第31話 第二章【獣人族編】5 獣人族とのバトルと俺の戦闘力!
両手で俺の事を掴みかかろうとしてきたので、メロを背中に移動させて掴みかかって来た相手の両手に合わせて力比べをしてあげた。
「はぁ?馬鹿かテメーはよ~力で俺に勝てるとでも・・・・・ぎゃ~~~~」
俺の握力は、今では400㎏以上は出せる自信があったので、手加減しないで思いっきり握りつぶしてやった。
「グワァぁぁ~手が・・・手が~」
悲壮感を漂わせたサイの獣人の手を見ると引きちぎれんばかりに薄っぺらに伸びていた。
「こいつ!今何をしやがった! 大丈夫かライノス!」
「ヒャッハー!次は、俺がやってやるってかー」
そう言うとハイエナの顔をした獣人が、俺に飛びかかって来た。
「こいつ!くせ~お前か~!臭いのは!」
冗談じゃなく本当に臭かったんだ!なるほど・・・・・・ハイエナの獣人だからか? そんな事より! 触りたくなかったので、手を頭上にかかげ勢いよくハイエナ君の頭をめがけて引っぱたいてやった。
「ドン! グェ~」
ちょっと力を入れすぎちゃったかな?バチ~ンって音が鳴るかと思ったらドン!だった。
口から泡を吹いて白目を剥いている。最後まで汚い奴だな~
「あ!メロは、こんな汚いものを見ちゃダメ!」
茫然と見ていたメロの目を手で塞ぐとクルッと回転させて後ろを向かせた。その瞬間
「スポルコ大丈夫っスか? この野郎!こ・今度は俺っちの番ッスね!」
俺が振り返ると茶色のマントヒヒの獣人が、右手を振りかぶり鋭い爪で俺を切り裂こうとしていた。
それを見た瞬間、獣霊山のバーボンって魔物が頭に過った。
アイツも鋭い爪や牙で攻撃してきたのだ。最初の頃は、相手の速度に付いて行けずに良く切り裂かれたっけ・・・。まぁ~今では雑魚だけど・・・。
相手の爪をそのまま鷲掴みした瞬間にバキン!と全部折ってやった!
「グギャァァァ~」
相当、痛かったのか無事だった左手で右手を抑えて苦しんでいる。
「はいはい、邪魔だからゴミは端っこに!」
そのまま左手を無造作に掴んで壁までぶん投げてやった。
「ヒューン ドガッ!」
壁に激突して、此奴もピクピク痙攣しながら泡を吹いていた。
「なんだ?お前らはさっきから、泡を吹くのがブームなのか?面白い芸を持っているんだな? でも汚いだけでウケないぞ?」
すると一番背の高い像の獣人が
「グノンじゃ~相手にならんか! ガ~ハッハ~♪お前中々やるじゃねーか!だが!ちょっとパワー不足じゃねーのか?今度は!このオルソ様が相手をしてやる。」
そう言うとドシン、ドシンと凄い勢いで熊の男が、突進してきた。
俺の後ろにはメロがいる。俺は振り返るとまたしても俺の方に顔を向けていたメロと目が合った。
「メロ!ゴメンね。 また怒られるかも知れないけど、許してね!」
そう言うとメロをお姫様抱っこして相手のタックルをジャンプして避けた。そのままマロンの近くに着地すると
「マロン!悪いんだけどメロと少し離れていてくれるかい?」
そう言うと二人とも何も言わずに、頭をコクコクと上下に振っていた。
やっぱりこの二人は可愛らしいな~そんな事を考えていたら再び相手がタックルをして来た。
「う~ん・・・ちょうど良いかも!自分のパワーがどれ位か目安にさせて貰うか!」
体重が400㎏はあろうかと言う巨体の熊が時速40㎞以上の速度で体当たりしてくるのだ・・・・・・相当の破壊力であろう事は、見て取れた。
「さぁ~来い!ズザザザザ~」
俺は両手を突き出し、突進してきた熊の突進をそのまま受け止めた。
20m近く押されたところで、握力に物を言わせて相手の肩の肉を抉ってやった。
「グワァッ~! ック・・・・この野郎。」
さらに相手の頭を腕で固めて全力で、頭上に振り上げ、放り投げてやった。
「フン!おりゃぁぁぁ~ グシャ! ドスン」
豪快な音とひしゃげた様な歪な音が鳴って像の獣人がピクピク痙攣し始めた。
