第30話 第二章【獣人族編】4 獣霊山でパワーアップ
そして・・・次の日。
いつもの日課である獣霊山の頂上まで行って徹底的に身体を酷使した特訓を行っていた。
「お!獲物発見!結構デカいな!それにしても何度見ても昔見たエゾジカってやつに似てるなぁ~。」
気配を殺して近寄ると
「でりゃぁぁぁぁ~ ドゴン!・・・お!マジか!やっぱり立ち上がりやがった・・・。
じゃ~もう一発!うぉりゃぁぁぁ~ドガン! どうだ! 死んだかな? よ~し!」
・・・・・・・。
賢明な読者の方であれば、そろそろ気が付いた方もいらっしゃると思う。
実は、少しだけ記憶が戻っていたのだった。
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10日ほど前の事だった。
獣霊山で、いつもの様に過酷な特訓をしていた時の事だった。
30㎝四方の大きさの金属の塊・・・(何故か知らんが、この岩はメチャクチャ重かった。)・・・多分鉄だとは思うんだけど、鉄なら200㎏以上はありそうな金属を持って足腰の強化と耐久力を上げる為に10m位の高さか飛び降りては登ってを繰り返していた時だった。
「フヌヌヌヌ~!はぁ~これ位の大きさが、こんなに重いとは・・・おかしいなぁ~ビッグハートを担いでも、こんなに重くないんだけどな~・・・もしかして・・・俺・・・弱くなったとか・・・イカン!こんな生温い鍛え方じゃ!もっと、もっと自分を追い込むんだ!」
な~んって思って無茶苦茶な修行をしていた。後で、メロとマロンから教えて貰った時に、だから重かったのか~って思ったけどね。とにかく
飛び降りようとした寸前に何かの動物が、俺に体当たりをして来た。
疲労が溜まっていた事と不意を突かれた事で、避けられず、体制を崩してしまい地面に叩きつけられてしまった
岩が無ければ、何て事は無かったんだが、受け身を取るために両手で、着地した後に担いでいた岩が俺の上に落ちて来た。
それで、地面にかなりの強さで頭を打ち付けてしまい暫く気を失った事があった。
何分間、意識を失っていたのかは分からないが、夢をみていた。
ただ、夢の中に現れた、俺の事をマスターと呼ぶ、その子の声に悲壮感が漂っていた事が妙に気になった。
夢の中でそいつと何か会話をしていたと思うが、激痛と共に目が覚めたらスッカリ忘れてしまっていた。
残念ながらこの世界に生まれてからの出来事の大半は忘れてしまっていたが、俺が新世界に転生した事や前世が地球人だった事などは思い出していたのだった。
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「本日の特訓はこれにて終了!それにしても・・・此奴はデカいな~担いで帰るとするか~」
休憩を挟んで家に帰って来ると朝の9時を回っていた。
「ただいま~はぁ~お腹減った~」
「ソロ君、お帰りなさい♪ゴハン出来たから椅子に座って♪」
「やった~♪ナイスタイミング!やっぱりメロと俺は息がピッタリだね♪」
「また~そう言う事を~~も~分かったから~(本気で言ってくれているんだよね?恥ずかしいよ~)」
恥ずかしそうにしてはいるが尻尾は正直だった。
ブンブンと音を鳴らしながら左右に振れているのを見るとソロは、ニッコリと笑顔をメロに向けていた。
「食材あっても困んないと思って、ちょうどビッグハート(大きな鹿)がいたから仕留めて来た!すぐ終わるから食事用意しておいてくれる?パパっと解体してくるね!」
そう言うが早いか玄関を出て行ってしまった。
「あ!もう~ソロ君!食材毎日取って来てくれるから十分なのに~、毎日買い取りに来てもらっているけど、それでも、半年分以上のストックがあるのに~ってビッグハートって今言った?」
そう言いながらソロの後を追って裏庭に向かって行った。
今まさに解体を始めようと木に吊るしていたシカが目に入って来た。
「もう驚かない!もう驚かない~~!!!!」
目を見開きながらまるで呪文の様に繰り返している。
「って無理~!何その大きいシカは~!!!どう見てもソロ君より大きいじゃないのよ~!!!
