第4話 第一章【神界編】2
おっと!話がそれたな!・・・・そうそう!修行の事だった・・・
善行を行えば行う程、どんどん魂が神格化されてく
やがて原初の神が定めたポイントに到達し、神々に認められ、輪廻の輪から外され、始めて神の末席に座ることになる。
悪行を繰り返せば永遠に輪廻の輪から抜け出せない。
惑星によっても違いはあるだろうが、時代によっては、地獄のような環境で生活しなければならない。
様々な時代の環境に必ず振り回されていく・・・修業は厳しい。
とは言え・・・悪行ではないが、どちらでもない生き方をしても駄目だ!
地上での努力を怠れば怠るほど、再転生に要する時間が増えてしまう。
後は~そうそう!
この神界での一日と地上の世界での一日では、時間の流れが違う。
神界でユックリ過ごしてしまうと地上界に転生したときに1000年単位で、時間が経ってしまう可能性があるって事を・・・なぜか・・・思い出していた・・・
「それにしても・・・(ゴクリッ!)・・・物の怪や鬼、吸血鬼などは見た事があるけど・・・亜人か~・・・初めて見るとちょっと興奮してきた~!」
地球での知識にあった、獣人族と姿形が同じである事にワクワクが止まらない!!
(地球では、どれ程の転生を繰り返したんだろ~“自分が招いた事だけど”・・・今回の修業は初めて満足の行く結果だった!!)
「これで心置きなく違う世界に転生できる!何だかんだ言っても・・・やっぱり!新世界には憧れる!」
そんな事を考えたり、見たりしながら神殿に向かっていたら、思っていた以上の速さで、神殿に辿り着いていた。
「え~と・・・超越神様の居られる神殿はどこだっけ??・・・位の高い神になればなるほど上の階層に神殿があるから~もう少し上の方だな!」
前回までの知識で探し始めるが、記憶の中にある景色と違うこともあり見つける事が出来なかった。
「あれ~おかしいな~モット上の方だったっけ~ 確かここだったはずなんだけど・・・」
コッチじゃないし・・・そっちでもない・・・じゃ~あっちか!
キョロキョロ周りを見渡すが、見つからないし思い出す事が出来ない・・・
「おかしいな~!? 今までの転生ごとの知識にあった神殿の配置と何かちょっとずつ違う感じがする???」
探しても見つからないので、立ち止まり思案にふけっていると頭上より声をかけられた・・・・・。
◆◆◆◆◆
この若者が神殿に辿り着く少し前の事・・・。
一際大きな神殿の中に凛とした空気を身に纏い姿勢を正した一人の美女の姿があった。
そう、ここは、エルザが受け持つ大神殿である。
中空に映し出されている様々な映像を見て何かを呟いているようだ・・・。
「新たな神になれそうな生命は、当分なさそうですわね・・・。」
チャンネルを切り替えるかの様に目の前の映像が切り替わっていった。
その中の一つの映像が、神殿に訪れる生命を映し始めた時だった。
「あら? あの方~・・・いつ以来でしょう~・・・素晴らしく綺麗な生命色をしていらっしゃいますわね~・・・
・・・・・・まぁ~私としたことが呆けて眺めてしまいましたわ・・・・」
先程までの凛々しい表情が消え、柔らかい表情になってボ~っと眺めていた。
すると、驚きの眼差しを映像に向け驚愕の表情を浮かべ始めた。
「えっ!?よく見たら・・・綺麗な生命色どころか神色?・・・はぁ?
