第10話 第一章【転生編】4 俺パワーアップ!
そして・・・ある日突然!
≪新たなスキルが解放されました!≫
≪スキルレベルがアップしました!≫
≪使用可能なスキルが解放されました!≫
≪ステータス補正が成功しました!≫
「な・なに!今の声・・・お化け?・・・・幽霊?・・・こ・こわ~」
≪お久しぶりです!マスター!≫
(・・・・・?)
「ん?お~ぉ・・・!シリウスか~!」
≪・・・・・マスター・・・もしかして・・・・・私の事を忘れていませんでしたか?≫
「わ・忘れる訳~ないだろ!・・・(完璧に・・・忘れてました!)
≪マスターから命令されない限り、話かけるのを・・・なるべく我慢してたのに・・・マスター・・・忘れていたんですね・・・酷い!・・・(心の声が丸聞こえでしたよ~) シク・シク・シク・・・≫
(う~ん妙に小技を使い始めて来たな・・・)
「ハイハイ! 分かった!分かった! それで?」
≪~~(涙)~~マスターの為に!この世界の仕組みを調べ・・・・マスターの為に!この世界の理を調べ・・・・マスターの為に!何でもお手伝いできるように・・・・マスターの為に!・・・・・≫
「ゴメン!ごめん!悪かったよ! でも・・・何だ?今のアナウンスみたいなのは!?」
≪取り乱してしまい、大変失礼いたしました! では!ご報告から致します。先日マスターから頂いたスキルとの融合が無事完了致しました!≫
「そうか!それは良かった!」
≪ありがとうございます! それで、ステータスを整理したところ!マスターのステータスの上昇だけでなく色々な箇所に何故か【封印】がかかっておりました!≫
「?【封印】?それって・・・ステータス全体に異常があったって事か?だからステータスの上昇も上がり難くなっていたとかそう言う事か?」
≪その通りです! マスターに命じられたように最適な行動を取るべく、マスターに掛けられた【封印】の解除をこころみました!≫
「そうか!それで!どうなった!?」
≪はい!時間がかかってしまいましたが、私を介す事で間接的にですが無事に【封印】の解除に成功いたしました!≫
「そうか~シリウス!でかした!」
≪ありがとうございます!マスターに喜んで頂けたのであれば幸いです♪ ですが、非常に強い封印で、私の意識(分身)を大量に消費しなければなりません。≫
「?どういうことだ?」
≪私の意識は、マスターの意識でもありますので、マスターが意識を失われたり、何者かに操られたりすると私の意識は、マスターの意識の奥底に封印されることになり封印が復活してしまいます。≫
「ふ~ん・・・良くわからんが・・・俺の意識がハッキリしていれば何も問題ないんだろ?」
≪はい! それであれば何も問題はありません。≫
「なら大丈夫だな! 助かったよシリウス!」
≪ありがとうございます!それで、本題ですが、以前の私とのやり取りの最中に、マスターが魔力を何度となく込められた事は覚えておられますか?≫
「あぁ~。お前が来た時の・・・覚えてるに決まっているだろ・・・それがどうかしたのか?」
≪はい!その時のやり取りでマスターの魔力値が随分上がっていたのですが、ステータスウィンドウには映し出されていませんでした。≫
「うん? どういう意味だ?」
≪はい! 私は、マスターに言われマスターの能力と同化した事で、私自身に【マスターボード(ステータスやスキル、魔法など全てのウィンドを統括する)】としての機能【システムマスター】が付与されました。≫
「へぇ~・・・マスターボード・・・システムマスターね~」
≪その為!ウィンドウを見なくともマスターの能力が、完璧に分かるようになったので、この度の数値のヅレに気が付いた次第です。≫
「そ~なのか!お前がいなかったら俺は気が付きもしなかったかもな・・・お前が来た時にはどうなる事かと思ったけど俺の悪運も大したものだな! じゃ~これからは、俺いちいちステータスウィンドウで確認しなくてもシリウスに聞けば教えてくれるんだな!」
≪はい! お任せください!いつでもお応えいたします!≫
「で?その事と【封印】と何の関係があるんだ?」
≪はい! 今、お伝えした様にマスターの全ての能力を把握している私が、知っている数値とマスターが見えるステータスウィンドウに表示されている数値が違ったり、本来表記されるはずの魔法やスキルも映し出されないようです。≫
「ふ~ん・・・何で!? 俺も良く分からないんだけど・・・普通は、ステータスウィンドウに表示されている数値が正しいんじゃないの?」
≪はい! マスターの仰る通りです! 本来はステータスウィンドウに表示されている数値内でしか、本来の能力を使えませんし威力も発揮出来ません!!≫
「そ~だよな~ステータスウィンドウに載っていなければ、自分自身が知らないんだから魔法やスキルとか使えないと言うか使おうとは思わないよな~」
≪さらに!知識力や体力値など基本となる数値がステータスウィンドに正しく表示されないと言うことは、HPやMPそしてSPの数値が正しく上がらない事を意味します!≫
「そりゃ~そうだよな~」
≪はい!当然です! それでこの不可思議な現象を探って見たところ何かしらの力で、マスターの能力が【封印】状態になっている事がわかりました!≫
なるほどね~いったい転生時に何があったんだ?
