第9話 第一章【転生編】3 ロイドのシリウス
「偶々だと?」
(と言うよりも!自由に動く事の出来ない我々は、星々を通過することさえも滅多にありません!)
「星を通過するだけでも滅多にないだと?」
(はい! 人間の体に当たるなど・・・まして!頭に入れる事など、超・超・超~極々稀な事なんです!)
「超・超・超~極々稀な事・・・だと?」嘘っぽいな~・・・
(ほ・本当ですからね! なので、運よく惑星を通過しても人類が存在しない惑星であったり、メチャクチャ運が良く人類の住む惑星が近づいてきたとしても、ほぼ全ての【ロイド】たちは、人間に接触する事が出来ずに惑星を通り過ぎてしまうのです・・・嘘じゃないですからね!・・・)
「ふん!じゃ~超・超・超~極々偶然!俺に当たって!この俺様を乗っ取ろうとしたって事だな!」
(ハイ!いや~最初はラッキーって思いました~♪ しかも赤ちゃんですよ!赤ちゃん!出来れば乗っ取りたかったんですけど・・・じゃなく~も・申し訳ございませんでした~・・・(汗)」
まだ・・・舐めていやがる・・・
「今回、他にもこの星に来たものはいるのか?」
(はい!おそらくですが・・・・この惑星を通過したかどうかは分かりませんけど、私の近くには200~300の【ロイド】がいたので、少しは通過したと思います。)
「何~! そんな数が・・・じゃ~俺以外にも体を乗っ取られそうになっているヤツがいるって事か!」
(いや~それは~、先程も申し上げた通り、間違いなく! ・・・大丈夫だと思います!)
「なんで、そんな事が解るんだ!俺みたいなやつがいても不思議じゃないだろうが!」魔力を少し込めた!
(ヒィ!力を押さえてください!)
ちょっと、感情的になっちゃったかな・・・なので、弱めてやった・・・
(先ずですね!私ほど大きく成長したロイドが、近くにいなかったって事です。小さい思念体では弱すぎて赤ちゃんと謂えども奪う事が難しいのです。)
「ふむふむ・・・」
(続いて、ロイド側も一生その身体として、生きて行く事になりますので、ある程度は選ぶ事が出来ます。誰でも良い分けでは、ありません!)
「ふむふむ」
(侵入した後、1分以内に相手の力を分析し、能力が低かったり、魅力がなければ、すぐに分離します。)
「へぇーそんな事もあるのか・・・。」
(そして!先程もお伝えした様に、我々は思念体なので自由に動く事が出来ません!)
「さっきも言っていたよな・・・本当に自由に動けないのか?」
(事実です!我々は宇宙に漂っているだけの存在なんです! プカプカ浮いているだけですね!肉体のある存在では、見る事も出来ませんので、傍から見れば我々は宇宙に溶け込んでいるような存在ですね・・・。)
「自分で動けず・・・ただ宇宙に浮かんでいるだけって事か?」
(はい!な・の・で~人間に当たるなんて、そんな偶然~本~当に!滅多な事ではありえませ~ん!)
「・・・・・・・・」
(あと~幼少期じゃないと~乗っ取れないので~今回みたいに~、気に入った身体に当たるケースは~超・超・超~~レアなんですぅ~!)
イラっときた・・・魔力を強めにギュッ!
(ギャァ~~か・勘弁してくださいよ~)
「じゃ~何か~俺の運が、メチャクチャ悪かったって事か?」
(えぇ~っと・・・言い換えればそうとも言えるかも知れませんが・・・我々【ロイド】の人間への干渉率は10億分の1以下と言われています。10億分の1ですよ!超ラッキーですよ~♪)
「10億分の1以下だと?」
(まぁ~正しくは、どの様な肉体でも例えば動物でも構わない規模の小さいロイドであれば、10万分の1以下まで、下がるかもしれませんが・・・。実際!私も残留思念となりロイドとなってから40~50億年以上は経ちましたが、貴方が・・・私の初めて(・・・)の方なんですよ~♪〈ポッ〉)
何か・・・しゃべり方が嫌いだ・・・
「嘘をつけ!」・・・魔力をギュッ!
(ヒギャァァァ~~~・・・グハッ! や・や・止めて下さい~~ う・嘘なんか付いてませんよ~・・・・それと~何か魔力が段々と強くなってませんか~?)