「お!こいつは泡を吹かなかったな!」
「後は~アレレレレ?もう一人っきりになっちゃったね! 俺さ~さっきも言ったけど弱い者苛めって好きじゃないんだよね!こいつ等連れて外で治療して上げた方が良いんじゃないの?」
最後に残っていた偉そうな獅子の顔をした獣人からは、冷や汗が流れていた。
「あぁ・・・そうだな・・・・・・・そうさせて貰おう。 こいつ等を治療室に連れて行かないと」
そう言うと周りにいた何人かの獣人達に声を掛けて外に出て行った。
「お待たせ~メロ♪ 怖い想いしなかった~ゴメンね。近くにいて上げられなくて、どこも怪我はしてないかい?嫌な奴はいないから、もう大丈夫だからね。」
ニッコリ笑いながらそう言ってメロを見るとポ~っとした顔で、俺を見つめる目に熱が籠っていた。
「あれ?どうしたの、メロ?ポ~っとして大丈夫か?・・・マロン!・・・あれ?マロンまでどうしたのさ~」
メロの反応がおかしかったので、マロンに話を聞こうと思っていたら、マロンまで呆然としていた。いつもと違って二人ともポーとした目で俺を見つめている。
「もしかして・・・これは、俺を見つめているんじゃなくてボケ~としているだけなのか? ホイッ! ホイッ!」
そう思い二人の視線から身体を逸らしてみたけど、ヤッパリ俺を見つめている。左右に動く俺を目が追いかけていた。
「どうしたの?二人ともケガなんかしてないでしょ?メロ!マロン!どうしたんだよ!」
二人の頬に手を触れてから、目線を合わせて問いただした。
「「キャァァァァァ~♪凄い!凄いよ!ソロ(君)!」」
切り裂く様な声を上げて大きな声で俺の名を叫んだ。思わず耳を塞いでしまった。
「はい?何が凄いのか全く理解できませんが・・・ごめんなさい。」
「はぁ~ソロ君は、ブレないね~まぁそこが、また、カッコイイんだけど!」
「今回は、僕も同感だよ!ソロってカッコ良いよな!」
「だから~何が凄くて、何がカッコいいんだよ?まぁカッコいいって言うのは嬉しいけど!」
「フフフ♪今度教えて上げるね!それよりも今日は、ソロ君の測定しに来たんだから、先ずは初志貫徹!
そうメロが言ったので、必要以上に追求するのは止めておとなしく様々な測定検査を受ける事になった。
測定の結果は・・・・・。
身体能力の部
100m走 1.5秒(時速240㎞)
1500m走 22.5秒
10㎞走 3分0秒
走垂直飛び12m57㎝
立ち幅跳び 19m87㎝
走り幅跳び 48m78cm
走高跳 19m55㎝。
100㎏鉄塊投げ38m
握力左右共に868㎏
背筋力 1988㎏
重量挙げ 2500㎏
戦闘力の部
パンチ 4950㎏
キック 7650㎏
タックル 6200㎏
咬合力 10000㎏
石材割り (1枚20㎝) 25枚
うん!ヤッパリ獣霊山の訓練っと言うか修行と言うか、凄まじいだけの事をしただけの甲斐があったな!
正直言って、予想を超えたパワーアップに驚いた。
なんか外野がざわついている。
「「キャァァァァァ~♪何この記録~♪凄いよ~♪ 異常だと思っていたけど・・・もう笑うしかないね♪」」
何で君たちは、いつもハモってそう言う事を言うのかな~ 言い方!大事だよ!
すると職員らしき人から声を掛けられた。
「き・君!君は何者なんだい?この成績は獣騎士のトップクラスと比べても何ら遜色がないスコアだ!しかも15才だろ?何をどうしたらこれ程の能力を身に付ける事が出来るんだ?」
何で初対面のヤギのおっさんに根掘り葉掘り教えなければならんのだ!ま~ザックリと教えて上げるか~。
「え~っと毎日限界まで鍛えて美味しいものを食べて幸せな毎日を送りながらメロの癒しを貰ってシッカリ睡眠を取ったらこうなりました。」
何か後ろでメロがシッカリ睡眠って3時間の事?なんて言っているけど気にしたら負けだな!
