第23話 第一章【少年編】12 転移魔法と分身体魔法
飛翔魔法の練習以降、数日経つが、俺は今まで以上に魔法の魅力に取りつかれていた。
もっともっと凄い魔法を試したい衝動が抑えられなくなっていた。
「う~ん、これ以上強力な魔法だと周りにバレちゃうな・・・今でもとんでもない事になっているんだし・・・よしっ!! 人がいない場所を探そう!」
≪それであれば、無人島が最適だと推奨いたします!≫
「おぉぉぉぉ~♪ なるほど~!それもそうだな!でも無人島ってどこら辺にあるんだろ?できれば数千kmは離れた場所で5㎞以上の大きさの無人島が良いよな~」
≪探知魔法で調べた方が早いかもしれませんね!≫
「そうだな・・・。でも、そんな遠い距離まで調べられるのか?」
≪マスターのレベルも上がった為、現在は半径6千kmまでの探査魔法が可能となっております!≫
「6千㎞~!? そ・そうなのか? それはまた・・・凄まじいな・・・。そうと決まれば早速、探知魔法発動!」
≪では、流石に膨大な量の生物が探知にかかりますので、私の方で、確認いたします。≫
「あぁ、頼んだぞシリウス!」
≪探知終了しました。≫
「早っ!相変わらず出鱈目な速度だな!」
≪お褒め頂き有難うございます。では、早速ですが、マスターの希望に沿う形で探しました。
周囲1000㎞に人間の反応がなく、且つ強い魔物や魔獣がいる5㎞以上の大きさの無人島となりますと該当する場所が1ヵ所だけございます。≫
「やった~!どこだ、どこにある無人島なんだ?」
≪はい。この場所から東北東に向かって5700㎞程の場所にあります。≫
「じゃ~そこまで飛んでいけば良いって事だな!」
≪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・≫
「どうした?何か言いたい事があるなる言ってみろ!」
≪あ!いえ・・・探知魔法で調べた訳ではないので、確定ではありませんが、無人島が見つかったとしても近隣諸国の上空を通るルートだった場合は、何かしらの問題が発生してしまう事を懸念しておりました。≫
「フム!シリウスの言いたい事は分かった!確かに俺が浮かれていた。ただでさえ何度も俺のせいで村や町に迷惑を掛けてるんだからな・・・飛翔魔法は厳しいかな。それに魔法が存在する世界では、何が起こるか分らんからな~・・・だったら転移魔法が使える様になれば良いんじゃないのか! うん!今、何気なく言ったけど、転送魔法か~♪ これまたロマン溢れる魔法だな!」
≪マスター、誠に申し訳ございません。転送魔法は、かなり複雑で、まだ準備で来ておりません。今暫くお時間を頂けないでしょうか?≫
「へぇ~・・・シリウスでも難しい魔法なのか・・・・・よし!いつもシリウスにばかり大変な思いをさせているからな!この転送魔法は俺が創り出してやる!・・・グフフフ!やってやるぞ~♪」
・・・・・・そえれから・・・・・
「え~っと こ~でもないし・・・あ~でもないし・・・」
何やら試行錯誤して頭を捻っていたが、突然何か閃いたのか、右手をグーにしながら左の掌をポンと叩いた。
「そーだ!!このやり方なら~先ずは時空魔法でこ~して・・・さらに!!空間魔法をこ~して・・・転移っ!!」
一瞬にしてその場から姿が消えた・・・
「う~ん・・・ここどこだぁ~」
先程の場所の真上にあった木の天辺の枝に引っかかって逆さになっていた。
「・・・失敗だな・・・転移魔法の前に他の魔法も創らなきゃ・・・ってうわ~~」
俺を支えていた枝がバキッと折れて次から次へと葉っぱや木の枝を折りながら落ちていった・・・。
「痛てててて~って・・・あの上から落ちてよく助かったなぁ~」
上を見上げると至る所の木の枝が折れていて俺が落ちてきた跡が残っていた。
「これは危険だ・・・もっと・・・・・本気で考えよう!!」
命あっての異世界だ・・・もっと集中して・・・・
「先ずは!・・・転移先の安全面を考えよう!」
何気に上を見る先程引っかかていたであろう枝まで20m程はあろうか・・・
「探知魔法と飛翔魔法、後は~遠視魔法だけで大丈夫かな?・・・」