「安心しろ!手は抜いている! それと!俺はな~この世に生まれる前に自分の運勢を最高値にセットしてから生まれて来たんだぞ!なのに確率が10億分の1以下だと~運が悪る過ぎるだろうが~」
(ヘヘヘ・・・そこは~考え方・・・捉え方一つですよ~ダ・ン・ナ!)
こいつ・・・どんどん人間ポクなっていくな~
「へ~捉え方ね~あっそう~♪・・・じゃ~俺から出ていけなくなったお前が俺に何をしてくれるって言うんだ? お前の処遇は、それを聞いてから判断してやる!」
(はいっ!! 先ずは、私の能力として、悠久の時を漂っていた事による人知を超えた膨大な知識と知恵では誰にも負けないと自負しております! さらに、残留思念体だからこそ備わった精神性の力と防御力では比肩するものは40億年の間見たことがありません!そして最後に! 肉体が存在するものでは、不可能な速さの演算速度!!他にもありますが、大きいところではこんなものでしょうか!)
「たしかに・・・知識と知恵か~凄そうだな!それと精神力が強いって事か?40億年間か~想像するのも難しい年月だな? それと最後の演算速度ってなんだ?」
(はい!知識や知恵は見たり考えたりするだけではなく、宇宙空間を漂っている残留思念を吸収する事で残留思念が持っている知識や知恵も私の知識と知恵に変換されます。 さらに、精神性の力と防御力とは、肉体に融合した事で、精神力を言葉に乗せて話す言霊と言われる意志と力を持った言葉を使う事が出来ますし、逆に相手からのあらゆる目に見えない力を防ぐ力の事です。)
「おぉ~凄いな! それで、演算速度とは?」
(はい!演算速度とは、それを説明する前に!そもそも、生命体だけでも記憶力や思考力と言ったものは失われないので、肉体が必要ありませんが、自然界で行動するためには肉体が必要となってしまいます。
その為、自然界に存在する生き物には脳が存在してしまい脳の限界、物理的な限界が出来てしまいます。
ところが、我々ロイドは生命体ではないものの、思念体である為、記憶力や思考力、想像力と言った考える力を持っています。
融合した後であれば、思念体である私には、脳は関係ないので、人類ではありえない複雑で膨大な量の問題であっても瞬時に演算し答えを導き出す事が可能です。)
「なるほど~確かに・・・演算速度か~それは凄まじそうだな・・・他にもあるのか?」
(はい! さらに様々な星々を通り過ぎた事で何種類かの特殊能力が使えます!・・・そして最後に!…姿形がない私はどの様な物にでも、自分を融合させる事が出来ます!)
「ふ~ん特殊能力ね~・・・それは、どう言うものだ?」
(はい! 例えば、乗り移った人間も気が付かなかった能力を見つけて使う事が出来たり~。本人では気付く事が出来ない体内の異変を察知したり、自分の分身体を創造したり~、分け与えたり~、思念体であれば離れていても念話で会話したり~ 等色々です。)
「なるほど・・・そのことに関しては、また後で詳しく教えてもらうとして! さっきの融合ってなんだ?」
(はい!残留思念多であるロイドは、形がなく、目に見えない存在である為、どんな物にでも・・・例えば、空気の様な目に見えない物質や、それこそ生命体の様な存在自体を見る事が出来ないような物まで、何にでも自分を乗り移らせる事が、出来るのです!)
「へぇ~目に見えない物・・・どんな物にでも乗り移れるのか~ それはそれで凄い能力だな~。 なるほど、なるほど、ってことは・・・!?」
(まぁ~ハッキリ申し上げて貴方様の体を乗っ取ればスキルにも魔力にも何にでも関与する事が出来ます!)
イラっときた・・・強めに魔力をギュッ!
「何か・・・魔力のコントロールに慣れてきた・・・ (笑)」
(ギャァ~苦しいィ~ごめんなさい~ごめんなさい~調子に乗って申し訳ございませんでした~)
「ふざけた事ばかり言ってると本当に消すぞ!・・・お前に聞きたい事がある!」
(はい!何でもご質問くださいませ!)
