第12話 第一章【少年編】1 新たな幕開け~俺の小さな大冒険
「え~と・・・記憶によると・・・俺も魔法小学校に行くのか~フムフム・・・ん? へぇ~・・・父上に剣術と武術を教わってるんだ~」
「4歳の頃からってもう少しで2年位経つのか~・・・・・って事は、魔法は母上から教わっているのかな・・・」
はいっ!ちがいました~・・・6歳になって教会に行ってからだった・・・・・
「そうだった。忘れてたって?・・・あれ?」
≪どうされましたか?マスター≫
「4歳?5歳の頃かな?・・・・お前・・・森で迷ったの?」
≪それが、不思議な事ですが、お恥ずかしい限りです・・・私が迷うなんて・・・・≫
「へぇ~・・・キャンプに行ったんだ~・・・この女の子は~・・・アイリちゃんか~へぇ~幼馴染なのか~・・・この子、将来は美人になりそうだな!」
≪そうですね!彼女は将来美人になるでしょう!・・・≫
「あぁ~なるほど~。この子・・・アイリが迷子になって、皆が探し回っていた時にお前も探しに動いたのか~」
≪はい、この時は本当に焦りました。≫
「どじだな~・・・・ん? この・・・老人は? 何か教わってるのか? ほぇ~少しの間だけ・・・・・・・」
≪あ!そうなんです!このお方には色々と・・・・≫
「アイリが迷子になった時に偶然この人と出会って、それから少しの間だけど、色々な事を教えてくれた師匠見たいな~・・・否・・・師匠だ。」
≪はい!この世界の事を実技を交えて色々教えて下さいました。≫
「けど・・・? 記憶が・・・ボケてるっていうか、少し曖昧だな~」
≪それは・・・≫
「良いよ!それよりも・・って事は、魔法が使えるって事だろ?」
≪はい!この世界に存在する詠唱魔法と言われる魔法をいくつかご教授頂きました。≫
「おぉ~火の魔法!へぇ~これが、生活魔法って言うのか~」
蝋燭やライター位の魔法だけど
「おぉ~水も・・・氷も・・・風と雷も・・・他にも・・・・・・・シリウス! お前凄いじゃん!」
俺は素直に感動した!
なぜなら!この世界では6歳になって神々からの祝福を貰ってからじゃないと【各属性】付与されない上に、自分の大器がいつになるかによって、魔法が使えないからだった!
≪ありがとうございます!お褒めの言葉を頂き!感謝の念に堪えません!≫
相変わらず仰々しいヤツ・・・
≪師匠から教わった魔法は、この世界に存在する魔法で、マスター7であれば、さらに強大な魔法を創り出すことが可能です!≫
「そうなのか?じゃ~今後試してみたいな!」
そうシリウスに言いながら俺はステータスボードを開いてみた。
「それにしても・・・コレもボヤけて見えにくい箇所があるな~」
≪やはりそうですか。私にはハッキリと見えるのですが、どの道! 私と言う者がいるのですから、何も心配はございません!何かあればお申し付けください!≫
「それも・・・そうだな!」
ニカッと笑い俺は頷いた。
≪それと!マスター!この5年間で開放に成功したスキルがいくつかございます!≫
「おぉ~・・・まじか~!本当だ! 結構解放されたスキルやサブスキル迄あるじゃん!!」
でもやっぱり、ウィンドウ画面の部分部分にクスミがかかっていた・・・まぁシリウスがいるから良いか~♪
≪はい!マスターが眠りに疲れている間!褒めて頂ける様、頑張りました!≫
「でかした!シリウス! よし!早速!俺も魔法とスキルを使ってみたい!」
超テンションが上がってきた!興奮する!!!
その時、俺の扉が開いた・・・父上が立っていた。
「シン!いつまで寝てるんだ!って起きてるじゃないか・・・どうした?朝の剣術の練習を始める時間だぞ!いつまで寝惚けているんだ!サッサと降りてきなさい!」
ビルド登場!