マロンも何か言っているな?何々メロの癒しって抱き合う事かな~だって? はい、その通りです!
「そんな事だけで、これ程の能力が身に付く訳がないだろう!何か理由があるはずだ!教えてくれないか?」
「え~と・・・本当にそれだけなんだけど・・・。」
「ゴートさんソロの言っている事は事実だよ!本当に今言った事をして強くなったのを見ていたから!」
すかさずマロンがフォローを入れてくれた。何やらブツクサ言っているけど気にしない!
「今日はコレで終わりなのか?だったらお腹減ったからメロの美味しいご飯を食べに家に帰ろうよ!」
早く帰りたかったのだが、その後もアレだ、コレだで呼び止められては、質問攻めにあってしまった。
終いには、バトルオリンピアに参戦するのか?って聞かれたから興味ありません!って答えてやった。
でも、そう答えた瞬間、メロの顔が目に入ったが、何故か表情が曇っていた事が気になっていた。
「ただいま~♪ はぁ~疲れた~」
「「ウフフフフ♪ お疲れ様ソロ君♪ マロンも久しぶりに家に泊まっていけるんでしょ?」
「そうだね!僕も、久しぶりに僕も泊っていくよ♪」
「今日は付き合ってくれたお礼に今日の晩御飯は、美味しいものを作るから少し待っててね♪」
「ヤッター!は!付き合ってくれたお礼って!俺たち付き合っていたのか!」
「また始まった!もう~分かっているクセに~直ぐそう言って私の事をからかうんだから~ ベェ~だ!」
口からベロを出してプンプンと怒っている様に感じるが尻尾は喜びを隠せていなかった。
「あ~その~何だ・・・僕も仲間に・・・じゃなくて、僕はお邪魔じゃないかな~」
「だから~もう~二人していつもいつも私の事をからかうんだから~そう言う意味じゃないでしょ~もう~これ以上言ったら美味しいもの作らないからね!」
「ごめんなさ~い。美味しいものを作ってくださいませ~以後!出来る限り気を付けたいと思います!」
シャキッと立ち上がって敬礼のポーズをとってみた。
「はいはい♪分かりました!だから椅子に座って寛いでてね♪」
「メロ!僕も料理作りたくなったから、手伝うよ♪」
そう言うと二人でキッチンに入っていった。
ゴハンが出来上がるまで椅子に座っていたら、知らない内に眠ってしまったようだった。
(マスター!聞こえますか?早く・・・・・・・私に・・・・・・・さい・・・。)
(だ・だれだ?)
(もしくは、マスターの・・・・・・・名前を呼んで・・・・・さい・・・。)
(なんだ?何が言いたいんだ!何て言っているのか良く聞き取れない!今、何て言ったんだ~)
ハッと目が覚めた。
「お早う~疲れてたんだね~♪目が覚めた~?ちょうど今出来たところだよ!」
そう言って机の上を見渡すと地球の記憶で言うところの七面鳥の丸焼きや魚介類のカルパッチョ、海老のグラタンに肉の串焼き!ピラフにパスタ!キャベツロールに魚のムニエルまであった。
「おぉ~豪華!凄いな二人とも!旨そう~♪」
俺がそう声に出すと
「ソロは頑張ったからご褒美だな!僕の手料理が食べられるなんてレアな事だぞ!」
「うん!ソロ君、本当に凄かったよ♪気合い入れて作ったから一杯食べてね♪」
「おぉ~♪二人ともサンキューな!じゅる、じゅるじゅる 涎が止まりません!早く食べようよ!」
「は~い♪ これでおしまいっと!マロンも早く席について~♪」
「あぁ 今、飲み物を入れてるからチョット待ってくれ! よいしょッと! はい、お待ち同様でした~」
「それじゃ~今日はお疲れ様でした~召し上がれ~♪」
