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absorption ~ある希少種の日常~  作者: 紅林 雅樹
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五十七節、晴れやかな

「それは楽しみですね」

翌朝、ダインは早速夢でのことをサラに伝えた。

“現実世界でシンシアたちに抱かれよう”

突拍子も無い話にサラはしばしぽかんとしていたが、内容を理解するにつれ口の端に笑みを浮かべだした。

困惑するダインの姿を内心面白く思いながら、「確かに、物心がつく前からダイン坊ちゃまは抱擁がお好きでしたからね」、サラはいった。

「奥様や、当時使用人だった私の母のみならず、遊びに来ていた私にも抱っこをせがんできておられましたし」

思わぬところで昔のことを暴露され、瞬く間に顔を赤くさせたダインは「いやその話はいい」、遮った。

「何をどうされるのかが分からない。不安なんだよ」

心配を吐露するダインだが、サラはさして問題はないという。

「ルシラさんのことですから、悪いようにはしないでしょう」

不安がる必要は無い上に、これはチャンスだというのがサラの意見だ。

「魔法を使うのか別の手法を使うのかは分かりませんが、あの方の居場所を突き止められるヒントを得られるかもしれません」

そう、確かにものは考えようなのだ。

ルシラが夢だけではなく現実にまでダインに干渉してくるということは、少なからずそのルシラから何らかのアクションがあるということなのだから。

仮にそれが魔法なら逆探知できるかも知れないし、姿を見せてきてくれたなら直接会話することもできる。

「とはいいましても、ルシラさん側としては純粋にダイン坊ちゃまにお礼がしたくて行動しているに過ぎないわけですから、それを利用するというのは些か心苦しくはありますけれどね」

「それはまぁ、な」

「私個人の意見としましては、ヒントだの何だのと考えるよりも、どのようなサプライズなのか、純粋に楽しまれた方がいいと思うのですが」

サラのいいたいことも分かる。だが、サプライズ自体あまりされたことがないダインには、不安しかない。

正直に彼女に伝えると、「ではいまから耐性をつければいい話です」、サラはいった。

と同時に、キッチンから可愛らしい人物がダイニングへやってくる。

トレイを両手に持ち、上に乗った朝食をこぼさないように細心の注意を払いながらダインのところまでやってきたのは、メイド服に身を包むルシラだった。

「だ、だいん…ど、どうぞ」

そっとトレイをテーブルの上に置いて、そのまま彼の目の前まで滑らせる。

そこには目玉焼きやウィンナー、サラダにパンが皿に乗っている。

今日の朝食がやや遅かったのはこのためだったようで、サラが早速ダインのコップにオレンジジュースを注いでいた。

「もしかしてルシラが作ったのか?」

尋ねると、「う、うん」、顔を赤くさせたまま、ルシラは頷く。

「そのパンも自分で作って焼いていましたよ」、と、サラ。

「え、マジで?」

さすがにダインは驚いた。

水を加えた小麦粉をこねたり寝かせたり、パンというものは一般的な食べ物だが作るのは少々コツがいる。

魔法を使えれば楽なのだろうが、成長と退化の魔法しか使えないルシラは、全て手作業で完成させたのだろう。

「食べてみてもいいか?」

嬉々としたままダインがルシラに尋ねると、「ど、どうぞ」、また一段と顔を赤くさせ、ルシラは控えめにいった。

その反応や態度はやはり昨日のままだ。しかしこうしてダインの前に出てきてくれたのは、彼女なりに普段どおりに振舞いたいと努力してのことだろう。

ダインは早速パンを口にして、目玉焼きやウィンナーも口に放り込む。

不安そうにダインの反応を注視していたルシラに、ダインは「ん…美味い!」、と率直な感想を伝えた。

味そのものの感想でいえば、それはいつもと代わり映えの無いものだ。

特別な味付けはしてないし、卵もウィンナーも焼いただけだろうし、サラダも野菜を切っただけ。パン作りもサラの手ほどきがあったはずだ。

しかしルシラがダインのために作ってくれた。

その気持ちだけで、ルシラが作ってくれた朝食は他のどんなものよりも美味しく感じる。

ニーニアにいわせれば、愛情こそが至上の調味料ということなのだろう。

「ありがとな、ルシラ」

ダインは彼女に笑いかけ、その頭に手を置いて優しく撫でた。

「あ…う…」

ルシラの顔面がまたさらに赤くなって、恥ずかしさからか俯いてしまったが、それでもその顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。

