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第51話 第二章【獣人族 獣霊山編】12



「ガ~ハッハッハッハ~♪三人共良い目をしておるな!良かろう!お主達には試練を受ける素質が十分に備わっていると見た!お主等は魔法が使えるのか?」

何故今頃になって魔法の話が出てきたのか、意味は分からなかったが素直に答えた。



「はい。私は4種類の属性魔法を使う事が可能になりました。」

「僕も同じで4属性の魔法を使えるよ♪」

魔法が使えないと何か問題があるのか?でも・・・・・正直に言うしかない。

「俺は使えません!素質が全くないみたいです」

俺が言い終わるとまたしても豪快な笑い声がフロアに響き渡った。



「ガ~ハッハッハッハ~♪これは愉快♪お主も魔法が使えんのか?ガ~ハッハッハッハ~♪そうか、そうか!ならば!吾輩と同じであるな♪」

この言葉を聞いたメロとマロンが小首を傾げてテクノ様に質問した。



「テクノ様!一つ聞きたい事があります。テクノ様と言えば、魔力の少ない獣人族の中にあって切断魔法と炎魔法を使いこなした莫大な魔力量を誇った、唯一の獣王として私達は聞いてきました。それなのに魔法が使えないとはどう言う事ですか?」



「ガ~ハッハッハッハ~♪フムお主等の時代では、吾輩の事がそのように伝わっておるのか♪ガ~ハッハッハッハ~♪これは愉快!そうであったか!なに・・・・・その答えは簡単である!」

そう言うとテクノ様が指を一本突き出してデコピンの要領で壁に向けて弾いた。その時!壁に向けて小さな炎が発射され轟音を立てて壁に炸裂した。



「な!魔法が使えるじゃないか!僕達を騙したのか?ふぐぐぐぐ・・・・・」

不満げな顔を隠すことなくマロンが口を開いたが俺はマロンの口を手で押さえた。

「マロン!今のは・・・・・・魔法じゃないぞ!今のは・・・・・・技だ。」

何故かマロンの口元を抑えている俺の手を持って猫の様に擦り付けているマロンを他所にメロが言い返した。



「どう言う事?でも実際に今、炎が飛び出たんじゃないの?」

「ガ~ハッハッハッハ~♪お主・・・・・分かるか!フム!これは楽しみだ!ガ~ハッハッハッハ~♪」

「もう~いつまでやっているのよマロン!シッカリしなさい!」

「あぁ~ご・ごめんね~テヘヘヘ♪ でも、どう言う事なのか教えてくれないかソロ」



「うん!別に原理としては、大した事じゃないんだよ♪ 高速で指を何度も弾いただけだね♪」

その言葉に2人は驚いていたがテクノ様は、豪快に笑い始めた

「ガ~ハッハッハッハ~♪そうか!今のは大した事はないか♪ガ~ハッハッハッハ~こんな愉快な事など久しぶりだ!お主見た目とは違って・・・・・・ただものではないな!」

逞しい身体を豪快に揺さぶりながら豪快に笑う姿が妙に様になる人だ。俺この人好きだな♪



「これから吾輩がお主等に見せる全ての技を、決められた時間内に使えるようになればお主達の勝ちである。但し!この回は、他のフロアと違いやり直しがきかん試練の一つだ!

吾輩が一度技を見せた後、訓練の間に戻り自信がついてから勝負するのであれば問題ないが、このまま勝負して万が一失敗した場合は、この十霊堂での時間の全てが失われる厳しい試練である!ジックリと考えよ!」



俺たちは顔を見つめあうと意図せず同時に笑みが零れたのだった。

「テクノ様!俺達は明後日のバトルオリンピアに出場し本選で勝ち続け決勝の舞台で、この三人の誰かと戦って優勝する事が目標なんです!これから戻るなんて微塵も考えていないので、このまま試練を受けさせて頂きます!そして!必ずテクノ様の技を身に付けてみせます!」