あ・あり得ませんわ!世の理に縛られる限り・・・神色に成る事など・・・。」
「神である私が見間違える事など・・・もう少し近くで、見てみると致しましょう。もし、本当に神色だったら・・・マスターボードを見れば何か分かるかも知れませんわね。」
真剣な面持ちで何かを考えている。
「もしくは・・・別次元からこられた存在だったりして・・・な~んてね!そんな訳はありませんわね!」
やがて、画面に映し出されている青年の動向に違和感を覚え始めた・・・。
「あの方?・・・何をキョロキョロしているのかしら?・・・もしかして!? ありえませんが・・・自分の神殿が分からないのかしら・・・少し気になりますわね!・・・ちょっとだけお手伝いしてさしあげましょう♪」
◆◆◆◆◆
「何かお困りの様ですが、あなたはどちらに向かおうとしていたのですか?」
急に声を掛けられ・・・顔を上げた俺は・・・
「私で宜しければ、お手伝い致しますわ?」
そう言いながら一人の女神が俺の前に降り立った。
ビックリしすぎて思考が止まりかけた・・・
そこには、年が20歳程であろうか・・・身長が160㎝半ば程で、輝くショートドレスに身を包み・・
シルクの様な綺麗な金髪が腰まである・・・目の大きい青目の女性がいた・・・
全身が・・・・この世の美をかき集めたかのような容姿・・・
はち切れんばかりの胸・・・両手で掴めそうなウエスト・・・白くしなやかな肌・・・潤いを帯びた唇。イキナリ現れた超絶美人の女神に俺は心を奪われそうになり・・・
俺は・・・思考が止まってしまった・・・・
「はい・・・困っています・・・」
「そうでしたか!!では私がお手伝い出来る事があれば、お気軽に仰って下さいまし。」
優しい笑顔を浮かべて柔らかな口調で話しかけられた
「はい・・・貴女の様な奇麗な女神様を今まで見た事がありません!!びっくりし過ぎて何を考えていたか忘れてしまいました!」
(前世の美の女神アフロディーテ様もビックリな容姿・・・。こんな女性が、存在するのか?)
・・・俺・・・(ゴクリッ!)・・・超・緊張
「 ウフフフフ♪ ありがとう~ 嬉しいですわ♪ 」
両手を口の前にあてて微笑む女神・・・
ハワワワワッ! な・なんて奇麗で・・・なんて可愛い笑顔なんだ・・・俺は声を失った・・・
前世でも綺麗な女性との恋愛経験があったけど・・・比べ物にならん!
「も・・も・も・ももももも・申し訳ありません!!あまりにビックリし過ぎて・・・って!何言ってんだ俺は・・・」
深々と頭を下げながら・・・自分自身が口にした言葉に・・・本当にびっくりした・・・。
「あら!? 謝る事なんて何もないわよ? 私の事を奇麗って言ってくれて嬉しいですわよ!? 神々以外でこんな直球で褒めて頂ける事なんてないんだから・・・」
そう言って頬を染めながら本当に嬉しそうに微笑んだ女神
「ありがとうございます・・・そう言って頂けると助かります・・・。あっ!!思い出した~!!」
「あらあら 思い出せて良かったですわ♪」
コロコロした笑顔もカワイイ!
「はいっ!! お・俺じゃなかった私は・・・」
「良いですわ~呼称を言い直さなくても【俺】で良いですわよ! それで~何を思い出したのかしら?」
「はいっ!!ありがとうございます!!」
まともや深々と頭を下げた
「・・・で、思い出したのは、俺、【超越神様】の神殿に向かう最中だったのですが、何か以前と比べると神殿に居られる神々が違っていたり・・・」
(やっぱり・・・)
「神殿の場所が、若干違ったりしていて、迷っていたんです! 記憶では、確かこの階層で、この辺りの神殿だったと覚えていたのですが・・・お恥ずかしい限りです。」
「あぁ~なるほど!!そ~言うことね!」
(本来なら迷うことなどありえません・・・と言うことは・・・)
女神が片手をグーにして胸の前で、両手を合わせポンとたたきながら呟いた・・・
「この度の地上での修練は、自分で定めた【始まりのルール】を初めて成し遂げたので、喜び勇んで、超越神様にご報告に参った次第です。」
・・・女神の目がキランと輝いた!
(このお方の・・・生命色・・・まさか!・・・本当に!・・・確認せねばなりませんわね!)