探知魔法は移動先に誰もいない場所の特定で、時空魔法を自分に使って通り抜けるイメージだが、通り抜けた先が地面ではなく空中が多かったので、飛翔魔法は必須!それと、瞬時に目視による状況判断をしたいので遠くをハッキリ見れる遠視魔法で安全面を強化しようと考えていた。
「後は・・・念には念を入れて! 転送時に身体強化魔法と防御魔法も発動するようにしておこう!!」
恐怖からか固く決心するのであった・・。
「ん!まてよ・・・そう言えば・・・次元魔法を使った収納魔法を上手く使った方が、上手く行きそうな気がするぞ・・・・。」
収納魔法の道具袋・・・今の俺の能力だと飛んでもない広さになっているらしい・・・。
「もし・・・収納魔法をかけた道具袋を2つ創って・・・・その2つ道具袋の中の空間自体を繋げる事が出来たとしたら・・・そこを通過する物体は、一瞬で、違う場所に行けるって事なんじゃないか?・・・何か・・・上手く行けそうなきがする・・・。さっそく、試してみるか!」
俺は、別の袋に収納魔法をかけた・・・。
「さて・・・この2つを繋げるには、どうしたら良いかな~」
ここで、閃いた!俺の収納魔法は範囲が広くなったとは言え、端が存在する・・・って事は!
2つの道具袋の端にさらに次元魔法で穴を開けて二つの穴をつなげる様なイメージで次元魔法を付け加えてみた。
「一つの道具袋を5m位離して置いて・・・・もう一つに・・・・これで!どうだ!」
ドキドキしながら片方の道具袋に手を入れ追加した【穴】に手を伸ばす。感覚を頼りにもう一つの出口側に向かうイメージで手を伸びし続けた。やがて、もう一つの道具袋から俺の手がニョキっと現れた!
「や・やった~!成功だ♪」
「よし! これなら! 魔法陣で空間を固定してそこに次元魔法を唱えれば・・・いける!」
俺は、人気のいない場所を感知した後、目の前と転移先に同じ魔法陣を発動させた!
「取り敢えず練習だと言っても近すぎては意味がないな・・・よし!人気のない山にしてみるか!」
そして、探知魔法の範囲を広げていくとやがて、いくつかの山が候補に上がっていった。
「こっちの山は~う~ん・・・。近くに生物反応ありか・・・。この魔法が絶対安全だと保障された訳じゃないから、出来れば誰も立ち入らない様な山がベストなんだけどな~」
さっきから何度も探しているが、万が一の事を考えて目的地とする山から半径30~40kmの範囲に人がいない事を条件としていた。
「ふぅ~じゃーこっちの山はどうかな・・・。おぉ!さっきの山の近くだけど・・・こっちの山は、良いんじゃないのか!魔物や魔獣の反応はあるけど・・・。人の気配は・・・・・問題なし!よし、ここに決めた!」
さらに集中して探知魔法で詳細を調べる。
「標高5463mか~それにしても、随分と鋭角な形の山だな・・・逆に頂上付近だと厳しそうだな・・・。どこか~良い場所がないかな・・・おぉ!このスペースなら良さそうだな!」
頂上より500m程下に丁度良い平らな地面があったので、そこを出口として決めた。
「ふ~う・・・い・いくぞ! ディメンション!・・・さらに・この先にもディメンション!」
目の前に現れた魔法時に異次元魔法を付与さらにその空間から出口に当たる魔法陣にも同じ魔法を唱えた!
「出口は・・・ここから・・・北東に約3500㎞先の山頂付近・・・・設置完了! 入口との次元間トンネル発動! よし成功だ! こ・これで、あっちと繋がったはず・・・じゃ~試してみるとするか・・・。(ゴクリッ!)」
内心チョットびびった・・・。
「ほぇ~・・・すげ~景色だ♪・・・ブルっと来た、寒いな。」
魔法陣を潜るとそこは岩棚に囲まれた洞窟の様な場所だった。壁の上に飛び乗ると見晴らしの良い景色が見えた。上を見上げるとこの山の山頂が見えた。
「やった・・・やった~♪成功だ・・・成功したぞ~♪ これは・・・ヤバい!嬉しくて泣きそう・・・。よし転送魔法完成の記念に、何か特別なものを置いて帰るとするか!」
ちょっと時間を掛けてしまったが俺は、転送魔法の記念をこの山に刻むと転送ゲートをもう一度潜った・・・。そして空間を跨いだら、間違いなく元いた場所だった・・・。
「フッフ!フッフフ!フッフフフ!」
笑いの3段活用・・・再び!