意志を込め力強く宣言するとテクノ様らしい豪快な笑い声が木霊した。



「ガ~ハッハッハッハ~♪その意気やよし!フム、試すような真似をしてしまい悪かった。お主達の覚悟がどうしても知りたかったのだ。そもそもこの十霊堂の殆どのフロアで負ければ記憶も力も失う事になっておるからの~ここまで来て惜しむような輩であれば素質なしとして見なしていたところよ!それでもお主等を騙した事には変わりがないから詫びとして試練とは別の技も教えてやろう♪見事使いこなしてみよ!」



テクノ様は豪快なだけではなく、とても潔い性格のようだ・・・・・。さすがは獅子の獣王だ。

生前は、本当に素晴らし王だった事が容易に想像できた。

「有難うございます。期待を裏切った事は・・・・・・・・今までに一度しかありません。」

「ガ~ハッハッハッハ~♪一度だけか!ガ~ハッハッハッハ~♪素直よの~!気に入った♪見事覚えてみよ!では、今から技の説明と実演を見せるので、2時間以内に修得してみよ!」



テクノ様が教えてくれた技は以下の通りだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


■初級技

指を3回弾き速度を徐々に早める事で対象物に当たる前に空中で威力をぶつける事で炎を発生させる【炎弾】

それを腕で行う【巨炎弾】と足で行う【炎裂弾】

さらに両指で同じ様にぶつけ合う【炎連弾】


■中級技

空気を押し出すように徐々に速度を上げながら拳を放ち空気をぶつける【空圧拳】

手を高速で交差をせる事で、真空の刃を発生させる【空裂斬】

身体を回転させる様に両腕を振り空気に渦を発生させる【竜巻旋】


■奥義

身体を前後に高速で回転させながら左右の蹴りを交互に放ち空中でぶつける【極炎断裂刃】

炎弾と同じ仕組みで高速で上下左右に蹴りを放った後に後追いの蹴りを空中でぶつける【爆炎斬】

そして最後に、究極奥義まで教えてくれた。

両手で巨大な空圧拳を発動させた後に、そこを目掛けて(巨炎弾)をぶつける究極奥義【極炎】

これらが、攻撃としての技として披露してもらった。



さらに防御の技として


初級技として、手を高速で振動させる事で障壁を生み出す【風障壁】

中級技として、体内を巡る気を集め体外に密集して放つ【光壁】

奥義として、瞬間的に己の潜在能力を全開放して身体強度を2~4倍に跳ね上げる【鋼】


魔力で応用できるものはそれでもかまわないとの事だった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「どうだ!今の説明と実演で分かったか?」

この獣王様は本当に心が優しい。何故か懐かしい気持ちが込み上げてきた。

「大丈夫!僕必ずマスターする!」

「私も!」

「ふむ・・・・・お主はどうだ? ん?どうした・・・・・何を考えておるのだ?」



瞑想を始めた俺を見てテクノ様が不思議そうな顔をして覗き込んでいた。

「いくつかの技なら直ぐにでも出来そうですが、奥義や究極奥義は流石に練習が必要かな~って思いまして」

あっけらかんと言い放ったソロの言葉にテクノの笑い声が響き渡った

「ガ~ハッハッハッハ~♪面白いの~お主は本当に面白い♪見せてみよ!お主の目には既に完成した者の光が宿っておるわ!謙虚に申して居るが・・・・・さてさて。お手並みを拝見させてもらうとするぞ♪」



正直身体強化をしなくとも出来るけど・・・・・・威力が弱いか? 指を弾く筋力トレーニングか~考えもしなかったな・・・・・・だったら!2倍の身体強化で十分だな!