「貴方は、何処から【生命の返還(生まれ戻り」】されたのかしら!?」
そう話してくれている女神の目は、ず~っと探していた物が・・・やっと見つかった時の様な嬉しさと何かしらを期待しているように見えたのは俺の勘違いだろう・・・
「はい! 俺は【地球】 と言う星から戻って参りました。」
女神がゴクリと唾を飲み込んだ・・・その顔は、驚きにまみれている。その後に取り繕うように語り始めた。
「ち・地球!?今!地球と仰いましたか? そ・そうでしたか~! 地球でしたか・・・」
(これは・・・本当に・・・否・・・でも・・・まさか!?)
「少し質問をさせて頂きたいのですが、宜しいですか?」
なぜか焦って質問する女神・・・・
「はい!何でも聞いてください!」
何だろ~ドキドキするな~
「では!コホン!」
可愛らしい仕草で咳払いをしてから女神が質問してきた
「前世で貴方が亡くなる瞬間の事を聞きたいのですが・・・」
ん?どの様な生き方をしたかじゃなく!?・・・最後の瞬間ですか?
「通常ではありえないような出来事があったりしましたか?
例えば巨大隕石に巻き込まれたり、何かしらの凄まじいエネルギーに巻き込まれたとか?」
先程のおっとりした喋り方ではなく、慌てた様に・・・捲し立てる様に話し始めた。
女神は、本来有り得ないはずの地球と言う名の星から生まれ戻った可能性を考えていた・・・
(普通なら有り得ない・・・)
次元の違う宇宙に生命の根幹ごと生まれ戻るなど・・・
(可能性があるとしたら・・・)
女神は考えを加速させる・・・
(超越神クラスに匹敵する常識外れなエネルギーをその身に浴び・・・さらに、行き場を失った膨大なエネルギーによって、時空に歪が生じてしまい・・・生命ごと時空の歪に引き込まれ・・・飛ばされた・・・と言う可能性・・・)
「良く分かりましたね~♪さすが~女神様!!何でもお見通しなんですね~ そうなんですよ~」
(やっぱり・・・でも・・・それでは・・・魂が次元を超えたって事に・・・しかし、不可能な事ですわ!)
「そうですね~ エネルギー量だけで言ったら俺がいた太陽系の30や40は、簡単に消し炭になる程のエネルギー量は間違いなくありましたね!!」
ヤッパリ神様は凄いな~何でもお見通しか~俺は感心した
爽やかな顔をしてあっけらかんと話を続ける青年・・・
「なっ!・・・本当ですか!?それ程の・・・」
驚愕する女神・・・
「はい!・・・今回の地球での修行で、宇宙戦争が起こったんですよ!」
俺は、地球で起こった出来事を簡潔に伝えていった。
一回目の襲撃で追い返せた事。
地球が一つになって二回目の襲撃に備えたこと。
その時に天啓を受けたこと。
「で・・・本来、思い出せるはずのない、前世の記憶や神界の知識が、少しだけ思い出せた様な・・・分かり易く言うと予知夢みたいなものですね・・・」
(・・・!?もしかして・・・あの時のことかしら!?女神が何か感慨深く聴き入っている)・・・
「先程、お伝えした様に、奴らが2回目の襲撃を企んでいて、地球が滅んでしまうって事と俺が作り出したものが最後の勝利のカギである事みたいな内容だったと思います。」
「そのおかげで、本来訪れるはずの未来を回避する為に、少しだけ覚醒したようです。」
(地球で、その様な事が出来る人の事を【メシア】というのですが・・・。)
「その後からは、たくさん努力して人の何十倍も成長することが出来ました!!」
(何十倍は、さすがに・・・・・言い過ぎなのでは!?・・・)
「その甲斐もあり、生命力を顕現させ、莫大なエネルギーに変換できる装置を完成させました。」
(はぁ~!?生命力をエネルギーに変換って・・・神々の力・・・地上界でその様な事・・・)
本気で呆れた表情を浮かべている女神。
「それで、最終局面に自分の命と引き換えに、発生するバリアを最大出力で作動させたことで、地球を滅亡の危機から救う事が出来たって感じですね♪」
親父は無事だったかな?人類は無事だったはず!