「取り敢えずこの魔法を転移ゲート(仮称)としておくか!」
これなら!もっと、遠くにも行けるはず!俺は、さらに遠くの場所を探り転移ゲートを発動させるが・・・
「あれ~4000㎞程しか転移出来ない・・・」
う~ん?もっと遠くに転移出来そうな気がするんだけど・・・
何か・・・見落としている様な・・・・・あ!
「閃いた! もし・・・この全方向に広がっている次元魔法を一方方向に範囲指定して延ばせれば・・・」
魔法の操作が物凄く難しかったが、魔力のコントロールに何とか成功した!
「ヨシ!!これで完璧なはず!!転移!!」
俺は、1万数千kmは離れている砂漠にいる・・・成功だ!・・・・・熱い!とっとと帰ろうっと!
・・・・・・・・・・・・・・家に向けて歩いている最中、俺はボソボソと呟いていた。
「座標固定するのに探知と感知魔法は必要だな!」
「次元魔法の中の時空魔法を両軸に固定すれば良いだけだから・・・・」
「万が一に備えて・・・飛翔魔法と身体強化も必要!!」
何をしていたかと言うと・・・準備に時間がかかるからどうやれば短い時間で転移魔法を唱えられるかを考えていた・・・・。
「どうにか時間を短縮できないかな~」
・・・・・・あと! 魔法をキーワードで発動させたいな!
「転異空間召喚!は今一つだし・・・・・!!!」
相変わらずネーミングセンスがないな・・・俺。
「そ~だ!この転移魔法を最初から創っておいて召喚すれば良いんじゃないか!?」
道具袋も常に発動し続けているのだから可能性がある!
試行錯誤しながら・・・・それから少しして・・・・・
「で・出来た・・・・・転移召喚門!!!」
今回は、出口を指定していないからどこに続いているかは分からなかったけど、転移の魔法陣は一瞬で空中に現れた!
「いよ~し!これで!俺の準備は整った!」
後は~・・・・。
「あの魔法・・・シリウスは完成したのかな?」
あの魔法とは・・・・・それは・・・少し前の事・・・・・・・・・・・。
◆◆◆◆◆
俺が、遠くに行って、誰にもバレずに極大魔法の練習をしたいと話した時だった。
シリウスが、
≪推奨できません! もし泊りになる様な事が、あればご両親に心配をかけることになります!≫
って言うもんだから。
「俺の分身体が出来たら良いのにな~」と呟いたら
≪お任せください!マスター!私の全てをかけてこの魔法を完成させてみせます!≫
と言ってくれた。
ただ、一つだけ問題があった。
さすがのシリウスでも相当に難易度が高い魔法らしく全力を注ぎ込まないと出来ないので、その間は、完全に俺の全ステータスと同化した後、シリウスの能力を全開放する必要があり、終わるまでの間は、俺との会話が出来なくなるとの事だった。
なので、この数日間は、俺は、俺だけの力で、転移の魔法を練習していたのだった。
◆◆◆◆◆
う~ん・・・妙に張り切っていたもんな~・・・期待しよう!