「分かりました!期待に応えましょう!先ずは【炎弾】から」

そして壁から3~40m位離れると俺はいきなり両手で同時に【炎弾】を放った。



イメージでは初弾時速600㎞ 次弾時速900㎞ 三弾目が時速1400㎞

壁にぶつかる前に空中でぶつかり合う空気の摩擦により空中に陽炎が浮かび上がり最後の音速を超えた速度の空気がぶつかった瞬間空中に炎が現れた。

テクノ様が見せた炎より大きい炎が壁を直撃した。

「見事!見事である! まさか【炎弾】より先に【炎連弾】とは面白い!」

満足そうに自慢の鬣を撫でるテクノ様、本当に孫を見るかの様に喜んでいた。



「有難うございます。次は腕で行う【巨炎弾】と足で行う【炎裂弾】を続けて放ちます!」

指でなければ身体強化は必要ないな!

両手で同じ要領で放つと【炎弾】の5倍以上の炎が現れ壁を直撃し、成功を見届けた俺は右足で同じ事を繰り返した。今までは火球だったのに対して、今度の技は炎が真横に走った。

流石に黒龍石なので、切れる事はなかったが、鋭い炎刃といった感じの炎だった。



「フム・・・・・これは期待以上だな!凄まじい素質よ!」

「有難うございます。 でも正直ここからが練習が必要な気がしています。取り敢えず試しに【空裂斬】と【空圧拳】をやってみます!」

空裂残は出来そうな気がするが空圧拳はイメージが掴み難かったので、後にさせて貰った。



「では!すぅ~・・・・・【空・裂・斬!】」

両腕を眼前でクロスさせると指先にまで研ぎ澄ましたオーラを高速で放つイメージだ。

時速7000㎞超えるクロスされた手刀による風の刃がオーラを纏い空中で重なった。キィィ~ンズバッと言う音と共に壁に10数メートルのクロスされた真空の刃が音を立ててぶつかる。



「こ・これは黒龍石じゃなければ・・・・・・凄まじい威力なんじゃないのか・・・・・?」

俺が驚いて呟く声をテクノが拾った。

「これは、吾輩も驚かされた!シン=ソロと申したの!お主、身体強化を使っておらんだろう?可能性としては考え難いが、全力で放ったら黒龍石に傷を付ける事が出来るやも知れんな・・・・・。」

ニヤッと笑って俺を試すように目を向けている。



「クスクスクス♪分かりました!テクノ様にそんな目を向けられたらやりましょう!ハァ!」

息を発すると同時に全身をオーラが包み込み瞬時に全身に力が漲り始めた。

「これが俺の最大!3倍身体強化です!さらに! 身体能力強制開放ぉぉ!」

白色のオーラと青白いオーラが混じり合うと金色のオーラとなって俺の周囲に張り巡らされた。

「俺が、今出来る最高の身体強化・・・・・・6倍で、いきます! すぅ~・・・・・【空・裂・斬!】」



先程とは比較にならない大きさと速度の風の刃が黄金に輝くオーラを纏い空中でクロスした瞬間炎を含んだ研ぎ澄まされた風の刃が壁を直撃した。

「ギン! ドカ~ン!・・・・・・ジュゥゥゥ」

凄まじい爆発音の後、俺までもが吹き飛ばされる程の突風が吹き荒れ炎により黒龍石が熱により焼けたような音を放っていた。



息を呑む俺を他所にテクノ様がぶつかったであろう黒龍石を見つめると威厳のある顔に初めて驚きの表情を浮かべ俺を見つめた。

「まさか!本当ですか?少しでも傷がついたのですか?」

俺は恐る恐る近づくが傷跡が見えなかった。

「なんだ~テクノ様酷いよ~迫真の演技にスッカリ騙されましたよ♪ やっぱり黒龍石ですね!あれだけの威力なのに傷がつかないんですからね!正直今のは期待しちゃいましたよ♪」



