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8『自分で決めて!』


連載戯曲

ステルスドラゴンとグリムの森・8『自分で決めて!』


※ 本作は自由に上演していただいて構いません、詳細は最後に記しておきます



 時   ある日ある時

 所   グリムの森とお城

 人物  赤ずきん

 白雪姫

 王子(アニマ・モラトリアム・フォン・ゲッチンゲン)

 家来ヨンチョ・パンサ



赤ずきん: その手は、白雪さんのためにとっておいてあげて(舞台へもどる)

王子: わたしは何をすれば……

赤ずきん: 自分で決めて!

王子: 何をすればいいか、今言おうとしたんだ!

赤ずきん: そう……ごめん……。

王子: わたしはドラゴンを倒す! で……どうしたらいい?

赤ずきん: そうでしょ、けっきょく人に聞かなきゃ何もできない……。

王子: すまん……。

赤ずきん: やっかいな相手です、成長してステルス化したため、ほとんど姿が見えません。

 それに、ほとんど夜にしか現れませんから、戦いは困難が予想されます。

 とどめには、銀の鉄砲に銀の弾……それも正面から急所を狙うか、戦いで弱ったところをしとめるしかありません。

王子: やろう! 銀の鉄砲なら母上のものがある。弾は鉛しかないから、急いで造らせよう。

赤ずきん: 待って。並の銀の弾では効果は半分以下。製造から三十年以上たったもので、

 できたら神の祝福の籠った弾が望ましいんです。昔わたしを救けてくれた狩人のおじさんがそう言ってました。

王子: それはちょっとむつかしいぞ……。

ヨンチョ: なら、これを……兄のサンチョがお守りがわりにくれた銀の弾です。

 サンチョの御主人様が神の祝福をうけられたもので、四百年はたっていますで……。

赤ずきん: ありがとうヨンチョのおじさん。

王子: すまん、この礼はいずれ……。

ヨンチョ: いずれと言わずに今すぐに。

王子: なに? 抜け目のない奴だ、いくら欲しい?

ヨンチョ: なあに、わたしもいっしょに戦わせて下さい。これが条件でさ。

王子: こいつ、わたしに仕えて初めて気の利いた台詞を吐いたな!

赤ずきん: もともとはわたしのアイデアなんだからね!

王子: 赤ずきん!

ヨンチョ: 決まった! 

王子: 三人寄れば文殊の知恵も団体割引!

赤ずきん: 成功疑いなし!

ヨンチョ: 合点!

王子: それじゃあ、実行は今夜、月のアルテミスが、太陽のアポロンと睨みあうころに。

二人: おお!

王子: では、作戦の成功を祈って!(剣を抜く)……一眠りしておこうか、(二人ズッコケる)

 おまえたちも、夜の戦いにそなえて眠っておけ(去る)

ヨンチョ: アイアイサー

赤ずきん: ヨンチョさん、もう少し打ち合わせをしておこう、仮眠はそれから。

ヨンチョ: 合点だ、今眠らなくても、今夜が永遠の眠りの始まりになるかもしれないからな……。


 二人、王子とは反対側に退場。暗転。虫たちの集く声して、なつかし色に明るくなる。

 例の森のバス停前をめざして、主従あらわれる。バス停には「運休」と書いた紙が貼ってある。


王子: あのバス停だな、赤ずきんとの待ち合わせは?

ヨンチョ: ちょいと早く来すぎたようで……。

王子: 気の早いアルテミスが山の上で頬杖ついて、この勝負を見物しているぞ。

ヨンチョ: アポロンが西の山から片目だけ出して見物してござる。さても物見高い兄妹どもじゃ。

王子: お、あの赤いフードは?

赤ずきん: ごめん、遅くなっちゃった。

ヨンチョ: 大丈夫、まだ数分は昼の世界。しかしひやひやさせた分、何か土産があるんだろうな?

赤ずきん: するどいねヨンチョのおじさん。

王子: なんだそれは?

赤ずきん: 狼のマックスからもらってきたんだ。飲むと感覚が狼と同じくらいに鋭くなるんだよ。

ヨンチョ: なんだかハナクソのような……。

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