昨日のやりとりで、ルシラの心の問題が全て解決したわけではない。

彼女の遠慮がちな態度はなかなか治りそうにないし、無邪気にダインに抱きつくということも当分できそうにない。

だが昨日のことでルシラの気持ちが分かったいまは、サラが一貫していっていた通りそれほど気にすることでもないのだ。

むしろその恥ずかしそうな行動全てが可愛らしく思えてしまい、抱き寄せてしまいそうになる。

「サラ、これ包んでくれ。昼飯にする」

半分ほど残したところで、サラの方にトレイを滑らせた。

「よろしいので? ニーニア様のことですから、昼食のご用意はなさっていると思うのですが」

「だろうな。でもこれを自慢したい。だから頼む」

「承知いたしました」

サラは薄く笑ったまま食べかけのトレイを持って、キッチンへ向かっていった。

「い、いってくれたら、お昼ご飯の分も作ったのに…」

ルシラが小声でいう。

「いや、そろそろ時間だからさ。ちゃんと味わって食べたかったし」

それよりも、と、ダインはルシラに向き直った。

「今日はごめんな? 用事がなけりゃ、ずっと一緒にいれたんだけど」

再び今日のことを詫びると、ルシラはすぐに首を横に振った。

「や、やくそくの方がだいじだから…」

ルシラは理解を示してくれたが、我慢しているのは考えなくても分かる。

昨日はお互いの気持ちを知って、ルシラはせっかく普段どおりの態度に戻そうとしてくれているのに。

「あ、あんまり、だいんをひとりじめしちゃいけないし…」

いじらしいことをいうルシラを、ダインはたまらず抱き寄せてしまった。

ルシラは全身を飛び上がらせ、椅子ががたっと音を立てる中、「ふや…」、ダインの胸から声がする。

「子供が遠慮なんてするな」

ルシラの感触をしっかりと感じながら、ダインはいった。「お前はもっとわがままになってくれていいんだよ。というか、前のルシラならちゃんと嫌がってたぞ?」

ダインは笑ったまま、長い髪を梳くようにしてルシラの小さな頭を撫でた。

「再来週は家にいるからさ、そのときは思い切り遊ぼうな」

「う、うん…」

「それと、朝ごはん本当にありがとうな。今度は俺も何か作るよ」

「る、るしらも作る…」

「あ、じゃあ一緒に何か美味しいもん作るか。な?」

「うん…!」

そこで、ルシラにようやくはっきりとした笑顔が戻った。

嬉しくなったダインは最後にルシラを強く抱きしめ、彼女の感触や温もりを存分に堪能する。

離そうとした際、ルシラの「だいすき」という呟き声が聞こえ、またたまらなくなったダインは彼女を抱きしめてしまう。

元気と笑顔を周囲に振り撒いていたルシラは可愛かったが、いまのようにしおらしくする彼女も本当に可愛い。

ダインの腕の中でもごもごするルシラに笑ってしまいながら、彼女にどんなお土産を買おうか考えていた。



「忘れ物はございませんでしょうか」

玄関前でサラが尋ねてくる。

ダインはカバンの中身を再チェックした。

「凍らせた水筒にタオルに着替えに…って、こんなに暑さ対策必要だったか?」

ダインはサラに尋ねる。

いまからダインが訪れるトルエルン大陸は、ダインにとっては三度目になる。

そのトルエルン大陸は、地下に流れるマグマが他の大陸より地上に近いらしく、そのせいで大陸全土が常夏に近い暑さだった。

経験上暑さ対策が必要だということは分かっていたダインだが、前回訪れたときよりも水筒や着替えの量が倍ほど違う。

「ニーニア様がお住まいの地域は、確か地下都市だったはずです。その地上は緑すらない平野部であるため、他の地域よりも相当暑いはずですよ」

サラは手にした携帯通信機を操作する。

ホログラムとなって空中に表示された映像には、トルエルン大陸全土が映し出されており、登録済みであるニーニアの住所と思しき箇所には確かに地下都市の文字があった。

「都市部に入れば空調の効いている場所ですので暑さ対策は不要ですが、そこへ向かうまでの道のりは温度がかなり高いらしいので」