≪それで、封印が解除した事よりマスターの最大魔力値が300までアップ致しました。≫
「おぉ~随分増えたな~ なるほど!それで誰が封印をしたのかは分かるのか?」
≪申し訳ございません・・・それは解明できませんでした・・・≫
「そっか~仕方ないな・・・封印は気になるけど・・・シリウスが気付いてくれて助かった!ありがとうな!」
≪滅相もありません! 私の全ては、マスターだけの為にあります!お役に立てて光栄です!≫
「それで・・・最初の(スキルレベルが上がった)ってのは何だ?」
≪はい!マスターは、失礼ながら・・・まだ赤ん坊なので・・・【大器成長速度】ってご存知ないですよね!≫
「あ~!知ってるぞ!6歳と8歳、10歳と13歳の時に聖教会で、祈りを捧げて神様から付与されるんだったな! 確か~人によって急成長する時期が異なるって内容だろ!?」
≪さすがは、マスターです!良くご存じでしたね! そうです!その大器成長速度の事なんですが・・・≫
「それが、どうしたんだ?」
≪マスターは、大器成長速度が何種類もある事はご存知ですか?≫
「あぁ!知ってるし覚えてる!」
≪では!結論から申しますとマスターの大器成長速度の内容が既に設定されておりました!≫
「ん!? どういう事だ?6歳以降に付与されるんじゃなかったか?」
≪はい!本来ならばそのはずなのですが・・・≫
「なんて設定してあったんだ?」
≪大器不測型と設定してありました!≫
「大器不測型????なにそれ?」
≪申し訳ございません! システムを組まなく調べても分からなかったので、この世界の理への接触を試みた結果、完全とはいきませんでしたが、情報を除く事に成功しました。
そして、出来る限り調べつくしましたが、・・・・・何の情報も得られませんでした!≫
「なに~!! じゃ~どんな感じで俺が成長出来るかが、分からないって事か?・・・ん?・・・て何?・・・【世界の理】?・・・・・なにそれ?」
≪大変申し上げに難いのですが・・・・・・その通りです・・・。それと、≫
「ん?お前・・・今、少しだけ言い淀んだよな!?何かあるのか?」
≪!・・・さ・さすがは、マスターです。では、その質問にお答えする前に、先程の【世界の理】についてのご説明をさせて頂きます。≫
「分かった!で何なんだ?その【世界の理】って?」
≪はい!この世界の全ては神々によって作られているのは、ご存知でしょうか?
神々は理想の星を創り出そうとしておられる様で、創り出す星ごとに、それぞれ異なるルールを設けてどの様な変化が現れるかを試しておられる様です。≫
「へぇ~そうなんだ~」
≪はい、その星に存在する独自のルールの事を【世界の理】と呼ぶようです。神々によって定められたそれぞれの星の法則みたいなものです。≫
「ふ~ん、って事は、この世界のルールが分かったって事か?」
≪はい、その通りです。完璧ではございませんが、その法則に【大器不測型】との項目がそんざいしておりませんでした。≫
「なるほど・・・ヤッパリあまり良くないんだろうな~」
≪そうとも言えない可能性がございます! そして、ここからが先程のマスターからの質問の続きですが、実は、この情報をお伝えしても良いものか、判断しかねておりました。≫
「何か含みがある言い方だな~まぁ~文句は言わないから教えてくれ!」
≪畏まりました。先ず!【世界の理】の項目欄に【機密事項】がありまして、閲覧する事が出来ませんでした。
この【機密事項】に関しての内容は分かりませんでしたが、どの様な事が、機密事項なのか?と言う事が、少しだけ分かりました。≫
「?全くわからん!何が言いたいんだ?」
≪申し訳ありません。要するに機密事項にされる内容は、この世界の仕組みを超えた内容についてが、記載されている様です。そして、魔王に関連する内容以外であれば、凄まじい能力に纏わる事が、記載されることが多い事が分かりました。それと・・・≫
「ちょっ!ちょっと待て!何さらっと流そうとしてるんだ!・・・魔王って本当にいるのか?」
≪はい!この世界には、人類を恐怖に染める存在として魔王の存在が確認されている様です。≫
「ふ~ん・・・・・そ・そうか・・・ん!そりゃ~異世界だもんな~いるか~魔王・・・。ヤッパリ凄く強いんだろうな~」
≪はい、世界の理の閲覧によると、魔王の力は、地を割り、山を砕き、海を灼熱に変え、天を裂く、そして人類を恐怖に貶める存在と書かれております。≫