そう喋る俺とは違いテクノ様が未だに壁を見つめていた。

「またまた~♪もう騙されませんからね!それじゃ~次は【空圧拳】をやってみます!」

空気をゆっくり押し出すイメージ・・・・・これが、難しい!ゆっくり押し出すのに最後は早く・・・・・。矛盾している。

「いくぞ!【空・圧・拳!】」

失敗だ!でも空気が拳に引っ掛かった感覚があった。



「ダハハハハ♪いや~やっぱり【空圧拳】は失敗しましたね♪でも!何となく感覚が分かりましたよ!ってテクノ様!いつまでそうしているんだすか?はいはい!もう一度見に行けば良いんですね!分かりました!」

分かっていた事だけどやっぱり傷一つない

「何度見たって・・・・・・あれ?何かこの壁凹んでませんか?」

俺の言葉が耳に届いたのか・・・・・・テクノ様がワナワナしながら俺の肩を掴んだ。



「尋常ではないぞ・・・・・・空裂残が炎を纏った事も信じられぬが・・・・・・!これは・・・・・神の金属オリハルコンに匹敵すると言われる黒龍石が凹んでおる・・・・・

少なくとも!この十霊堂の歴史上ただの一度もなかった事だ! こ・これは凄まじい威力・・・・・何て、生易しいものではないな!

神の金属を傷付けるどころか凹ませる事が出来る存在・・・・・・それは!神だけだ!何者だお主!最初からただものでは無いと思ってはいたが、流石の吾輩もこれは驚いたぞ!」



俺とテクノ様の声が聞こえた事と先程俺が放った【空裂斬】の破壊力に驚いていた2人が現実に戻り俺たちの傍にやってきた。

「はぁ~ 黒龍石を凹ませるって・・・・・ウフフフ♪。やっぱり・・・・・・ソロ君は、ソロ君だね♪」

呆れた顔をしていたかと思えば、俺の頬が赤くなる程、可愛い笑顔を俺に向けている。

それにしても・・・・・・・メロって本当に可愛いな~♪全ての試練が終わったら!今夜も♪グフフフフ♪



「マロンじゃないけど!ソロ君のエッチ!」

ビクッ! な・何で分かったんだ?とうとうメロにも女の感が目覚めたのか!いかん!無心になれ!

「それにしても・・・・・・・さっきの爆発音は何の技を使ったんだい?」

「あぁ【空裂斬】を最大身体強化の状態で放ったんだ」

メロとマロンの2人共頭を傾げて何かを考えている。



「空裂斬って真空の刃じゃなかったっけ?・・・・・なるほどソロが全力で技を使うとそうなるのか・・・・・・それが、黒龍石を凹ませたと・・・・・・流石はソロ! 僕達も頑張らないと!」

「そうね!ソロ君!今は修行に集中してね♪今はお預け・・・・・・」

ハァゥって事はメロさん!何その照れた顔は!男心を擽るの~・・・・・はっ!マロンが見てる!無心だ!無心!



「そうそう!テクノ様!僕達も一つですが、出来るようになったので見て下さい!」

「何?お主等も出来るようになっておったか!では、見せるが良い!」

「分かりました!では、私が足で行う【炎裂弾】で」

「僕が拳で放つ【巨炎弾】が出来るようになりました♪」

そう2人が口にすると身体強化を3倍に引き上げ始めた。




先程、俺が使った技と同じ様な威力と大きさの【巨炎弾】と【炎裂弾】が壁を直撃した。

俺の時とは違いテクノ様の表情に変化があった・・・・・・テクノ様の威厳が~ 顎を閉じて!テクノ様!

「こ・これは驚いたぞ!まさか・・・・・女子に・・・・・・この技が使えるとは・・・・・。否、これ程早くマスターするとは思わなんだ。お主等揃いも揃って何者だ?」



「フフフ♪私達ですか?ラフィー様に教えて頂いたのですが、どうやら私は【獣王に至る者】だそうですわ♪」

「クスクスクス♪僕は、【獣王に至れる者】だって教わったけど何者って言われても~まだまだだよ」

「【獣王に至る者】と【獣王に至れる者】か・・・・・?だったら・・・・・お主はどうなのだ!」

「ウフフフ♪ソロ君は【超人へと至る者】だそうですわ♪」

「ハハハハ♪ソロは【超人へと至る者】だって言ってたよ♪」



改めて俺たちの事を理解したテクノ様が大笑いし始めた。

「ガ~ハッハッハッハ~♪ グハ~ハッハッハッハッハ~♪いや~面白い!面白いぞ!お主達!合格だ!吾輩の技を全て身に付けてみよ!ブホッ♪ ガ~ハッハッハッハ~♪はぁ~愉快だ!こんな愉快な気持ちになったのは初めてかも知れんな!」