「では!俺のステータスやスキルに融合する事も可能か?」
(はぁ・・・何かしら特殊な事を行えば、例えば、私との特別な繋がり方とか・・・そうしたら多分・・・可能だと思いますが・・・)
「ハッキリしないな!目に見えないモノでも融合できるんじゃなかったのか?」
(貴方様の精神とは繋がり(ゆうごう)が出来ましたので・・・スキルにも関与する事が出来ると思うのですが・・・・)
「繋がりね~ はぁ~ついてない・・・否・・・憑いたのか?ってそんなバカな事を言ってる場合じゃない!」
(私は何も言っておりませんが・・・)
「他には何かあるか?どんな事でも良いぞ!」
(では~お言葉に甘えまして~・・・コホン!え~先程から不思議だったんですけど~ 何で貴方様は、流暢に話せるんですか?まだ赤ん坊なのに? 他のロイドから聞いた話では、赤ん坊に憑依すれば意識を乗っ取る事が簡単に出来るって聞いていたんですけど~)
こいつの話し方・・・何でJKっぽくなってるんだろ~?ま~それは置いておくか・・・。
「あぁ~俺は、違う宇宙から次元を超えて来た異能者みたいなもので、前世の記憶どころか全ての記憶を持って転生しているからだな!」
(なるほど・・・そうでしたか~納得しました・・・どおりで、乗っ取れない分けです~ ある意味大人に憑依した様なものですもんね~コレはコレでレアケースですね~♪)
「で、結局それらの能力は、俺の身体を乗っ取ったら使えるって事で良いのか?そして、今となっては離れる事も乗っ取る事も出来ないって頃だな。」
(そうですね~乗っ取れば色々可能ですね!私の力では離れられない事も融合できない事もあってます。)
「コホン!では!これからお前の未来を3拓で選ばせてやる!」
(と言うのはどういうことでしょうか?)
「先ず一つ・・・俺が魔力を全力で開放し今すぐに消滅させる!・・・二つ・・・俺にとって有効な何かを期待したが無駄だったので・・・やっぱり二つ目も消滅する!・・・最後に三つ目!お前の存在理由をこの宇宙の創造新様にかけて俺に隷属しろ!そして、今ある俺のステータススキルと融合して俺の能力の一つとなれ!・・・だ!」
(そ・そんな~・・・・・え~と4つ目!4つ目をお願いします~)
イラっ・・・強めに魔力をギュッ!
(ギャワワワワ~調子に乗りました~ごめんなさい~)
「答えないなら・・・消滅だな!」
(こ・答えます、答えますから! 3つ目で!3つ目でお願いします~)
「分かった3つ目だな!言っておくが、今から行う契約術式は多次元宇宙の全能神様に教えてもらった方法だからな~万が一裏切ったり逆らったり、騙そうとした場合も存在が消えるからな!注意して答えろよ。」
(だって選択肢がないっじゃないですか・・・)
「・・・何か言ったか?」
(何も!何も言ってないのであります!)
「よし!言質は取ったぞ!では、始めるぞ!・・・今後、俺が解放するまで忠誠を尽くせ!」
(イエス!マイロード)
たく~調子の良い奴だ!
「いくら【ロイド】と言えど存在する限りこの宇宙の理からは逃れられない!
お前の存在理由をかけ【創造新様】に誓え!今後、俺の剣となり盾となり知恵となれ!」
「このシンが命じるまでいかなる事があっても決して逆らわず、決して裏切らず!
お前の全ての能力をかけ・・・このシンに忠義を尽くせ!そして契約の印にお前(融合)に(の)名(許可)を与える!
このシンが定めたる貴様の名は【シリウス】!この名を受け入れ永遠に俺に忠誠を尽くせ!」
前世の携帯電話の へ~い!シリ○○みたい!携帯のAIポイ名前にしてみました・・・(笑)
俺は魔力で強制契約を行使する・・・
(【ロイド】が何故か・・・ワナワナしている感じがする・・・そして・・・頭の中なのに閃光が迸った・・・)
≪我が名は【シリウス】、これより!全ての能力を駆使し!シン様の剣となり盾となり知恵となる事を【創造新様】に誓います!