「ですが、時間がなかったので、敵の放った破壊的なエネルギーをこの身に受ける形となったみたいです・・・何せ一瞬の出来事だったので、どうなったかなんて分からないんですけどね・・・」
ハハハと頬を指で掻きながら伝えた・・・
・・・唖然とした表情で聞き入っている女神・・・
(何の冗談かしら・・・否・・・ここにいる生命たちは神々に嘘など付けないはず・・・)
(だとしたら・・・一瞬とは言え神々の力を人の身で顕現させ、自分の命をかけて太陽系を10も20も破壊するほどのエネルギーを防ぎ・・・守ったって言うの?)
・・・また、女神は、(信じられない!)と言わんばかりの表情を浮かべていた・・・
「そ・その話が本当だとしたら・・・おそらく・・・いえ、間違いなく!今の貴方におこっている驚愕の事実をお伝えしなければなりません・・・」
(それと・・もう一つの可能性も確認しなきゃですわ♪)
先程までとは打って変わりキリっとした真剣な表情を青年に向けている。
「どう言うことでしょうか?」・・・そんな真剣な顔をされては不安になる・・・
女神さまの真剣な顔をみて(聞くのが何か怖いな・・・)そんな事を考えていた・・・
「先程の貴方との会話から・・・極僅かな可能性を考えていました・・・先程の話が、誠であれば、否!真実である事は間違いないでしょう!」
「はい!本当です。俺は嘘なんか付きません!」
「・・・星々を簡単に破壊しつく常識外れのエネルギーをその身に受けてしまったことで、貴方の魂が、元の宇宙ではなく・・・次元を超え別の宇宙である・・・この宇宙に弾き飛ばされた事を意味します!」
俺は眉間に指を当て(まさか今、次元を超えたって言ったのか?)考え込んだ・・・まさか!?
「も・もしかして否・・・もしかしなくても・・・俺は・・・別の宇宙に来てしまった?・・・と言うことですか!?」
俺は信じられない・・・という表情を女神にむけて話を続けた・・・
「マジですか!・・・では・・・い・今までの宇宙で、貯め続けてきた神値はどうなるんですか?」
神値とは・・・地上界での活動により【神より授かった】使命をどれだけ果たしたか・・・・
(分かりやすく言えばどれだけ【善業】や【悪業】を積んだか)・・・・によって神々により定められるポイントである。
「それは・・・貴女の生命に刻み込まれた、【スコアボード】を確認して見ない事には、まだ何とも言えませんが・・・おそらく先程のお話を聞く限り・・・それだけの功績を残されたのですから、余程の事がない限り【神核値】に刻み込まれていると思われます。」
【スコアボード】とは転生を繰り返すものの最初に生を受けてから今日に至るまでの膨大な情報が、刻まれる【原初の神】創ったシステムであるらしい・・・
「余程の事ですか・・・。それで、神核値・・・ですか?・・・それはいったいどの様なものでしょうか?」
初めて聞く言葉だった・・・
「・・・神核値とは言わば【神の命】を分け与えられている我々を含む全ての【魂の源】に刻み込まれている数値の様なものです・・・取り急ぎ私の神殿で、貴方の情報を調べさせて差し上げましょう。」
俺は、不安になりながらも女神が呟いた【神核値】の存在に縋る(すがる)思いでいた・・・
「よ・宜しくお願いします!!」
20分程経ったであろうか・・・俺は今、先程の女神様の神殿いる。
神霊力で出来たチューブな様な物を体の至る所に取り付けられている・・・
「ピピピピピツッ♪ ピピピピピツ♪ ピツ♪!」どうやら俺のスコアボードが顕現したらしい・・・ちなみにスコアボードは、自分では見る事が出来ない。
【神々】だけに見る事が許されているらしい。
女神様が眼前に浮かび上がったおそらく俺のスコアボードらしきものを眺めている・・・
「なっ・・!」なぜか・・・口元に手を被せて驚いている・・・
「どうしたんですか?やっぱり消え去っていたのでしょうか?」
俺は居た堪れない思いで、女神さまに問いかけた・・・
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