「ガルルルル♪ガブッ!ムシャムシャ ゴックン♪ ウンメ~これ!メチャ旨い! こっちは!? ガブリ♪はぁぁぁ~♪これも!凄ごく美味しい~♪これも!そっちも!あれも!それも!ぜ~んぶ、旨~い♪」
「エヘヘヘヘ♪美味しいか?それ僕が作ったんだぞ♪」
「メチャクチャ美味しい!マロン天才!」
「そっちはね~メロが作ったんだよ♪ソロ君が気に入ってくれると嬉しいな~♪」
「これも超うま~い!噛めば噛むほど旨味が溢れてくるよ!メロって最高~♪」
凄まじい勢いで食べているソロを見てメロとマロンは、幸せそうな笑顔で見つめていた。
ソロが旨い!美味しい!と言うとさらにキラキラと目を輝かせて嬉しそうにしていた。
あれ程あった料理が10分と経たずに俺一人で半分以下に減っていた。
「「(それにしても・・・これだけの量の料理が・・・ソロ(君)の体のどこに入っているの?)」」
「ガブッ!ムシャムシャムシャ♪ シャキシャキシャキ♪ ツルツルツル♪ ズズズゥゥゥ~ゴックン♪
最高だ~♪ 超うま~い!」
あれだけ、あった料理も残り4分の1位となった時
「はぁ~食べた食べた♪満足満足♪ いや~それにしても・・・旨い食事だったな~」
メロもマロンも食べている姿も可愛かった。
二人とも前髪を耳にかけて抑えながら食べる仕草が、何とも言えない艶っぽさを感じる。
そう考えて見てしまうと、二人の唇も艶やかに見えてきてソロはゴクリと唾を飲んだ。
「それにしても・・・二人とも本当に可愛いし、美人さんだよね~♪ 性格も良くって、話も面白いし、料理も旨いとなったら、間違いなく二人とも良いお嫁さんになれるね!」
ソロが何気なく言った一言だったが、メロとマロンの顔が見る見るうちに赤くなっていき頭から湯気を立てていた。
「ななななな・何言ってんの???? お・お嫁!?お嫁さん・・だなんて!べ・別にソロ君のぉ・お・お嫁さんになるって決まった訳じゃないんだからね~!」
耳まで真っ赤にして何やら否定している様だが、尻尾が凄まじい音を立てながら左右に振られていた。
マロンの方を向きてみると何故かマロンも同じ様に頭から湯気を立てていた。
「ぼ・ぼ・ぼ・ぼ・僕だってソロと結婚を考え・・・。はっ! ままままま、間違えた!ぼぼぼ僕だってソロと結婚するって決まった訳じゃ・・・決まった訳じゃ・・・決まった訳じゃないんだからね!」
マロンの尻尾もブンブンと音が聞こえる位の速さで振っていたが、耳もパタパタと動いていて、いつもの凛々しい顔立ちが可愛くなっていた。
「?ん~ん?何で?そんな当たり前の事を言っているんだ?それよりも・・・・」
俺は二人の顔が赤かったので、熱でもあるんじゃないかと心配になった。二人のオデコに手を当てたり、オデコとオデコをくっ付けて、熱がないかを確認してみた。
「はぅぅぅぅぅ~ (ボッ!)にゃ・にゃ・にゃにを~するの~」
メロが、顔面から火を噴き、目をグルグルして頭から煙を吹いた。語尾が猫みたいにニャーになっているのを聞いて、ヤッパリ豹じゃなくて猫だったんじゃないかと思った。
マロンの顔も赤かったので、メロと同じようにオデコをくっ付けてみた。
「ひぁぁぁぁぁ~ ななななななな何を~ (ボッ!) 」
マロンもメロに負けじと顔面から火を噴き、目をグルグルして頭から煙を吹いた。
「え~と、二人とも顔が赤いから熱がないかと心配したんだ。二人とも凄い熱だけど俺の為に、無理してたんじゃないのか?大丈夫なのか?」
そう聞いた俺に対して二人とも椅子から凄い勢いで立ち上がるとクラクラしながら