それから、2日過ぎた時シリウスが感極まった声で話しかけてきた。
≪ま・マスター~~♪ や・やりました~~~完成しました~~~≫
「マジか! でかした!シリウス! お前は最高だ! 俺の最高のパートナーだ!」
心を込めて褒めちぎってやった。
≪そ・その様な・・・お言葉を頂き・・・恐悦至極でございます!・・・・・・ ウェ~ン嬉しいよ~≫
シリウスさん・・・泣くなら・・・俺に、バレない様に泣こうね・・・(笑)
「で!どんな塩梅だ? 何か足りないものはなかったのか?」
≪はい! 最後の課題は、分身体の創世に必要となる魔力の量でした。≫
「?どういう事? 魔力がたりないの? それで、どうしたんだ?」
≪はい、短い時間の分身体であれば、問題なかったのですが、時間の制限をなくす為に必要な魔力が、膨大になってしまいました。≫
「膨大って・・・・どれ位の魔力量が必要だったんだ?」
≪はい。魔力量換算しますと約80万となりました。≫
「80万~~!!・・・・・メチャクチャな魔力量だな!」
≪はい。分身体であると同時に一人の個体として存在させる必要がありました。≫
「それは、本物の生物を創るってことか?」
≪その通りです! それが可能になれば、分身体も自分自身で、体力や魔力を回復出来る様になる為、莫大な魔力を必要としました。≫
「でも・・・そんな魔力どうするんだ?」
≪はい!念の為に、マスターの魔力を貯めて置けないかと考え、神々の創られたスコアボードを使って魔力を貯める事に成功しました。それで、今までマスターが眠られた後に限界まで魔力を、貯め続けておりました。≫
「ヘェッ? スコアボードに干渉出来たの?」
≪残留思念体である私は、ある意味、創世の生命とも言える存在ですので、幾度となく試した結果、スコアボードの干渉に成功いたしました。≫
「す・凄いな・・・・・神々しか操れないスコアボードをか~」
≪実際は、それでも足らなかったので、ここ数日間もマスターの魔力を貯めさせて頂いております。」
「そうだったんだ・・・じゃ~他には問題はないんだな!」
≪はい!分身体を元に戻せば、使用した魔力がマスターに戻る仕組みにしてありますので、今後は、分身体をいつでも創生出来る様になりました!≫
相変わらず優秀な秘書だな。
「元に戻すと魔力が戻って来るのは便利だな!」
≪はい!ですが、分身体が、何かしらで魔力を消費した分は、戻りません!≫
「それでも完璧じゃないか!」
俺は、物凄くワクワクしていた。
≪お褒めの言葉を頂き、このシリウス恐悦至極にございます。≫
本当にこいつはブレないな・・・偶に可愛くなる時があるけど・・・。
「では、俺の開発した転移魔法で、人気のないところに行って、分身魔法を試すとしよう!」
≪はい!それは良い案だと思います!≫
「じゃ~どこにするかな~近場で良いか~よし!あそこにしよう!」
「探知!感知魔法!距離10㎞問題なし! 座標固定!時空魔法を両軸に発動及び固定!」
「飛翔魔法発動!身体強化10倍! 準備よし! 転異空間召喚!」
「転移サモンズゲート発動!」
呪文を唱えると俺の目の前に3m程の黒い空間の中に魔法陣が浮かび上がった!
「成功!いくぞ!」
ゲートをくぐると・・・そこは・・・6歳の時にモフメロと出会った森だった。
≪さ・さすがです!!!マスター!!! こ・この様な、超々究極魔法を本当に開発して、成功させてしまわれるとは・・・・眼福です!≫
「サンキューな! まだ、ちょっと長ったらしいから転移先を先にマーキングしておけば魔法をキーワド化するだけで発動できるように出来るぞ!それじゃ~今度は、お前の番だな!」
≪かしこまりました!では!失礼いたします!≫
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
マスターのスキャンを開始いたします!
粒子レベルでのスキャン終了!
マスターの分身体に必要な物質を創造します!魔力による物質創生開始!
続いて分身体の創生魔法発動!・・・・・・・・・・・・・・・・・肉体の生成に成功しました!
現在までのマスターの思考を多重思考に変換!疑似人格の創世を開始!
同時に、マスターの精神と意識を増殖!並列存在の創生を開始!
・・・・・・・・・・・・・思考と精神意識の創生終了!
この2つを融合し・・・・エーテル体の生成に成功しました!
ここまでの、成功率・・・・99.99%!
エーテル体を分身体に融合します。・・・・・・・・融合完了!
私の半分を分身体へと転移します。・・・・・・・・譲渡完了!
最後にマスターの魔力を結晶化し私の思念体と結合します!
・・・・・・・・・・・・・・マスターの疑似魂であるアストラル体の生成に成功しました!
分身体と疑似魂を合体させます!・・・・・・・・・成功しました!
