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白い紫陽花 まとめ  作者: 有馬裕太
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彼岸花 さくらの手紙

最後まで読んでいって下さい。

隼人へ


隼人がこの手紙を読んでいるということは、私は病気には勝てなかったようですね。黙っててごめんなさい。隼人を心配させるのが嫌だった。ほんとにごめん。


短い間だったけど隼人といれて幸せでした。初めて会ったのは中学校に上がってからだよね。最初の席が近くてすぐに仲良くなった。その時に一目惚れだったのかな。いつの間にか授業中に隼人の方を見るようになりました。授業中の隼人はいつも寝てて、よく私に起こされてましたね。その時は、少しだけ文句を垂れていましたがどこか嬉しそうな顔をしていたのを思い出します。


隼人から告白された時は嬉しかった。下駄箱に手紙を入れて、校舎裏に呼び出すと言うベタな方法だったからな、いつも隼人と一緒にいるクラスメイトにはバレてたみたいで告白の瞬間を見られちゃったね。その時の隼人の真っ赤な顔。見れた恥ずかしさを忘れるほど面白かった。そこからすぐに、私が入院しちゃってあまりたくさんは遊べなかったね。そこからは毎日隼人がお見舞いに来てくれるのが嬉しくて病気の怖さを忘れるほどでした。


入院してからは2人でいる時間が増えて、少しだけ嬉しかった。でも、やっぱり2人でいろんなところに行きたかったな。いろんな景色を見て、いろんな食べ物食べて、いろんな思い出をたくさん作りたかった。そして、大人になっても一緒であの時こうだったねとか自分の子供たちに話したりしたかった。どれもこれも今はもう叶わないお願いです。でも、隼人は私の分までいろんな思い出を作ってください。私ができなかったこと、私とできなかったこと。私の代わりにいっぱい体験してください。もちろん恋愛もして、結婚もして、暖かい家庭を作ってください。本当は隼人の隣には私が居たかったけどそれはもう叶いません。新しい好きな人と一緒にね。隼人が選んだ人です。きっと優しくて、綺麗で、私みたいに隼人をおいていくことはしないと思います。ちょっとだけ隼人のお嫁さんになる人が羨ましいです。だって絶対幸せで笑顔が多い日常になるから。私のこと忘れるぐらい幸せに暮らしてください。でも、たまには思い出してくれると嬉しいな。


最後に私からのお願いです。隼人は何か先生って呼ばれる人になってください。人を救ったり、人にものを教えたり、何かを伝える人になってください。毎日私のために病院に来てくれる隼人です。どんな人にも優しくて、マメな隼人だったらとても良い先生になってくれると思います。特に私の夢だった教師になってくれたら私は天国で笑ってあなたを見ることができます。先に私は天国に行ってますが、隼人がこっちに来た時は思い出話がしたいな。それを楽しみに向こうで待ってますね。


そうだ。私のお墓には私の好きな花を手向けてくださいね。私の好きな彼岸花。彼岸花の花言葉は生まれ変わってもあなたと一緒という意味です。私が彼岸花のことが好きな理由コレです。たとえ生まれ変わったとしてもまた同じ人一緒にいたい。とってもロマンチックな花なんだよ。


ほんとに最後になっちゃったけど。ありがと。隼人と一緒にいれて、一緒の時間を過ごしてとっても幸せでした。じゃあ、また今度ね。ありがと。


さくらより


読んでくださるありがとうございます。

ここでは総集編になっているのでもう一つの方で毎週土曜日に投稿しています。

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