えっ!?そうなの!っと言うより・・・忘れてた~・・・記憶では、そうだよな~毎朝6時から練習開始っと・・・
俺・・・・・テンションダダ下がり
数日後
魔法を試す時がやって来た!
「近くの川に遊びに行ってくるね~」
「危ない事はしないでね! 浅瀬で遊ぶんだよ~」
レイが囁いた。
「分かった~川で危ない事はしないよ~ いってきます~」
俺は誰にも見られることなく森に向かったのだった・・・・
俺は約束は守る方だ!川には行かんから森で危ない事をしてきます!
村から南に歩いて10kmくらいの場所に【狩場の森】と言われている山があった。
村から山に向かって草原が続いていて家から200m位の場所に小川が流れている。
この小川を上った先に俺の目的地があった。
「子供の足ではちょっと遠いな~ シリウス! 俺って身体強化呪文ってあるのか?」
記憶が融合してもそれはあくまでも、シリウスが操作していた俺自身の目を通して得た情報だけで、ステータスウィンドを開く必要のないシリウスは、当然開かないので、俺の記憶には残っていなかった。
あくまでもシリウスはシリウスで、俺自身の身体を通して得た経験だけが、記憶に足されている。
≪もちろん!ご用意しております! マスターの身体に負担が少ない発動条件ですと、現在の出力で5倍までの身体強化が可能です!≫
「おぉ~そんなにか~ よし!早速発動~!」
その瞬間!俺の全身に白い魔力が全身を隈なく包み込んだ
「へぇ~!俺の身体の数センチ離れたところに何とも言い難い空気の層がある感じだな!」
指で触ってみるが、触れる事が出来ない否、正確には何となくだけどフヨフヨしている感覚があった。それにしても・・・これで、俺は5倍の身体能力か~信じられないな・・・。
俺は、何度も、その場で軽くジャンプしてみた。
「おぉ~す・すげ~・・・軽く1m位はジャンプ出来るぞ!」
目の前に2m位の雑草が覆い茂っている。
俺は軽く助走してからジャンプしてみた。
「早ェ~!しかもジャンプ高っ! 面白い今度は、もう少し早く走って、飛ぶ!」
軽く走っただけだが思った以上に早かった。
俺の前世では考えられない高さと距離を飛び越えた・・・。
「本当に凄い!今!2m近くジャンプしたんじゃないか?距離も10m以上・・・は、飛んだな・・・」
身体が軽いのも影響したのか本当に飛んだ様な気分がした。
「フゥ~・・・」
俺は、改めて異世界である事を実感していた。
「よし!これで問題なし!・・・では、狩場の森に向かうぞ~」
周りを気にしながら俺は全力で走り出した!
「す・凄いな!景色が後ろに吹っ飛んで行く様だ・・・」
子供にはありえない速度で草木が通り過ぎて行った。
「軽く走ってるだけなのに・・・・時速40㎞位はありそうだな!」
前世だったら6歳でオリンピックの金メダルも確実だな!