どうやって倒したの?どうやって持って帰って来たの~~~~!!!!」
息をハァハァ付いて大声で叫んでいた。
「えぇ~!? どうやって倒したって、いつも通り、ただ殴りつけただけだよ? そんで、肩に担いで帰って来た! どうこれ~メチャクチャデカいでしょう!」
自信満々に褒めて褒めてと言わんばかりに頭をメロの方に近づけドヤ顔をしている。
「凄いのは凄いんだけど大きすぎない?本当にビッグハートなの? いつものより一回り以上大きいんじゃないの? それに担いで帰って来たって・・・ソロ君の身長が147~148㎝位でしょ?」
メロの目の前にいるビッグハート(シカ)は、頭に立派な角を二本生やしていて、体長が250cm以上はありそうだし。重さにしたら優に250㎏以上は間違いなくありそうだった。
「立派な角だよな~お店に持っていけばいくらで買い取ってくれるんだろう?」
「はいはい・・・。分かりました。私の負けです。角だけじゃなくてお肉は全部買い取って貰わないと・・・。」
「高く買い取ってくれると良いな~。俺!メロに迷惑ばっかり、かけてるから少しでもこの家が家計の足しになると嬉しいな!」
メロは思った。
(何言っているの?ソロが来てから一人暮らしだった時の収入の20倍以上は稼いでもらってるよ!)と
「ソロ君・・・。ちょっと質問があるんだけど・・・。」
「な~に~メロ♪何でも質問して!」
「このビッグハートって獣じゃなくって魔獣って知ってた?」
「おぉ~そうだったんだ~なるほど・・・だから、こいつ意外と強かったんだな~倒すのに今でも2発も殴らないと倒せないもんな~、なるほど~納得、納得!」
「拳で二発って・・・。この魔獣一応人族の規定でCランクに位置する程強いんだよ?このビッグハートだったら・・・下手したらBランクになるかも・・・。」
「へぇ~そうなんだ~ まぁ~これ位の敵ならどうってことないけどね!」
「う~ん・・・。後で、シッカリと計測してもらおうね・・・。」
タラ~っと汗を垂らしながら何故かメロの目が虚ろな気がした。
「おぉ~中央に行けるんだから楽しみで仕方がないよ!じゃ~此奴をさっさと解体しちゃうから!食事の用意はお願いね♪」
「クスクスクス♪ 了~解!」
そう言うとメロが家の中に戻っていった。
「さっさと終わらせて飯だ!飯!」
「終わったよ~♪」
「早っ!まだ5分位しか経ってないんだけど・・・。ソロ君・・・解体の速度が、神がかって来たね・・・。また、唯の包丁で捌いたの?」
「当然だろ!別にあんな仰々しい包丁を使わなくても捌けるんだから!あ!そうだ、家の外にあるいつもの冷凍室に角と一緒入れておいたから! 後は宜しくね!」
メロは思った。あれだけの大きさのビッグハートなら二人係で2時間はかかるだろうな~と
そして・・・
「ご馳走様でした~♪はぁ~お腹一杯だ~本当にメロのご飯は美味しいよな~メロに助けて貰えて本当にラッキーだったな~。明日も明後日もその後もず~っとメロのご飯が食べれるなんて幸せだな~♪」
「なっ! ず・ず~っとって・・・。一生って事?」
「あ!ゴメン(ションボリした顔をして)唯でさえ迷惑を掛けていたのに・・・迷惑だよね・・・。」
俺・・・調子に乗り過ぎた・・・反省。
「べ・べ・べ・べ・別に迷惑何て思ってる分けないじゃないの~本当だよ! ソロ君さえ良ければず~っといてくれても良いんだからね!」
そして、目を少し潤ませていたメロを見て嬉しさのあまり俺はメロに抱き着いた。
(コンコン!お邪魔するよ~ ・・・・・・・返事がない・・・・・しつ・・・。)
「ありがとう~メロ!そんな優しいメロが大好きだよ!」
ギューと力強く抱きしめられるとメロの口から艶っぽい声が出てしまった。
「ソロ君は、また抱き着いて来るし~ハァアン♪(ちょっと幸せかも)」
そして、またしてもナイスタイミングでメロの家に入ってきてしまったマロンであった。
「しつ・・・・失礼しました!バタン!」
またしても豪快な音を立てながら扉を閉めて出て行った。
「だ・だから~違うんだってば~!!!!」
もう何度、同じ様な事を繰り返したのだろうか・・・
「ハハハ♪分かっているとも!僕はメロの友達なんだから!応援しいているぞ!」
「はぁ~疲れたよ~もう~。これもソロ君が抱き着くからいけないんだからね!」
そう言われた瞬間またしても、ソロの顔が曇り始めた。