映像の左上の部分には現地の天気予報が出ており、晴天のマークの下に80度という気温も表示されていた。

世間一般の人であれば、どれほど気温が高かろうが、暑さ対策など魔法でどうとでもなる。

専用の魔法道具も出回ってはいるが、魔法の効かないヴァンプ族は魔法に頼らない暑さ対策が必要なのだ。

寒いところでは防寒対策も必要だし、怠れば風邪を引く。魔法を受け付けない体というのは、何かにつけて不便なのだ。

「パスポートと、招待カードはございますでしょうか」

パスポートは現代と同じ役割があり、招待カードは地下都市に入るために必要なものだ。

パスポートは役所に申請すれば誰でも入手可能で、カードの方はニーニアから貰い受けた。

「財布に入ってるよ」

財布から現物をサラに見せ、ついでに服装のチェックもしてもらった。

「ふむ…問題ないようですね。お帰りはいつごろになるか分かりますでしょうか?」

「夕飯までには帰れると思うよ」

「おや、宿泊はしないので?」

そういえばその話はニーニアとしてなかったことを思い出すダインだが、「まぁシンシアの件もあるからな」、といった。

「ニーニアのことだから両親に話を通してはいるだろうが、常識的に考えて女の部屋に男が泊まるわけにはいかないだろ」

「まぁ確かに」

サラが頷いたところで、ダインは彼女の背後からの視線を感じた。

ルシラはサラの後ろに隠れており、サラのスカートから顔だけを覗かせダインをジッと見上げている。

「できるだけ早く帰ってくるよ」

ルシラに笑いかけると、彼女は顔をぼっと赤くさせ、またサラの背後に引っ込んでしまった。

「ダイン坊ちゃま、分かってらっしゃると思いますが、今回の訪問はルシラの居場所を調べるためだけではなく…」

サラの続く台詞が分かっていたダインは、「大丈夫だ」、片手を突き出しいった。

「工房の視察だろ? それは俺もかなり知りたいところなんだ」

「その通りです」、サラは社会見学の一貫だと真面目にいった。

「何しろドワ族の中でも、リステニア工房の技術力は最高峰と噂されておりますからね。そこを見学できるのですから、この機会を逃す手はありません」

ダイン達の住むこのエレイン村は、観光客、輸出品数の減少に頭を痛めていた。

主力を張るほどの名産品がないのがその最たる理由で、独創性に富んだアイテムは未だに生み出されていない。

村に技術者は何人かいる。しかし、魔法を使わないアイテム作成など他のどの地域でもやってないことであるため、その技法や製造工程は、物のなかった大昔から何一つ変わってない。

古い作り方しか知らないため古い発想しかできず、停滞したままなのだ。当然斬新なアイデアなど出てくるはずもない。

そんな中での、ダインのリステニア工房の見学だ。いまも時代の最先端をいく技法は、エレイン村にとっての救世主となるはず。

期待を寄せるサラの視線を受けつつ、ダインは「つってもあんま期待しないほうがいい」、と過度の期待を持たないよう釘を刺した。

「最先端の技術こそ、魔法を使ったものであるんだろうしさ。製造工程が全て魔法メインのものだったら、俺らにとっちゃ全く参考にならないし」

「応用は利きますよ。魔法と同じ現象を起こすことは我々ヴァンプ一族でも可能なのですから」

サラはいった。「火は摩擦で起こせますし、凍らせるのは遥か上空へ投げればいい。風も団扇を振れば巻き起こせます」

原始的な話にしか聞こえないが、力のあるヴァンプ族であれば、魔法と同程度の現象を引き起こせるというのは間違いではない。

大地を割ることが出来るし海上を走り抜けることも出来る。魔法と比べて不恰好であることは否めないが。

「大抵のことは如何様にも出来るのです。ダイン坊ちゃまは、製造工程のみに注目していただければいいかと。欲をいいますと、マニュアルでも入手できれば百点満点なのですが」