どうやら地球の6歳児と比べたら身体を鍛える事が当たり前の新世界の子供の基礎能力は、意外と高い様だ・・・前世の身体能力に自信があったんだけど・・・6歳児に完敗だな。
「シリウス!この身体強化の魔法の持続可能な時間ってどれ位だ?」
≪この身体強化の魔法は、最初の倍増に20消費した後は、倍増するごとに1分間に魔力を10消費しますので、現在は1分間に魔力を50諸費している状態です。なので、今のマスターの最大魔力値から計算しますと凡5時間程度の連続使用が可能です。≫
「・・・・・・・ふ~ん・・・意外と長く持つんだな・・・」
(俺は内心では、そんなに持つのと思ってビックリしていたが何か恥ずかしくて強がってみた・・・。)
「使い続けて魔力が無くなったらどうなるんだ?」
俺は、何気に思いついたので質問してみた。
≪はい!マスター!そのご説明をさせて頂くには先ず、最大魔力量についてご説明させて頂きます。
最大魔力量とは、この世界に存在する魔素を肉体に留められる器の事で、この世界では、魔力コントロールや魔法の訓練を行い続ける事で最大値を増やす方法とレベルアップによる器の基本容量がアップする方法の2種類があります。≫
「うん、それは概ね理解しているぞ!俺が赤ちゃんの頃からやっていた事だな!」
≪仰る通りです!まぁ~マスターみたいに赤ちゃんから訓練を行うのは、普通ではありませんが・・・。
話がそれましたが、器の大きさによっても魔力切れによる症状が異なる事をお伝えしたかったのです。」
「具体的にはどんな感じに違いがあるんだ?」
≪はい、マスターに質問です!そもそも魔力が身体のどこに溜めてあると思いますか?≫
「うん?なるほど~そんな事考えたことも無かったな~魔力がどこにあるか・・・。心臓とか血液とかかな~これは難しい質問だ!教えてくれるか?」
≪マスターの答えも間違えてはおりませんが、この世界で言う魔力の器は生命【魂】に刻まれます、≫
「へぇ~そうなのか~生命【魂】に、なるほどね~」
≪その為、マスターは例外として、この世界の理により身体の成長が幼い内は、レベルアップもありませんし、魔法も使えない為、大幅な魔力量がアップする事は、子供にはありえません。
逆を返せば子供の内に魔力切れが起こることなど滅多に有り得ない事とも言えます。
さらに言うと、魔力切れに耐える身体が出来ていない事になり、最悪死んでしまいます。人間を守る神々の仕組みによって大器成長速度として設けられた訳です。≫
「なるほど~!納得がいった!最初に大器成長速度の仕組みを聞いた時に、何でそんなものがあるのか、が不思議だったんだけど魔法があるこの世界だからこその仕組みってことか~」
≪はい!その通りです。そして、魔力の器の話の続きですが、器が広がると言う事は、生命力【魂】も強くなる事を意味します。」
「へぇ~そうなんだ~」
≪逆に生命力が強くならずに器だけが大きくなってしまうと魔力をコントロールする事が、難しくなるだけではなく、魔力の暴走を起こしてしまう可能性があります。ですので、この世界の仕組みによって器の大きさは人によって異なりますし、魔力切れの症状も様々に合わられる様です。≫
「フムフム、なるほどね。」
≪その為、魔力の器が小さい内に魔力切れを起こすと言う行為は、死の確立が高くなるようです。逆に器が大きくなれば、単純な眩暈や吐き気、気を失う等の症状で済む場合が増えてくるようですね≫
「分かった!あと、生命【魂】は困難を乗り越える事で大きく育つって事であってるか?」
≪間違いありません!ついでと言っては失礼ですが、稀に起こる症状についてもお知らせした方が良いかも知れませんね≫
「ん?それがどう言う症状だ?」
≪はい、先程マスターが仰った様に、魔力の器の根源である魂を広げるには、本来、時間をかけて人生の経験値を増やし様々な事を乗り越える事で、魂が鍛えられます。その為、魔力の器が大きくなってから魔力切れを起こしてしまうと死ぬ確率は下がりますが、鍛えて来た時間に影響を及ぼす事が、あるようです。≫
「時間に影響を及ぼす?具体的にはどう言う事だ?」