「ゴ・ゴメンね・・・。嬉しくて・・・つい・・・。嫌だったよね・・・。もう抱き着かない様に努力するから・・・。」
「い・嫌って訳じゃないんだけどね。別に平気なんだけど~偶にならかまわないって言うか~、タイミングが大事って言うのか~もう~」
しどろもどろになりながらも抱き着いた時に尻尾がブンブン振れていたのはマロンに見られていた。
「メロは素直じゃないな~本当は嬉しい癖に!」
「べ・別に嬉しいとか嬉しくないとかは、関係ないから!もう~こんな話をしいてる場合じゃないの!もう~さっさと中央へ行こうよ~~。」
ソロは、顔を真っ赤にしてテレまくっているメロを見ていると自分が幸せな気持ちになっているのが分かってニコニコしていた。
「ソロ君!テンペストまで10㎞位だけど走っていく?歩いていく?どっちが良い?」
メロがさっきからチラチラとソロを見ては顔を背ける事30回目。
魔道具で獣人になってるソロ君って・・・。ちょっとカッコイイかも・・・。
「メロとマロンが、問題ないなら走って行きたいかな。」
「ほほう!ソロも言うじゃないか!僕はこれでも、15歳以下の獣人族の中では最速なんだぞ!メロだって同じ豹族だから他の獣族達に比べれば、足はかなり速いんだからな!」
「そうなの?メロとマロンって豹族だったんだ~ネコかと思ってた・・・。」
「えぇ~こんなに立派な耳と尻尾を持っている猫族何ていないよ~長距離や山の中じゃソロに勝てないかも知れないけど、平地なら結構早いんだからね!」
「良いね、良いね~僕!ちょっと楽しみになって来た!中央の2㎞位手前に大きい風車が立ってるからそこまで競争しようよ!」
「べ・別に私はかまわないけど・・・。ソロ君は・・・・・。」
「OK!じゃ~負けた人は、勝った人のお願いを一つ叶えるって事で!」
ソロの方を見ると目がキラキラしていた。勝負事と言われて俄然やる気になっている様だった。
「良いね~僕は、その条件に乗った!」
マロンは目をキラキラさせてニヤッと笑った。
「はいはい・・・分かりました!・・・。走って行きますか!じゃ本気で行くよ!」
「当然!」
そう言うと二人が獰猛な獣の様な目付きに変わっていた。
二人の髪の毛が少し逆立ち、筋肉が盛り上がっている様な気がする。
「それじゃ~レディーゴー♪」
ビューンと砂煙を上げて、凄まじい速度で走り去って行ってしまった。
あまりの迫力にあっけにとられる事・・・20秒後
「速っ!さすが、言うだけの事はあるな~やるな!二人とも!じゃ~俺も向かうとしますか!」
低く身構え、ドン!と言う爆発音が聞こえた瞬間ソロの姿が見えなくなった。
「へへ~随分と引き離してやったぞ!」
「う~ん、マロンはやっぱり早いね~♪」
「そう言うメロだって随分と早くなったよ!」
「でも、手は抜かないでよね!」
「当然だろ!じゃ~そろそろギアをトップに挙げるとしますか!」
「了解!こっちもトップギアで行くよ!」
そう言うと、二人がさらに加速していった。双方共に必死の形相である。
その時!後方から何かが迫って来るプレッシャーに二人同時に後ろを振り返った。
「「なに?この気配は・・・ソロ(君)なの?」」
二人はさすが豹族と言われるだけあって時速にして80㎞以上の速度はゆうに出ている様に思えたが、そんな二人にいとも簡単にソロは追いついたのであった。
「よう!二人ともさすがに早いな~ビックリしたよ!じゃ~ね~♪」
爽やかな笑顔を浮かべて、二人に語り掛けた。
「「速っ!!本当に人族なの~?おかしいでしょうがぁ~~~~~」」
二人が何かを話しかけてきたが、そのままその声を置き去りにギアをもう一つ上げて走り去っていったのだった。
「平地で走るの初めてだったからちょっとビックリした!俺って、想像していた以上に速いな。どうしようかな~全力で走るなら後2段位速度が上がりそうなんだけど・・・。」
そんな事を考えていたら風車が見えて来た。
「あぁ~残念!マロンが言っていた風車ってあれで間違いなさそうだな・・・。全力出すのは、まぁ~良いか!」
そして、ソロが到着してから数十秒後・・・。
「ゼェ~ゼェ~ハァ~ハァ~ハァ~・・・・・ソロ・・・早すぎ。」
数秒遅れて・・・
「ゼェ~ハァ~ゼェ~ハァ~ハァ~ハァハァ・・・二人とも早すぎって言うかソロ君は早すぎるよ!」
「そうかな~これでも全速力を出す前に着いちゃったからな~でも、自分でも結構早いかなって思った!
