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第25話 第一章【少年編】15 神級魔法と消滅



「よし!今度は、どんな魔物だ~?ゴブリン?ソルジャーにジェネラルとロードも?数が多いな・・・。100匹以上はいるな・・・だったら今度も、連射型の土魔法だ!大きさは50cm程度にして・・・よし!メガストーンバレット(×200)~」

ガトリング砲のような音を立てながら次々と魔物の身体に穴を空けていく・・・これは~グロいな・・・。

接近戦では使いたくない。



「それにしてもウジャウジャと沸いてくるな~ ま!魔物が多い事は分かり切っていたんだから・・・逆にちょうど良い位だな! で、今度は・・・前方だけじゃなくて3方向からか!」

さすがに、魔物の数が増えてきたので、魔物の情報はシリウスに教えて貰うように頼んでおいた。

前方からオークロード、オークジェネラル、ハイオークの軍勢・・・・・総数200体

左からレオポルド、氷虎、炎虎、の軍勢・・・・・総数90体

右からライオネス、氷獅子、炎獅子、の軍勢・・・・・総数80体



「ゴクリ・・・よし!この無人島ならば・・・遠慮はいらないな!試してやるぞ極滅級の魔法を!」

前方のオークどもには、ジゴメギドで、範囲400m魔力4000

左の虎どもには、ジゴフレアで、範囲200m魔力2000

右の獅子には、アブソリュートゼロを範囲200m魔力2000

俺を中心とした3方向に凶悪な魔力の渦が吹き荒れた。オートヴィジョンに見える魔物が300m位迄近づいた瞬間!俺は魔法を一斉に発動した。



「地獄の炎よ舞い狂え・・・ジゴメギド~!」

「大地に潜む邪悪な炎よ湧き出でろ!・・・ジゴフレア!」

「生命の時まで凍てつかせ!・・・アブソリュートゼロ!」

3種類の極滅魔法の3方向同時攻撃だ・・・。属性の違う三つの魔法は距離が離れているにも拘わらず、互いに干渉し、その威力を強めているようだった。



先程までも息を呑むほどの魔法の凄さに身震いしていたが・・・比べ物にならない破壊力!

瞬間温度数十万度を超え全てを燃やし尽くす白色の炎・・・ジゴメギド。

溶岩のように全てを飲み込むように溶かしつくす地獄の業火・・・ジゴフレア。

全てを氷像に変え、微かな風で粉々にする絶対零度の極寒・・・アブソリュートゼロ。

この自分で放った常識外の魔法に俺は・・・肩が震えた・・・。



「グッ・・・ブッ・・・・バ~ハッハハハハ~~(笑)・・・イヤッホ~♪ 凄っげ~威力!!!!!・・・これでこそ異世界!! これだよ!これ!・・・俺はこの世界を楽しむぞ~~。」

大満足だ!今までの魔法も十分に凄かったけど俺が夢に描いていた魔法とは、これだよ!これ!

しかも、シリウスが魔力の回復魔法を教えてくれていたので、戦闘の合間合間で使っているからか、俺の魔力量は、たいして減っていない。

もっと、もっと試したい!



「よ~し!次はアイツに!----水平に竜巻を発生して~極炎と~鋭利な真空破を混ぜた~複合魔法を喰らわしてみよう~(極滅炎竜破~っ)」

≪・・・・・・・・≫

うん・・・分かってるから何も言うなよ・・・・・俺にネーミングセンスは・・・・・ない!

しかし、ネーミングは兎も角として、俺が放った魔法は、凄まじい暴威に溢れ、粉みじんに切り裂かれ燃やし尽くす魔法だった。その威力は、幅20m長さ100m程にいた全てのデモンスライムと呼ばれる魔物を消滅させた・・・



「クックック♪良いぞ、良いぞ~♪」

≪マスター!今度は海面から魔物の反応があります。≫

やれやれ・・・本当に魔物が多いな・・・テンションが上がっちゃうじゃないか!