豪快な笑い声に少し驚いたが今の会話の中に合格の二文字が含まれていたのが気になった。



「合格と言われましても・・・・・まだ全ての技が使えるようになっていないんですが?」

「ソロは既に4つも出来るから良いけど僕らなんかまだ一つしか出来ないんだからね!」

「まだ時間があるから何とか修得できるとは思うんだけど・・・・・・やっぱり奥義は時間がかかりそうよね・・・・・」



「ブホッ♪ゲホゲホ・・・・・ふぅ~すまんすまん♪そもそもお主達!本気で全ての技を覚えるつもりだったのか?呆れるばかりの強欲さよ!ソロは兎も角お主等はオーラの使い方がまだまだ粗い!

先ずは、そこを充填的に鍛える事が先だな!

だから今話した通りここの試練はオーラの使い方が本来の突破の方法なのだ!

技が使えるという言事はオーラを使えるようになったという事だ!なので、お主等は合格だ!」



「えぇ~・・・・・そう言う意味だったんですか? そうか~確かに無意識にオーラを纏って放ってたな・・・・・それは分かりましたけど、もう少しここで、出来ればテクノ様に教わりながら技の特訓をさせて頂けないでしょうか?」

「「私(僕)も練習したい!お願いしますテクノ様!」」

「ふん!元よりそのつもりよ!ビシビシ鍛えるからな覚悟しておけよ!」



そして勢いを増した俺たちは限られた時間の中様々な技の修得に至ったのだった。

身体を前後に高速で回転させながら左右の蹴りを交互に放ち空中でぶつける【極炎断裂刃】と炎弾と同じ仕組みで高速で上下左右に蹴りを放った後に後追いの蹴りを空中でぶつける【爆炎斬】は三人共、無事に技の修得に成功していた。



【空圧拳】は剛と柔の技に立て分けると柔の技になるようで、メロとマロンが修得するも俺は身体強化を使わないと出来なかった。この技の修得には、時間がかかりそうだ。

メロとマロンは、身体強化を最大限に発動させないと剛の技である【炎弾】は使えないようだ。

そして、両手で(空圧拳)を発動させた後にそこを目掛けて(巨炎弾)をぶつける究極奥義【極炎】は三人共時間切れで誰も修得には至らなかった。



瞬間的に己の潜在能力を全開放して身体強度を2~4倍に跳ね上げる【鋼】は偶然にも俺が開発した技と同じ原理なうえ名称も同じだったのでテクノ様に教えると目を丸くして驚いていた。

この技は使い方を誤ると危険だと判断しメロとマロンには教えていなかったのだが、2人が真剣な顔で教えて欲しいと懇願してきたので、コツを教えたらものの見事に修得していた。



さらに、手を高速で振動させる事で障壁を生み出す【風障壁】と体内を巡る気を集め体外に密集して放つ【光壁】は威力の違いがあったが、テクノ様的には修得で構わんとの事だった。

こうして、様々な技を覚えた俺たちは、テクノ様に心から感謝の思いを伝え9階層のフロアへと進むのだった。




9階層の守護者ルビエ・ピエーデと言う第76代目の獣王様で、ムッキムキのカンガルーの獣人だった。

そして、ここでは脚力勝負をする事となった。

それと!驚いた事に!この獣王様は、メロの父であるヒョードルの先代の獣王だったので、勝負に勝ったら昔話をしてくれると約束してくれた事でメロのモチベーションが物凄く高かった。