でも! グフフフフ♪ 俺の勝ちだな! 二人には何をお願いしようかな~
(な~んてね!もう決まっております!ケモ耳モフモフをダブルで堪能するのだ!)」
「・・・・・。仕方がない。勝負は勝負だからな!僕に出来る事なら何でも良いよ!」
「はぁ~。分かったわよ!ルールだからね♪ じゃ~決まったら後で教えてね? さてと、早速!」
「ソロ君の能力を」
「キッチリ」
「「測定してもらいましょうか!」」
何故かメロとマロンが同時に頷きあうと、二人がガッチリと握手してそう口を開いた。
「さてと~ここが、獣人族の登竜門でもある【修練の門】と呼ばれている場所だよ!
ここでは、獣人の強さを図る様々な魔道具があって、その能力にあった所属に就く事が出来るんだよ
所属って言うのはね~」
メロとマロンが言うには・・・。
獣人族は純粋な戦闘力が評価される種族で、単純だが、力や速度、耐久力や持久力、攻撃力や防御力と言った肉体だけの能力を高く評価しているとの事だった。
能力が高い者には、そのランクに応じて騎士職や戦士、武術士や剣士と言ったエリート職に抜擢されるらしい。
さらに一握りの獣人だけに与えられる五大聖獣士と言われる超エリートには、栄光と名誉、富と名声が与えられる。年に一回開かれるバトルオリンピアと呼ばれる祭典で、優勝したものは、時代の王の片腕となって全てのエリートと民を従えるとの事だった。
優勝したものは、王との勝負を許され、互いの実力を確かめ合うのだとか・・・。
しかし、民が不満を持った時などだけ、このバトルオリンピアに初戦から王自身も参戦する事があるらしい。
そして万が一王が、負ける様な事があれば、王座陥落であり同時に新たな時代の王の誕生を意味する。
昨年のバトルオリンピアで時代の王が敗北してしまい新しく王に付いたのが、現国王である最強の五大聖獣士であった【ソンメル・ヴィットーリア】と言う名の獅子族であるとの事だった。
「へぇ~獣人族って意外と複雑なんだな~」
話をしながら建物の中に入っていくと巾10m高さが7~8mはあろうかという通路が20~30m続いていた。
通路を抜けると50m四方はある石畳の広場に出た。天井の高さは30~40mはあるだろうか。
周りをグルッと見渡すと様々な能力が計測できる装置(魔道具)が置いてある。
「さてと~ソロ君!先ずは受付をすませちゃおう!マロンお願いできる?」
「当然!さぁソロこっちだ!付いてきてくれ」
マロンの誘導で広間から繋がる部屋に入ると何人かの獣人族の職員らしき人達が働いていた。
「じゃ~こちらの水晶に手を当てて下さい。」
職員に人に言われた通りに水晶に手を翳した。
「はい、結構です。」
事務的に作業が進んでいくが何をしているか全くわからなかった。(何をやっているのか教えてくれても良いのに。)そんな事を考えていたらマロンが教えてくれた。
「この装置は、獣人族のランキングカードって言って、その人の生命力を探知して偽装工作が出来ない様に作るもので、この後に計測する能力値を記録して正しいランクを評価する為のものなんだよ。」
「へぇ~便利なものがあるんだな~」
「お待たせ致しました。では、最後に此方の魔道具に向かってお名前をお願いします。」
「ここに向かって言えば良いんだな! 俺の名前は【ソロ】だ!」
魔道具が光り輝くと数秒でその光が消えて行った。
「魔道具が光を放った・・・。そんな馬鹿な!この様な現象は、獣王【ソンメル・ヴィットーリア】様と最強の五大聖獣士のティーグル様以来じゃないのか?」
何か分からんが、職員のカバと兎と犬の獣人が慌てふためいていた。
カードを発行してもらってからマロンと一緒に広間に戻ったら5人の男達にメロが絡まれていた。