シン様に対し出過ぎた事はせず・・・いかなる時でもシン様をお守り致します! そしてシン様がお許しになるまで永遠にシン様の僕でございます!≫
シリウスが宣言した瞬間、俺の中で何とも表現できない奇妙な感覚が体内を駆け巡った。
ほっ・・・よし・・・!成功だな。大昔の前世の記憶にあった契約術式覚えていて良かった~
そして体の中で何かが溶け込んで一つになる様な感覚があった・・・
「今のお前は、俺のステータスを知る事が出来るのか?」
≪はい!マスター!全ステータスが把握できます。≫
「では!シリウス! お前が俺の忠実な僕であり続ける限り、俺の全ステータスへのアクセス許可及び融合を許可する!」
そう言い放った瞬間!俺の脳内にシリウスの映像が映し出された。
≪私は、シリウス!マスターの忠実なる僕にしてこの世の理を知る者!私の全て能力はマスターの為に!≫
脳内に映し出されたシリウスは、とても美人さんだった。
まぁ~暑苦しい男よりは良かったかな・・・。
「よし!では…ステータスウィンドウ オープン!」
俺は、自分のスキルで何が良いかを確認することにした・・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
①物■=■■ル■―
②次■=■■メ■■■ン
③■収=■■■■■■
④■体=■■オン
⑤自動=オート■■■■
⑥操■/演■制御=■■■■■■■■■■■■■
⑦概念■■=
⑧食■■■=
⑨■■=
⑩■■=
⑪レンタル(????スキル)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
う~ん・・・やっぱり視力が弱いからか前回と同じで大半の文字が霞んで読めないな~
この中で、何かそれっぽい良いのは~
コレとコレだな!おそらく5番がオートマチックで6番が操作?と何かの制御だな!他は分からん!
ただし・・・先日には見当たらなかった項目が追加されていた・・・・・
「レンタルって何だ?」
・・・さっき言っていたシリウスの特殊能力か?何か借りれるのか?DVDか?車か?笑える!
≪はい!マスターのシステムと融合した際に私の能力と干渉し新たなスキルとして現れました。≫
「どういう意味だ?」
≪恐らく、マスターの膨大な記憶量や能力等が、私に蓄積された膨大な知識や能力が融合した際に、
どうやら、この世界の仕組みから外れた存在として認識されたようです。≫
「俺が、赤ちゃんだからか?」
≪はい!それも一つの要因ではあると思いますが、本来、肉体を持たないと存在できない私の意思がマスターのステータスに融合した事で、世界の仕組みでは、処理できなかった様です。≫
「フムフム・・・。」
≪しかし、マスターと私は、この世界に確かに存在する為、この世界の理に矛盾が起きたようです。
それが、スキルとして現れた可能性があります。≫
「って事は・・・この世界に存在しないスキルって事か!」
≪はい!マスター!この世界には存在しないオリジナルである可能性があります。≫
どんな風に使うかは・・・まぁその内わかるだろう~
「ふ~ん。どの道!今の俺には使えないからな~使えるようになってから確認するか!」
≪畏まりました!≫
「では!シリウス!お前には、俺のステータスへの権限も許可する!」
「そして順次スキルへの融合と干渉を許可する!」
ここに来てシリウスから不安や不信感と言った感じがなくなっていたので、俺は言葉をつづけた。
「さらに! 今後、俺に必要になるであろう事に対しての(変化、吸収、統合)も許可する!
俺の権限の元!お前の全能力を駆使して俺の役に立て!」
≪かしこまりました!必ずやマスターのお役に立って見せます!・・・では、直ちに二つのスキルとの融合を行います・・・・・≫
≪・・・・・・・マスター!≫
「何だ!」
≪申し訳ありません!マスターのスキル融合だけでなく他にも色々試したい事と確認したい事が見つかりましたので数日頂けると助かります!≫
「そんな事か!かまわない!俺は寝るから終わったら報告しろ!」
今の俺にはどうしようもない事ばかりなんだから、少しでも俺の新世界を満喫させてくれよ!
「あと!いきなり話しかけられるとビックリするから、俺が慣れるまでは、勝手に声をかけるなよ!」
≪ハイ!マスター≫
一時はどうなる事かと思ったけど・・・何か!面白くなってきた!
「ファア~眠い・・・じゃ~お休み・・・シリウス・・・」
俺は瞼を落とし眠りについた・・・
《・・・お休みなさいませ・・・マスター・・・》
俺の頭の中?命の中?でシリウスが何か世話しなく頑張っている気がした・・・・・
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