぬ。」

 ザーララさんが知らないって?!

「この者の地、創られたる場である。其は周囲に影響を与えておらず、定めし力(定義)を持たぬなど奇異となろうのか。」

 よく分からんけど、ザーララさんが見付けられないなんて事が有るのか?それともジオラマ・ビルダー、ハバァン〜シミの仕事っ振りなのか?


「さくらは探れる?」

「う〜ん、『トファノキブーミ』その場所は在る。確かに存在する事は分かるの。それはクーリャからも伝わって来る。だけど、クーリャを辿たどって嵐の国まで行けない。クーリャは嵐の国から徒歩なり飛翔で直接ココ(エルフの里国)に来たのではないのね。」

 何だクーリャ、何やった?何か特別な技でも持っていたのか?それともまた、記憶の石を持って来たのか?



「しょうがないなぁ、あたいが案内するよー。エヘン。」

 クーリャが案内って、、、何か癪だ。あれ?待てよ、

「クーリャ、ダメじゃん。『暫くの間、国に戻るは無い』って言われてるんだろ」そもそもクーリャに何か力を借りるのは、、、やっぱり癪だっ!


「大丈夫なのさー、父なる存在が知るが無ければいいのさー。」

 バレなかったらOKだなんて、、、人間っぽい。誰に習った?


「うーん、まぁいいか。クーリャ、それでどうやって嵐の国まで行くの?」

 さくらが辿れないだなんて、クーリャはどんな技を使ったんだ?

「風を使うのさー。」

 風?風に乗って、飛んで来たのか?

「クーリャ、風を使うって。オレ羽持ってないんだけど」

 それと、以前クーリャと嵐の国に行った(行ってしまった)時、私は何故だかクーリャと『融合』する形となり、そして『記憶の石』を介しての移動であった。

 今ここに記憶の石は無いのだろうし、それとクーリャと再び融合するなんて、まっぴら御免だ。


「ドギビゴ〜人間はバカなのか?」

 何で?

「『風』という事象のみしか想像を持たず、含まれる多くを見れず、言葉だけを真に受けてもダメなのさー。人間バカなのさー。」

 あー腹立つ!

「じゃあ何だよ、風を使うって。どうやんだよっ!」

「流れに乗るのさー。」

「流れ、、、!」

 もしかして、『プルーゼプリィーウ』流れ、、、風もその流れを持つのか、有るのか?!


 いや、でもやっぱ、クーリャの『暫くの間、国に戻るは無い』は、どうなる?

 そんで、クーリャに頼る事、、、やっぱ癪だ!




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