徐々に形となっていく・・・何かしらの光を帯びた球体が、生成されては混ざり合い・・・・俺は目を奪われた。そして、俺の前に俺がいた・・・・正直・・・ビックリした・・・・・。
「す・凄いな・・・こいつ・・・否・・・俺?・・・言い方が難しいな!・・・何にしても意識はあるのか?」
≪はい!マスター! マスターの命令で動き始めます! 名前はマスターがお決め下さい!≫
「そ・そうか・・・ゴクリッ・・・目を開け・・・・」
俺が、声をかけた瞬間・・・目の前の俺が目を開けた。
「喋れるか?」
「はい!問題ありません!ご要望であれば何なりとお申し付けください。」
当たり前なのか?物凄く話してて違和感がない・・・。本物だよ・・・これは・・・。
「何か・・・堅苦しいな・・・もう少し俺っぽく喋れるか?」
「あぁ~問題ないな!完全に俺だから!」
あまりの変わり身の早さにズッコケそうになった。
「何か・・・気持ちが悪いな・・・」
この気持ち悪さが分かって貰えると良いんだけど、何て言ったら伝わるか・・・。リアルな鏡!いやいや、そんなもんじゃないな。リアルな3D違う!もっともっと違和感がある。それ位そっくりなんだ。
「そう言うなよ・・・俺! 違和感があるなら髪の色でも変えようか?」
「そんな事も出来るのか?」
俺にはそんな事は出来ない事を考えるとやっぱり分身体なんだな~って再認識する事が出来た。
「あぁ~簡単だぞ!やって見せようか?」
「別にやらなくても良いんだけど・・・」
「やらなくても良いのか・・・俺!」
何か一人二役を演じているかのような違和感が半端ない。
「紛らわしいな・・・よし! お前の名前を決めるか!」
「かっこいい名前にしろよ! 俺!」
「え~い! 煩わしいな!さっき迄の話し方に戻せ!」
「了解しました!」
ブッホォ~ 変わり身の早さに思わず吹き出してしまった。ちょっと面白い。
「よし!では、俺が家を留守にする時は、当然【シン】を名乗れ!」
「畏まりました!」
「本当に大丈夫か?但し!別々に動いている限りはニアミスの可能性があるからその場合は!」
真剣な眼差しを俺に向けている分身体・・・・本当に鏡移した・・・・。
「別々に行動した時、俺の魔力を感じたら、誰にもバレない様に行動を起こす事!」
「了解しました!」
「万が一人前で出会った場合は、即座にその場から離れる事!その後に念話で俺に話しかけてこい!」
「畏まりました!わが主よ!」
「シンの名や、これから与える名前を使ったら不味い状況で行動していた場合に、俺の存在を認識した時は、バレない様に、髪の色を変え、お前が違う名前を考えろ!存在を誤魔化せ!」
≪畏まりました我が主!≫
「よし!では!我シンの名前において命名する!お前の名前は【ジン】とする!
そう言い放つと同時に魔法陣を通し魔力を注ぎ込んだ!
「はい!有難きき幸せ! 我はシン様の忠実な、僕にして【ジン】の名前を冠する者なり! 今後も、我が主の言葉を忠実に実行するものなり!」
「(う~ん・・・こいつも仰々しいな~まぁ~良いか!)良し!では、これからは頼むぞ!ジン!」
「畏まりました!我が主!」
「それにしても・・・・・分身体の弱点は、作るのに時間がかかり過ぎるって、とこかな!?」
≪いいえ!マスター! あくまでも魔法で生成しましたので、これからは一瞬で創生可能となりました。≫
「なるほど~それもそうか!・・・・・・さてと!シリウス、分身体は・・・コイツ・・・ジンはどうするんだ?」
≪マスターがジンに触れながら魔法解除すれば、マスターに魔力が、吸収され消滅いたします。≫
「そうなのか!じゃ~悪いけど!また今度会おう!分身魔法解除!」
そう唱えたら一瞬で、ジンは消え去っていた。
「次に分身体を創る時は何て魔法を唱えれば良いんだ?」
≪はい!今!魔法を発動した事で、イメージが固定されましたので、分身体を連想する言葉に魔力を乗せて唱えれば、どんな言葉でも創生する事が可能です!≫
「分身魔法の改善点があるかも知れないから後で打ち合わせしよう。」
≪畏まりました!≫
「それにしても、凄い魔法を開発したものだな!シリウス!お前本当に凄い奴だな!」
≪有難うございます!これからもマスターの為に尽力して参ります!≫
本当に心強い奴だ。
「よし今日は、終わりにして明日の朝、無人島に出発するぞ!」
≪了解いたしました。≫
この時の分身体魔法を用意していた事で、不思議な運命を辿る事になるとは、この時は知る由もなかった・・・
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