「そ・そうか・・・やはり、地球とは全く違う世界なんだな~近寄らない様にしよう!それと何って言ったっけ?」
≪はい? え~っと・・・機密事項にされる内容は、この世界の仕組みを超えた内容についてが、記載されているって話でしょうか?≫
「そうそうそれ!その後の話はどんな内容だったっけ?」
≪魔王に関連する内容以外は、凄まじい能力に纏わる事が、記載されることが多いって話でしょうか?≫
「そうそれだ!シリウスが言いたいのは【大器不測型】も悪い表現ではなく、凄まじい能力に纏わる可能性があるって言いたい訳だな!」
≪はい!マスター!その通りです。この世界の理として魔王の相克として勇者が現れる事になっています。
この機密事項の大半は勇者専用スキルの可能性が高いと推測いたしました。
理由はシンプルで、魔王の強さは、この世界の理のルールに従っていると倒すことが凡そ不可能と思われる程の力の差がありました。
しかし、勇者として覚醒した場合は、この世界の理から外れるスキルや魔法が存在するらしいのです。
その勇者のスキルや魔法などのステータスを記録してある場所が機密事項だと考えました。但し、可能性の話に過ぎないので、マスターにお伝えするべきかを悩んでしまっておりました。≫
「心配性だな~!シリウス!俺はお前の事を信用している。 だから気にするな!」
≪何と心優しいお言葉!嬉しゅうございます! (うぇ~ん嬉しいよ~)≫
「相変わらず仰々しいヤツ・・・。言い辛い事があっても!何かあるなら俺にドンドン教えてくれよな!」
≪畏まりました!では、早速!先程の続きになりますが、さらにマスターの情報を得る為に、この【世界の理】にアプローチを掛け続けたところ、どうやら、マスターの【ゴッズレコード】と何かしらの関係がある様です。≫
「う~ん?・・・どう言う事だ?」
≪申し訳ございません。本当に何か分かったと言う訳ではないのですが、この【世界の理】のシステムを覗いたところ、マスターの情報が【秘匿】されている事が分かりました。≫
「秘匿されている?」
≪はい。先程の機密事項よりも厳重にプロテクトがかかっておりました。ですので、先ずはマスターの転生時に何があったのか?転生時にどの様な転生を望まれたのかを確認する事が最優先と判断し、プロテクトの解除を試みたところいくつかの設定項目の確認が取れました。
その結果、マスターのこの世界への転生時における履歴が、不透明になっていたり、損傷している箇所があったり、確認が取れた設定が在り得ないともうしますか・・・・・≫
「なんだ?怒らないからハッキリ言っていいぞ!」
≪はい・・・大変、申し辛いのですが、転生時の設定履歴が、在り得ないと申しますか、所々間違えた様な【不完全】な履歴となっておりました。≫
「不完全ね~・・・」
≪あ!いや・・・そう言う訳ではないのですが、本来、転生される生命ならば、決して選択しないステータスと言いますか、選ぶはずがないステータスと言いますか・・・・・。≫
「まぁ~良いよ。何にしてもステータスや何かしらの情報がおかしいって事だな!」
≪そ・その様な事は、ございません!」
「良いよ!無理してフォローしなくても。」
≪ち・違うのです!言語化する事が、難しいと言いますか・・・。
実は、先程も申し上げたように秘匿されている情報の一部だけは、閲覧する事が出来たのですが、それによると【始まりの神による裏設定】との記述がありました。≫
「始まりの神による裏の設定?・・・・・始まりの・・・神・・・ウッ!グァァァ~~~!!!」
≪ま・マスター!!!どうなされたのですか!・・・だ・大丈夫ですか!≫
「グッ!・・・ゥゥゥゥ・・・ハァハァハァ・・・・ふぅ~・・・あ~痛かった~何だ!?頭が割れるかと思った・・・。」
≪心配致しました。大丈夫なのですか!失礼ながらマスターに病気やケガなどの異常が無いか身体をスキャンいたします!≫
シリウスがそう言い放つが早いかジィィィ~とかブゥゥゥゥ~とか頭の中で、一瞬音が鳴った気がした。
「だ・大丈夫だよ~そんな事しなくても!」
≪終了致しました!・・・はぁ~良かった~ 特に問題はないようです!≫
「速っ!」
ものの1~2秒で、スキャンしたらしい
「人間なんだから頭痛ぐらい誰でもあるよ!心配するな!」
出会った時には想像も出来ない程、俺の事を心配してくれるな~このままシリウスと融合している限り、俺はこの先、病気やケガとは無縁になりそうだ。