「ふむ!良い面構えだな!流石はこの階層まで来れただけの事はあるな!さっきも伝えたが、余が生きていた時は脚力に自信があったのでな!お主等と脚力勝負をして余に勝てたなら知りたい事を話してやろう。」



ある程度は階層ごとに特徴のあったフロアもあったが、このフロアは歪な形をしていた。

他のフロア同様に円形の広間に見えたが他のフロアよりも楕円形に縦に広がっていた。

左右に500m程ありそうなフロアで、一番奥まで150m程ってところだ。さらに一番奥まで進むと端から100m程の範囲だけ天井が見えない程高くまるで繰り抜かれた空間の様な不思議な光景が広がっていたのだった

「ん? ・・・・・・この天井の高さだと・・・・・?」



「ガハハハッ♪驚いたであろう!余も生前初めてこの場所を訪れた時には随分と驚いたものよ!一番奥の天井の高さは、1000mと言われておる。

ここでのバトルは至ってシンプル!お主等は順番を決めておくが良いぞ!

先ず!第一の勝負白鋼鉄のレガース(足に付ける防具)を纏いこの直径25㎝重さ200㎏の白鋼鉄のボールを蹴りどちらが遠くまで飛ばせるかの勝負だ!このボールの中が繰り抜かれておるお陰で実際の大きさよりは随分と軽くなっておる。それでも重量200㎏心して蹴らねば・・・・・・・・足の骨が砕けると知れ!」



200㎏の動物を蹴るのであれば200㎏が500㎏だとしても何も問題ないが僅か25㎝の大きさで200㎏・・・・・余程のスピードとパワーで蹴らなければ、転がりもしないだろう。それは、自分の足首に途轍もない負荷がかかると言う事に気が付いたメロとマロンの頬を一粒の汗がつたっていた。



そして次が、このビッグハートの模型をどちらが高く蹴り上げる事が出来るかの勝負だ!

因みにこの模型の重量は500㎏!胴体の腹の部分までの距離が150㎝どの様な蹴り方をしても構わんし一度空中に蹴り上げた後にもう一度蹴り上げるのも構わん!

この模型も中身が空洞なのは間違いないが、どの様に蹴っても良いと言う言葉がキーワードのようだ。



「そして最後が一番奥の場所で、どちらがより高く飛べるかを競うジャンプ力の勝負だ!この勝負だけは二つに分かれていて一つが垂直にジャンプして競うだけで、二つ目が壁を蹴りながら天井に辿り着く勝負の2本に分かれておる!計測は神々の用意された計測センサーが周囲に埋め込まれておるので入り口の上にあるパネルに表示されるから安心であろう。」

なるほど・・・・この勝負は、本当に単純な力と技の勝負になりそうだ。



「さて、お主等順番は決まったか!この勝負は、一人4本!三人で12本勝負!勝敗は、6勝以上でお主等の勝ちだ。そして分かっておるとは思うが、6勝できなかった場合は、残念ながらお主等の努力が全て失われることになる!ここまで来て、そんな事になれば余りにも滑稽だ!試練はいつでも受けられるのだから引き返す勇気も決断の一つであるぞ!」

俺達は目で互いにアイコンタクトを行うと小さく首を振った。



「メロのお父さんの話が聞けるかもしれないチャンスを棒に振る程愚かじゃないんでね!それに!この勝負は俺たちが勝たせてもらう!順番は一番目にマロン!二番目が俺!そして三番目メロだ!」

最初は俺が三番目をする予定だったのだが、最後の勝利を何としても自分で決めたいと思いつめたメロが言った事で、この順番となった。



「マロン!頼むぞ!後、念の為に回復薬を飲んでおいてくれ!メロも。」

「分かった!任せてよ♪これでも僕は【獣王に至れる者】らしいしね♪」

そして、俺達の激闘が始まった。





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