「ふむふむ・・・海竜ナーガに甲殻魔獣オクトってタコの群れか~♪へぇ~この魔物は、陸にも上がって来るのか・・・・・じゃ~殲滅するか!」

水魔法と風魔法を海に向けて放つと眼前の海に渦が出来始めた。やがて上空にも竜巻が発生し海獣と呼ばれる海の魔物達が上空に吹き飛ばされた。



「フッフッフッフッフ~♪今度は最大の風魔法だ!魔力2000注入~空間断裂斬(エアリアルソニックブレード)~!」

魔法を唱えると上空に空気の層がクッキリと目に見え始め、直ぐに厚み2m幅100mの空気の刃に姿を変えていく。俺が指を魔物に向けてクンっと曲げると凄まじい速度で魔物に向かっていき全てを空間ごと切り裂いた。

・・・いとも簡単に倒していく光景を見て俺の鼻息は、どんどん荒くなった。

「グフフフ~~バ~ハッハハ~~(笑)俺!・・・マジ!最強!!!」

俺・・・どや顔♪



その後も次から次へと魔物が襲い掛かってきたが、魔法に慣れてきたお陰で、全てを容易く葬る事が出来た。

そして、俺の眼前には人類の何倍もの大きさの魔物や巨大な角や牙が生えている魔獣が何体も絶滅している

当たり前だった・・・この魔法レベルの高い世界においても驚愕に値する魔法である極滅級と呼ばれる魔法。

さらには、シリウスは分かっていたが、シンが使ったいくつかの魔法は神級の魔法まで含まれていたのだから

一度に魔力を1000以上も込める時点で、異常な事であったが、シンは知る由もない。

シリウスにとってはシンなら当たり前だと思っているのだから質が悪い。



本来の一属性の極大呪文であっても一度に600マナもの膨大な魔力を消費すれば、その威力は凄まじい。

レベル150以上のマスタークラスの賢者が、一度に放てる広範囲の最強の極大魔法でも消費魔力は1200程度である。

一度の消費魔力が2000ともなればレベル200を超える英雄と呼ばれるクラスで、消費魔力が4000に至ってはレベル300を超えるレジェンドクラスしか使えない。



その威力は、もはや数匹程度の魔物に使用する魔法ではないが、莫大な魔力量を誇るシンは、襲い来る魔物に向け次々と常識外れの魔法で殲滅していくのだった・・・。





それから10分後・・・・

「どうしてこ~なった!???」


俺は、冷や汗を掻きながら呟き、目に映る光景に言葉を失ってしまった。

あまりの光景に俺の頭はキャバオーバーだった・・・だって・・・



目の前には、この時の俺が知るはずもないが、Xランクを含む魔物を含め数え切れない程の魔物が大地だけでなく海にも空にも押し寄せていた。

「ヤ・ヤバい!!こ・これが・・・スタンピードってやつか?」

(何で俺が練習をしている時に・・・こ・こんな現象が起こるなんて・・・ついてない・・・)



シンによってアドバイスを封じられているシリウスには、分かっていたのだが、これは自然発生したスタンピードであるはずがなかった。・・・スタンピードはあっているが、この現象は、シンが発する異常な魔力の放出によってこの海域に住む半径100㎞全ての魔物がパニックを起こした結果であった。

こんな状況下に至ってもシリウスは、何の助言もしない。

何故なら、シリウスのマスターであるシンであれば、このような状況下においても何の問題もなく全ての魔物を殲滅する事が可能である事を知っていたからであった。



「俺の魔力値が後どれ位、持つか分らんが・・・」

地上にいては全方位を囲まれる可能性があったので、飛翔魔法で浮かび上がり、迫りくる数えきれない魔物に向け極大魔法を放ってステータスウィンドウを開き魔力残量を確認した。



「何かあまり魔力が減ってない気がする・・・?おかしいな・・・?いくら魔素(マナ)吸収(ピル)魔素(マナ)自動(リカ)回復(バリー)を使っていたからと言ってもあれだけ極大魔法を連発したんだからそれなりに魔力を消耗していると思ったんだけど?」

そんな事を考えた瞬間!!頭上より迫りくる巨大な影が視界の端に映し出された・・・上空から飛竜が襲ってきた。



「ギャォ~~」

凄まじい速度で向かってきた。

「(うぉ~避けろ~オレ!)危ね~ちょっと油断してた・・・。」

俺はドラゴンの攻撃が当たる寸前で身をよじってギリギリ回避した。



「おっかね~顔! 分かっていたけど・・・ドラゴンってやっぱりいるんだな・・・」

この島に来てからずっと身体強化魔法を10倍にまで上げていた事で回避する事が出来た。

「まずい・・・魔物がさっきより増えてきた感じがする。まずいぞ・・・本当にヤバい・・・どうにかしなきゃ・・・」

先程までは、逃げようと考えていたが、思い留まった。



「よし!腹を決めよう!」

いくらスタンピードって言っても、この魔物達は俺を目掛けて攻撃を仕掛けている。

もしかしたらこの現象は・・・・・俺が起こしてしまったのかも知れない!!

