表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人権なしのランク0。よくわからないけど、塔、登ります  作者: つくたん
オワリに向かって
75/75

『そうして世界が暗転した』

「ハイ、コレデコノ話ハオシマイ!」


「ヤット、間違イガ修正サレタノネ!」


「長カッタワ、何度ヤリ直シタカシラ」


「イイジャナイ、モウ終ワッタンダカラ」


「ソウソウ、終ワリヨケレバ……ッテヤツ?」


「全然良クナイワ! 後始末ヲスルノハ私タチナノヨ!?」


「終末装置ニ不純物ガ入ッテシマッタシ……ドウスルノ、コレ?」


「動カシタラ、扉マデ壊ソウトスル不良品!」


「停止サセルノ、大変ダッタンダカラ!」


「破棄デイインジャナイ?」


「元々、利用デキレバ上々ッテモノダッタシ?」


「アノ子デ代用デキルンジャナイ?」


「サスガ! ソウシマショウ!」


くすくすと精霊たちは笑い合う。

色とりどりの絵の具を用意して、絵を描いて、描いていたら筆が滑って下書き線をはみ出してしまった。

なんとか修正して、どうにか絵を描きあげた。完璧な作品とは言い難いが、ミスを修正しつつの描画としては上等な方だろう。


では、絵が描けたらどうするだろうか。

必要ならそれなりのタイトルをつけて、画廊に並べる。

時折その存在を思い出して絵を眺める以外、普段は気にもとめない。


そうして、新しく絵を描くのだ。


「次ハ? ドウスル?」


「ワタシネェ、久シブリニ人間ヲ嬲リ殺シテミタイワ!」


「塔刑デドウカシラ!」


新しい絵へのアイデアは次々と湧き出してくる。

こうしよう、あぁしようと話し合う。しかしどれもいまいち決め手に欠ける。

ひたすら真面目に絵を描き続けるのも疲れてしまう。たまには絵の具をぶちまけて遊びたい。キャンパスに色という色を塗って、歪なマーブル模様を眺めて遊ぶのも悪くない。


「反省点ヲ振リ返ッテミルノハドウ?」


さっき描きあげた絵の反省点を振り返ってみよう。そこから何か見えるかもしれない。

反省を活かしていい絵を描こうではないか。

ひとりの精霊の提案に、そうねぇ、と顔を見合わせる。


「前置キガ長カッタ?」


「後半、チョット駆ケ足ジャナカッタ?」


「駒ノ数ガ多スギルンジャナイ?」


「役ニ無駄ガアッタワ」


それらを反省点として次へと活かすなら、人数を絞って話を早々に進めていくべきか。


「次ハ最強ヒトリデドウ?」


「ルールハ4人ガ基本ナノニ?」


「4人セットガ基本ダケド、全員ガソレヲ守ラナキャイケナイワケジャナイワ」


盾、攻撃、補助、妨害。その4つの役割が1人ずつ。それが基本の単位だ。

だが厳密にそれを守る必要はない。バランスのいい4人での探索を攻略難度の目安としているだけで、実力があるならたった1人の単独でも構いやしない。

複数人のパーティでもその内部の比率は偏っていてもいい。攻撃役4人の攻撃偏重パーティだってなんら問題はないのだ。

だったら、1人で何でもできるオールラウンダーが探索に挑むのだってルール違反ではないのだ。


「……ソレ、面白ソウ!」


「ソノパターンハ今マデナカッタワ!」


「ジャァ、駒ノ作成ヲシマショウ」


「エェ」


「ネェ、サッキノ週ノ駒ハドウスル?」


「使エルモノハ使イ回シチャエバ?」


「最初カラ作ルノ、大変ダモノ!」


くすくすと精霊たちは笑い合う。


さぁ、また駒を並べて始めましょう。

この奇妙な奇妙な塔の物語を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