「「だだだだだ・大丈夫!!!大丈夫だから!!!」」
と言ってへにゃっとしている。
「全然大丈夫じゃなさそうだな~仕方がない!歩けない位、辛いんだったらベッドまで運んで開けるよ♪」
そう言ったからには、即行動!右となりに座っていたマロンの椅子を引いてお姫様抱っこしてベッドに連れて行って上げようとしたら、
「はぁ~ん」
「ご・ごめん!どっか痛かった?」
マロンが、俺の肩に回す手に力が入る。なんかピクピクしている。
(うにゃ~ソロが・・・ソロが~メロより先にマロンを~お・お姫様抱っこしてる~!!!そ・そんな~~)
俺は、慌ててマロンを椅子に戻して上げた。
プシュ~っと頭から凄い勢いで湯気が噴き出しているかの様だった。
「マロン!ごめん、大丈夫だった?」
「フニ~ ら・らいじょうぶらよ~ らいじょうぶ~」
全然大丈夫じゃなかった。
慌てた俺は、どうすれば良いのか困ってしまいメロの方に目を向けた。
「あ!メロ!メロも全然、大丈夫じゃないじゃないか~!」
メロを見ると目を限界まで見開き、両手で頭を抱えて床に膝をついていた。
「ほらメロ!腕を肩に回して!」
そう言ったと同時にメロの事もお姫様抱っこしてベッドに連れて行ってあげようとした。
「ひゃ~~ ハァン♪」
(うそ?ソロ君・・・まさか・・・シッポ握ってるの?)
何か二人とも声が色っぽい・・・。俺だって健全な男なんだから少しは気を使って欲しい!
「ソロ君・・・そこは・・・ン♪ そこを触ったりしちゃ やぁん♪ そこはダメ~!ソロ君・・・尻尾はダメ~~♪」
何故か色っぽい気がする・・・ってあれ?シッポ?シッポって何だ?メロを床に降ろして気が付いた。
「ごめん!何かグニュグニュしていて気持ちが良いと思ったら尻尾だったんだ!本当にごめん!二人とも痛かったかい?ゴメンね。シッポ大丈夫だった?」
床に降ろしたメロは立っていられない程痛かったのか、床の上にクテンとよこたわりながらハァハァ息を切らせてピクピクしていた。本当に悪い事をしてしまった。
「はぅぅぅぅぅ~!ぼ・僕は大丈夫!大丈夫だよ!だけど、尻尾の付け根は・・・その~あの~感じちゃ・・・じゃなくて!・・・よ・弱いから~余り強く握られると~」
そう口を開いたマロンの顔を見ると唇を噛みしめて我慢しているのが見て取れた。
撫でて上げたら少しは痛いのが良くなるのかな?
「ゴメンね。尻尾握ったから痛かったんだね・・・ごめんなさい!まだ痛むんだね。」
俺はマロンの後ろに回ると
「ソ・ソロ?な・何を?・・・ひゃぁぁぁぁぁ~♪だ・だめ~そこは・・・イヤ~ン♪」
「痛いの~痛いの~飛んでいけ~痛いの~痛いの~飛んでいけ~」
俺は前世の記憶にある痛みを取るおまじないを唱えながら尻尾を撫でて上げた。
「ハァ~ン♪もう僕・・・・・ダメ~~~♪」
そう言うとマロンも床にクニャンと腰砕けになり仰向けになって倒れてしまった。
恍惚の表情を浮かべ、胸と足の付け根に手をやってピクピクし始めた。なんか色っぽい・・・。
「あ!マロン!だ・大丈夫か~?ごめん!また何かやっちゃったのか?」
俺は心配して、慌ててマロンの肩を抱き寄せて介抱しようとした、
「ソロ~~♪今はダメ~ 大丈夫だから~僕に触っちゃ~ン♪ダメ~」
目を潤ませ、またしても、ピクピクしたので、そ~と床に降ろして上げた。
「どうしたんだ!二人とも!?本当に大丈夫なのか?」
慌ててメロを見るとまだハァハァ言って横になっている。いくら夏だからと言っても床の上に寝そべっていたら良くなるものも良くならない!