だったら!俺が責任を取らなければ!



「え~っと殺気まで・・・じゃなく・・・さっき迄 何考えていたんだっけ・・・?」

こんな時でもお約束は忘れない。

≪・・・・・・・・・・・・・≫

「そ~だ!オレの全魔力値だ!え~いこの際考えても仕方がない! 減ってないなら結果オーライだ!」

実際には、この時点でのシンの総魔力値は軽く65万を突破していた。



当然シリウスは知っていたが、この時の俺の魔力の自然回復速度は、1秒間に30。だから1分間に1800だった。1時間では、何と10800もの魔力が回復されていたのだからチートも良いとこだ。



「それにしても・・・魔物が襲い掛かってくる間隔が短くて考えている余裕がない。」

少しでも、時間を稼ぐために、さらに魔力を込めた魔法を放つ!

数百匹単位を魔法で殲滅するも・・・

「ヤバい・・・全く魔物が減ってる気がしない・・・やばい!」

冷や汗をかきながら後ずさりする。



「考えろオレ!!もっと広範囲でとんでもない魔法を考えるんだっ!!」

今までの人生でもあまり漫画なんか読まなかったのが、俺のミス・・・ボキャブラが足らん!

「よしっ・・・俺の残りの魔力量は良く分らんが、感覚で何となく総量が分かってきた!!」

先程まで使っていた合成魔法を少し前にキーワードにした事で、少しだが考える時間が出来た。

なので、今も、極滅級の魔法を放ちながらなので、俺の眼前は凄まじい魔法の光景が広がっている。



太陽光が遮られる程の空の魔物の軍勢と地上にはどこにそんな数が潜んでいたのか・・・地肌が見えない程の魔物の軍勢が見える。

「これだけの広範囲ならば、今まで使った極滅級魔法の組み合わせにオレの全魔力を注ぎ込んで・・・これならばヤレる気がする!」

・・・俺は左右の掌だけではなく全ての指先別々の魔法を発動させていく


俺が・・・思いついく限りの・・・俺の・・・全魔力を込めて・・・最大最高の魔法を放ってやる!!

「いくぞ~先ずは、俺を中心とした半径3kmに物理攻撃と魔法攻撃の無効化絶対防御結界発動!」

シャボン玉の様な虹色に光る透明な半円が周囲に広がっていく。それと同時に白く輝くヴェールも同じ様に展開されていった。



「よし!この結果内の全域に絶対零度の魔法アブソリュートゼロ!!」

「そして同時に・・大地から出来る限り硬い金属を魔法探知と陸地全てを泥に変える大地(マッドク)変換(リエイト)魔法発動!!」

「さらに・・・埋まっている鉱物を重力(グラビ)魔法(ディー)で地上に浮き上がらせる!!」

「同時に!成層圏に届くほどの積乱雲を風魔法で発生!・・・巨大トルネード発動!!」

(グッ・・・ガクンと魔力が減った感覚が・・・)



「トルネードの中に先ほどの堅い金属(メタル)(バレット)と巨氷を重力魔法で浮かべ衝突させる!・・・巨大雷雲の生成!これにジゴサンダー! 黒雷風裂破(ギガジオン)!ライトニングプラズマ!」

(ヤバい!間違いなく魔力がどんどん減っている。)

「さ・さらに!同空間内を魔力の半分を注ぎ込み超熱量の空間魔法を生成!ジゴフレア!ジゴメギド!テラファイアを並列発動!」

(ヤバい!眩暈が・・・クラクラする・・・魔力が・・・底を付きそうな感覚がある。)


ブッ・・鼻血が出た。

「さ・最後だ!