「お~コレは、これは、お久しぶりですメロ様!ガ~ハッハ~♪間違えた、今はただの民草だったっけ!」
「この頃見かけないと思ったら、今日はこんなところまで、何しに来たんッスか?」
「この際、俺様と仲良くしておいた方が良いぞ!何なら俺の妾にしてやっても良いんだがな!」
「ヒャッハー何か言ったらどうなんだよ!俺たちとじゃ話が出来ないってか~」
「いつまでもお高く気取ってるんだ?はぁ~?まさか、今年も出場するつもりじゃないだろうな? 力のないお前なんぞ、その辺の石ころと変わらないんだからな!」
そんな会話が聞き取れた瞬間ソロの頭からプッツンと音が鳴った。
「ちょ・ちょっと!落ち着けソロ!」
マロンがソロの腕を掴んで引っ張るが、なにもされていないかの如く、普通に歩るかれてしまった。
「何て言う力だ・・・。ソロ!とにかく落ち着けってば~・・・う~ん、僕の力じゃダメだ~ビクともしないや・・・。」
マロンが全力でソロに抱き着き両足を地面に固定して止めようとしたが、マロンの足跡が引きずられるだけで、全く止める事が出来なかった。
「お待たせ~メロ♪ こんな病原菌や黴菌の近くにいると病気がうつるから離れようね~♪メロの可愛い目が、こんな汚いものを見たら汚れちゃうよ♪」
爽やかな笑顔をで、そう言うと両手でメロの事を優しく抱きしめて相手から見えない様にした。
「ヒャッハー!何だテメーは!俺らが話している最中だろうが!ぶっ飛ばされたいのか?」
「はぁ?こう言う勘違い君が、まだいたのか?本当に馬鹿はどこにでも湧いて出てきやがる」
「おい!クソガキ!調子来いてんじゃねーぞ!そこをどけ!」
「ぼっちゃん!悪い事は言わね~っスからそこをどいちゃ~くれないっスか?」
「ガ~ハッハ~♪俺らに逆らうとは、頭が悪いの~」
「はぁ~お前ら人間だったのか? だったら人間の言葉をしゃべれよ!ブヒブヒ泣かれても何言っているのか全く分からん!家畜かと思ったよ。 それにしても・・・・・・・何で清くて、凛々しくて、強い獣人にお前らの様な家畜獣人が混ざってんだ? 臭いから近寄んないでくれるかなメロに匂いが付くだろうが!・・・・・・って・・・ウワッ!本当にくせ~・・・・・・。 メロ!こいつ等の臭いにおいが、こびり付いちゃうからメロあっちに行こう♪」
メロは両手を胸に添えて俺のそんなやり取りをオドオドしながら見守っていた。
「「「「「何だと~!なめてんじゃねーぞ!このチビカスが!」」」」」
青筋を頭にピクピクさせて獰猛な目つきになっていた。
「あちゃ~人間の言葉が通じるんだね~だったら・・・・・勘弁してくださいよ~♪ どうせ手を出したら俺が悪者になっちゃうんだろ?それに俺ってば弱い者苛めが嫌いなんだよね♪」
俺は、ヘラヘラ笑いながら馬鹿どもをカラかって、そう言い放つと・・・・・。
「安心しな!俺たちは自他ともに認めるエリートだからな!万が一にもお前程度に傷を付けられる事は無いし!お前も獣人族なら知っているだろうが!獣人族は・・・・・強いものが正しい!」
「へぇ~強いものが正しいねぇ~それ良いね!じゃ~俺がお前たちを苛めても大丈夫って事か?ワハハハ♪」
「「「「「上等だ!テメー自分で言った意味を後悔しな!」」」」」
ギラついた殺気に満ちた目を俺に向けている。はぁ~こういう馬鹿は、本当にどこにでもいるもんなんだな・・・。
「こんなガキ相手に全員でかかる必要はないな。」
「こんなチビガキ相手に5人でって、恥ずかしいっスね!誰がやります?」
「はぁ?当然だろ!こんなカス俺一人で十分だ!」
そう言うと右目に傷のあるサイの獣人が襲い掛かって来た。
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