俺はメロに近づくとマロンと同じ様に優しく尻尾を撫でて上げた。
「メロもごめんね。相当痛かったんだね。痛いの~痛いの~飛んでいけ~痛いの~痛いの~飛んでいけ~」
「いやぁぁぁ~ ソロ君~ン♪ もうダメ!そんな風に触られたら~アァ もう本当にダメ~ 本当にそれ以上は~アァ~!!!」
ビクン、ビクンとしながらクニャンと仰向けに倒れ込んだので、そ~と床に寝かせて上げた。
マロンと同じ様に恍惚とした表情を浮かべ唇は艶っぽさを帯びていた。
何故か胸を両手で挟み込んでギューとしていたので、胸が苦しいのか不安になった。
「何で?こ~なった? 俺は、いったいどうすれば良いんだ?」
少ししたら二人とも落ち着いたのかスヤスヤと寝息を立て始めたので、そ~っと尻尾を刺激しない様にお姫様抱っこしてベッドに連れて行って寝かせて上げた。
「はぁ~~~疲れた~何だったんだろう?二人とも妙に色っぽくて困ったよ。
地球の14歳の女の事と比べると大人っぽい。顔立ちもスタイルも全然違うな~。
イメージで言ったら10代後半から下手したら20歳って言われても信じちゃっただろうな~
・・・あ!駆けっこのお願い事で耳を触らせて貰おうと思っていたのに~。・・・・・はぁ~あ、諦めるか~」
少しして、窓から空を見え気てみると2つの月が綺麗な新円を描き浮かんでいた。
「はぁ~今までゆっくり満月を見る事がなかったけど・・・幻想的だな~」
記憶が少し戻ってくれたお陰で、様々な事を思い出していた。
何か・・・懐かしい感じがする・・・。不思議な感覚だ・・・。
片づけ終わってからベッドに入って寝ようとしたら俺の扉をノックする音が聞こえて来た。
「ソロ君・・・まだ起きてる?」
メロの声だ!俺はベッドから降りると扉を開けて出迎えた。すると、マロンも一緒にいた。
二人とも、まだ、顔が少し赤く、目が潤んでいる。艶っぽさを帯びた唇に息を飲んだ。
「どうしたの?二人とも寝てなくて大丈夫?何か俺が変な事をしちゃったのかな?ごめんなさい!」
そう言って頭を下げる俺を見て二人が優しく微笑んでいた。
「仕方がないよ♪だってソロ君は人族なんだから・・・知らなくて当然だし・・・でも!気負付けてね!むやみやたらに獣人族の・・・特に!女性の尻尾は握ったらダメだからね!」
「はい。肝に銘じます・・・。」
「はぁ、僕もあんな気持ちい・・・・んっんん!あんな風になったの初めてだからビックリしたよ♪だからと言って勘違いしないでくれよ!他の人に触られたってあんな風にはならないんだからな!」
何故かツンデレっぽく喋るマロンだったが、いつもと雰囲気が違っていた。
「はい。ごめんなさい。ところで、マロン一つ聞いても良いかい?」
「うん?何?」
「今言っていた。あんな風になったのが初めてってどう言う事? あんな風ってどんな感じ?」
マロンは何かを思い出したかの様に胸と股に手を当てて
「ヒィ あんな風は!あんな風だよ!!もう知らない!」
「えぇ~何で怒っているの?メロ~どう言う意味なのかな~?」
今度は、メロも同じ様に頬を手で押さえながら顔を赤らめていた。
「あっ! そ・その話はもうお終い!そ・それよりも・・・・」
何か強引に話を逸らされたけど言いたくない事を無理に聞くのは失礼だと思ったので、これ以上問い詰める事は止めたのだった。
その日は、遅くまで3人で語り明かした、今日の事や俺が、どんな修行をしているのか?とか獣霊山の修行に付いてきたいって話とか、獣人族の習わしや今後の事に付いて色んな事を語ったのだった。
中でも、獣人族の最大の祭典である【バトルオリンピア】が3ヶ月後に開催されるって話には正直ビックリしたよ
だって、メロもマロンも参加するって言ってたんだもん。
俺は、別に獣人族では、無いので、参加するかどうか悩んでしまった。
マロンは出て欲しいと言っていたが、メロは、俺の自由だから無理はしないで欲しいと言ってくれていた。
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