≪そう言われましても心配ですが・・・マスターがそう仰るなら・・・あ!先程のお話の続きですが、【秘匿】されている情報が読み解けたのは、この裏設定が存在するって事ともう一つだけです。≫
申し訳なさそうな思念が俺に伝わってくる。
「そりゃ~【秘匿】されてるんだから、分かる方がおかしいよな~」
少しであっても、覗き見れてしまうシリウスに呆れるばかりだ。
≪ここからは、私の推測になりますが、三つの可能性があります!≫
シリウスの推測は、以下の三つだった。
一つ目は、俺がこの世界に転生される瞬間に神々によって創られた転生システムに何かしらの要因が働きシステムエラーを起こしたことで、転生後の設定が変更されたシステムトラブルの可能性。
二つ目は、一つ目と同じ要因が働き、俺の魂の一部が、神界に置き去りになってしまってしまいステータスボードや能力にシステムエラーが発生した可能性。
三つめは、俺が何かしらの理由で裏設定を知っていて自分で、こうなる様にわざとステータスをセットした可能性。
との事だった。
しかし、それを聞いた俺の答えは・・・
「一つ目と二つ目は、分からんが、三つめは無いんじゃないかな~自分でセットしたんだからある程度は覚えているぞ!」
≪大変失礼致しました!何故、三つ目の可能性を指摘したかと申しますと先程もお話ししたように秘匿されたもう一つの事です。その事を話す前に一つご報告しなければならない事があります。マスターの能力を調べるうちにマスターの記憶の欠損を発見致しました。≫
「・・・・・・エッ?おれ・・・記憶を欠損してるのか?」
≪大変申し上げにくいのですが、本来は記憶を持ち越す事など不可能な転生にマスターは、記憶をご自分の意志で残されたとお聞きしました。私の勘違いであるならば良いのですが、何かしらを思い出す事が出来ないのではありませんか?例えば・・・・・・転生直前の事などは如何でしょうか?≫
それを聞き俺は、転生直後の事を思い返してみた。
「さすがに覚えて・・・!あれ?・・・いやいやそんなはずは・・・もう一度!エルザ様から説明を聞いて、転生用のステータスボードに神値を流し込んで~・・・・・最初の新世界だから今まで使わなかった神値を存分に使って魔法もスキルも究極や神クラスにセットして~ステータスも全部、最高にセットして~出生場所も環境の良い王族の次男にして~
それから・・・エルザ様が物凄い勢いで戻ってきて~その時・・・・・?何かを話した・・・あれ?・・・ん?・・・・・・・・・思い出せない!!!!!」
≪やはり、思い出せませんか?≫
「え?何でだ?嘘だろう・・・。」
俺は暫く茫然自失した。何でこうなった?
≪・・・・・ター・・・・・・スター・・・・・・マスター!聞こえますか!」
「あ・ああ・・・アッ!シリウスか!な・何だ?」
≪マスター、ショックなのは分かりますが、先ずはシッカリと自己分析を行いましょう!≫
「あぁ~そ・そうだな・・・。」
≪マスターに一つだけ確認させて頂きたいのですが、ステータスを最高にセットされたとの事ですが、【ラックの項目】はどの様にされましたでしょうか?≫
「ラックの設定か?当然!最高の超強運にしたに決まっているだろうが!」
ラックのステータスは神値を100加える毎に運が上がっていく仕組みになっている
超強運←大強運←強運←大幸運←中幸運←幸運←普通←不運←中不運←大不運←悪運
と変化するので、ステータス設定する時に(大不運より悪いってどんだけだよ!選ぶ奴なんか要るのか?)と俺は思っていた。
≪そうですか・・・もしかすると先程の三つの可能性の話の全てが起こった可能性もあり得ますね・・・。≫
「へ?どう言う意味だ!?」
≪大変申し上げ難いのですが、マスターはご自分でステータスウィンドウを開くと見辛いと以前、仰っておられましたよね?≫
「あぁ~そんな事を言ったな!それがどうしたんだ?」
≪はっきり申し上げます!先程もお話しした秘匿された情報の内容ですが、マスターのラックの設定は【悪運】となっておられます!≫
「はぁ~!?そんな・・・馬鹿な!? お・俺は間違いなく超強運に設定したはずだぞ!何だ?何が起きたと言うんだ?」
≪そうなると、今までマスターが感じた違和感や私が感じた事の説明が付きます!≫
「何で?こ~なった???」
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