≪はい、魔力切れ=生命に影響を与えるとは、器が小さい=生命力が弱い。器が大きい=生命力が強いとなります。だから症状が魂の大きさにより変化する。ここまでは、ご理解頂けましたでしょか?≫
「大丈夫だ!問題ないぞ!」
≪畏まりました。続きですが、どちらも魂に影響を与える事に変わりがありません。身体が存在する場合は、脳に記憶が残されると言われていますが、実際は、生命自体に知識や経験と言ったものが刻み込まれます。≫
「そうだな・・・。普通の人は知らない事実だろうな!」
何となくシリウスが言いたい事が、分かったような気がした。
≪さすがは、マスターです。さらに続けさせて頂きます。
そうすると魂=記憶となる為、一度に膨大な魔力を消費して魔力切れを起こしてしまうと記憶(=時間)に影響を与え記憶障害や記憶喪失と言った事が起こってしまう場合があります。≫
「そうか・・・。魔力の器=生命力【魂力】だからこそ魔力切れによって生命力が失われる=生命力に蓄積する記憶が失われるって事だな納得した!」
≪さすがは、マスターです。魔力は、普通に呼吸する事でも回復致しますが、人体に例えると酸素が、吸え無くなれば酸素欠乏症の状態となり意識を失います。まぁ最悪の場合は死にますが・・・。
魔力でも同様に、大人の場合は、魔素欠乏症(魔力欠乏症とも言う)となり意識を失ったり場合によっては記憶を失う事がございます。≫
「なるほど・・・酸素と同じ感じか~分かり易い例えだな!」
≪はい、なので、戦闘中に魔力を全て使い切る事は生死にかかわりますので、お気を付けください。≫
「うん!分かった!それと魔力が少なくなったら感覚で分かるものなのか?」
≪はい、一回に膨大な魔力を消費したり、総魔力値が残り20%を切ると眩暈や倦怠感が症状として表れ始めますので、それが一つのサインとなります。≫
「10%を下回ったらどうなるんだ?」
≪はい、性格には50%を切ったあたりから徐々に症状が現れます。10%を切ると生命維持が働き魔法を使う事が困難になります。≫
「それでも無理して使ったらどうなるんだ?」
≪精神力が強ければ、使用が可能ですので、10%を下回ると吐血したり、身体の至る所に激痛を感じたりと魔法の使用を止めさせる為の神の仕組みが作動します。≫
「あ~それはそうか~。命を大事にするための仕組みだもんな~。」
≪はい!その通りです。なので、本来の魔力切れと言われる症状は、20%を切った状態の事を指します。
先程私が申し上げた記憶障害とは、魔力が3%以下になってしまう場合に限られます!ですが、ご安心ください!この世界の仕組みで、5%を下回ると気を失うように出来ている様です。≫
「なるほど・・・良く分かった!でも俺にはシリウスがいるから大丈夫だな!」
≪もちろんです!何があろうともマスターの事は、この私がお守り致します!≫
「ハハハ♪頼りにしているよ、シリウス!」
≪はい!お任せ下さい!マスター!≫
「他にも何かあるか?」
≪あとは、そうですね~魔素の少ない地帯では魔力の回復が遅い事ですね!≫
「あ~それは、そうだよな!その場合は、魔力を使い切ったらどうなるんだ?」
≪その場合でも自然回復しますので、命には問題ありませんが、回復スピードが遅いので、冒険者と呼ばれる者たちは、何かしらの対策を取る様です。≫
「どんな対策があるんだ?」
≪はい、オーソドックスな方法としましては、魔石に魔力を込めて緊急時に魔力を回復する魔道具として装備したり、魔力を回復するポーションが存在するようです。≫
「なるほどね~」
そんな会話をしながら僅か15分程で、狩場の森に辿り着いたのだった。
俺の眼前には、幅が2km程度の小高い丘(一応は山らしいけど)が広がっている。
右手を見ると俺の家の方から繋がっている小川があった。この辺迄来ると幅が7m位の広い川となっている。
この森より何十㎞も離れた山の方までつながっている様だ。
この山の高さは、100m程だろうか、15m~20m程度の木々が生い茂る小さな山で、イノシシやシカ、サルなどからリスなどの小動物と、危険度の低い魔物もいるとの事だった。
「よし!森に入るぞ!」
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