言語化する事が出来ない異常な光景が主人公の眼前にある。


「これで最後だ~超重力(グラビディ)圧死(コア)魔法(プラス)~~!!!」

眩暈を覚える体に鞭打って最後に唱えるは、全ての重さが数百倍になる超重力による力場であった。

明らかに空間が歪んでいる。

この全ての魔法に要した時間・・・僅か10秒ほど・・・異常であった・・・シリウスが声を掛けそびれるほどに・・・



そして・・・・・・・・凄まじい禍々しい閃光と共に破壊の・・・否・・・地獄の様相が顕現した・・・

ある魔物は凍り付き、砕け、穿たれ、裂かれ、固まり、穿たれ、感電し、焼き焦げ、熔け、燃え尽き、消し炭になりながら摺り潰された・・・

大地は熔け、海は沸騰し、空は燃え、闇が広がり至る所で放電と凶悪な風が吹き荒れている。

そして、反する属性がぶつかり合い、超重力の影響か段々と中心に向かって萎み始めていく・・・。



意識を失いそうになりながらも、その違和感のある光景を見た俺は、全身に汗が吹き出してきた。

「ハァハァ・・・何か・・・遣り過ぎたかも・・・グフッ・・・い・嫌な予感しかしない・・・ヤバい・・・」



俺の中の何かが危険を告げる・・・最後に残っている魔力を絞り出す。

「ヤバイ!クッ! た・多重防御結界・・・発動!」

俺の周り数メートル位に12層に渡る魔法と物理魔法による結界が現れた!

≪・・・・・・・・・・・・≫

誰かの声が聞こえる気がするが、今はそれどころではない。



先程から物凄い眩暈が襲い意識さえも失う寸前だったが、今使用した多重防御結界魔法で、とうとう俺の身体にも魔力切れの症状が現れた・・・。口から血が零れた。

「グプッ・・・・どうやら魔力が・・・尽きてしまったのか!・・・、」

高度200m位に浮かんでいた身体が、俺が気付かない程ユックリと徐々に降下を始めた。



この障壁程度では、危ない気がしていた俺は、最後の気力を振り絞る・・・・・

「グフッ!ま・まだだ・・・さらに・・・じ・自分の・・・能力を・・・ブハッ!身体強化を・・・さ・最大・ま・で・・・上げ・・・」

魔力が底を尽きてしまい空から落ちていく・・・気を失いながら・・・



この瞬間・・・・限界まで萎んだ神級の魔法が反転し想像を絶する魔力の暴走を起こす・・・周辺の海域事・・・・主人公が範囲指定した空間を超え30㎞以上の空間が言葉通り消し飛んだ・・・



想像を絶する凄まじい爆発で、シンは上空10数kmにまで吹き飛ばされる・・・

不思議とシンはこんな事を思っていた・・・・・(この吹き飛ばされる感じが懐かしい・・・何故か笑える・・・)



(この時、シンが範囲を半径3㎞に絞っていなかったらこの星の8分の1が滅びたことであろう。)

その余波は暴威を振るい半径数百㎞以上に渡り尋常ならざるな被害を与えた・・・



幸いな事は、甚大な被害を出した範囲にある全ての島が、無人島であったことである。

ただし、人的被害がないものの半径千㎞に渡る魔力障害と・・・数千kmに及ぶ爆風と津波による被害・・・それと大なり小なりの魔力干渉を起こすことになった・・・



シリウスは、誰よりもシンの事を認めていた。シンであれば当たり前の事だと・・・何十億年もの膨大な知識の塊であった彼女であってもシンだけは、彼女の予測を超えていく。

この時のシンは知る由もない事だったが、この時の魔法の威力は神級ランクの魔法を超え、今は失われた創世級(ジェネシス)に匹敵するものであった。



理を否定した強大な力で神々をして恐れさせるほどの古の魔法。

あまりの強大さ故に神々によって封印された・・・今は存在しないはずの魔法。

そして・・・その凶悪な威力により地殻にまで影響を及ぼした事で、地殻変動が起きてしまう。

海底のさらに奥深くに眠る魔力の届く事がなかった失われたはずの大陸にも膨大な魔力の渦が干渉してしまい・・・永い眠りより目覚める事になってしまった・・・。



地殻変動により時間をかけ、ゆっくりとゆっくりと浮上しながら・・・誰にも知られず・・・ゆっくりとゆっくりと時間をかけながら目覚めていく・・・。

本来ならば人類が、否。地上に生きとし生けるものが、決して目に触れるはずがなかった・・・大陸。

そして、そこに住む何かが・・・



そんな事など露知れず・・・失われた意識ではなく・・・無意識の中、シンは思った・・・

「まだ・・始まったばかりの冒険が・・・ここで終わってしまうのか・・・・・・ゴメン・・・シリ・・・ウ・・・・・ス・・・」



--------そして、この世に生まれたばかりの頃を思い出していた・・・




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