「さすがにそれは守秘義務もあるだろうし無理だろ…まぁ頼んではみるけどさ」

「お願いいたします」

ダインはカバンを背負い、「じゃあ…」、といおうとしたが、またサラのスカートからルシラが顔を覗かせてきていた。

ジッとダインを見つめるその表情は、どこか寂しそうだ。

「ルシラ」

ダインは膝を折り、そのままルシラを手招きした。

おずおずと近づいてきたルシラを、ダインは抱き寄せる。

「ふわ…!? だ、だいん…」

若干戸惑うルシラの耳元で、ダインは優しく、

「じゃあ、行ってくるな?」

といった。

「会えない間、ちょっとだけ我慢しててくれな?」

「う、うん…い、いってらっしゃい…」

「お土産に美味いもんでも買ってくるから、期待しててくれ」

「お、おみやげよりも、だいんが帰ってきてくれればそれでいい、から…」

その台詞に嬉しくなったダインは「ありがとう」、といいながら、ルシラを抱く腕に力を込める。

ルシラの小さくて柔らかい感触を思う存分心に溜め込んだダインは、最後にルシラの頭を撫でてから離れた。

「じゃ、行ってくる」

「はい、行ってらっしゃいませ」

靴を履いたダインは玄関を開け、一歩外に出てから屈伸を始める。

そして地面を踏みしめ、蹴るような音がした瞬間、突風と共に彼の姿は消えていた。

進行方向と思しき場所には土煙が舞い上がっている。

玄関から空を眺め、眩しさに目を細めていたサラはドアを閉めた。

「さて、本日はどうしましょうか」

そのままルシラの方へ顔を向ける。「一応暇をいただいていますし、ルシラもお休みする?」

サラが尋ねるが、ルシラから返事は無い。

彼女はボーっとした様子で、閉められた玄関を見つめていた。

「ルシラ?」

そこで、「あ…」、とルシラが反応を示す。どうやら正気に戻ったようだ。

思えば、先日の逆吸魔の件からルシラはそうして惚けることが多くなっていた。

一瞬甘毒の影響を考えたサラだったが、ルシラの様子を見る限りでは別の原因があるようだ。

「ご、ごめんなさい、なんのはなし?」

尋ね返すルシラに、「いえ」、サラは玄関のカギをかけ、散らばったスリッパを整理する。

「昨日はダイン坊ちゃまとよく話せましたか?」

今朝ダインから話を聞いてはいたが、改めてルシラに訊いてみると、「う、うん」、ルシラは顔を赤くさせたまま頷いた。

「ちゃんと、おはなしできたよ。このままでいいって。るしらの気持ちが分かったから、もうだいじょうぶだって」

そう語るルシラは嬉しそうだ。

「むねのどきどきも、顔があつくなるのも、もう嫌じゃなくなったけど…でも、やっぱりこれまでのようにだいんとおはなししたり、遊んだりしたいから、元にもどれるようにがんばりたい」

気合を込めるルシラは可愛くて、「そうね」、と頷くサラは笑顔だ。

彼女はふと気になることが浮かび、「ねぇルシラ」、中庭へ行こうとしたルシラを呼び止めた。

「ルシラは、ダイン坊ちゃまのことが好き?」

「え?」

「好き?」

再度尋ねると、ルシラはまたみるみる顔を真っ赤にさせていく。

「う、うん。大好き…だよ?」

素直な彼女は、素直にそういった。

「すごく、大好き…」

「ふむ…」

以前のルシラであれば、屈託の無い笑みで好きだといっていたはず。

いまのルシラの表情や言い方を考えると、見解は間違ってなかったということだろう。

サラは確信した。

好きの種類が変わったのだ。ルシラの、ダインに対する見方がもう一段階ステップアップしたということだろう。

「いい事ね…これは非常にいい事ね…」

裏のありそうな笑みを浮かべ、ぶつぶつ呟き始めるサラに、ルシラは「あの」、と一歩歩み寄る。

「ごはんのつくりかたとか、おそうじのしかたとか、もっと教えて欲しい」

突然の申し出だった。

「はて…? そのどちらも、ルシラはこなせてると思いますが…」

「もっと、もっとぎじゅつ的なことを教えて欲しい」

「技術的…?」

「だいん、喜んでくれるから」

「まぁそれはそうでしょうけど…」

ある意味で普通ではないルシラは、一度教えたことは全て覚えており、作業は完璧にこなしている。

これまで失敗なく掃除も洗濯もできていたはずなのに、これ以上の技術を学びたいというのはどういうことなのだろう。

疑問が沸いたサラだが、どこか真剣な表情のルシラを見てピンときた。

「なるほど。修行というわけですね。ダイン坊ちゃまと一緒になるための」

ルシラの“大好き”は、本気の好きなのだ。

女の勘を働かせたサラに、その通りだとルシラは頷いて見せてきた。

「いいでしょう」

サラもまた、真剣な様子でいう。「そちらは私も修行中の身。共に高めあいましょう」

「あ…でも、きょうはさらはお休み、なんだよね?」

「問題ありませんよ。物覚えが良くて素直な子に手ほどきするのは私も楽しいですし、それだけで私にとっての休息になります」

そういったあと、サラはルシラに微笑みかける。

人前では滅多に笑顔を見せない彼女だが、ルシラを相手にすると自然と出てきてしまっていたのだ。

サラ本人も理由が分からないことだったのだが、彼女もまたルシラの可愛らしさにやられてしまった一人なのだろう。

「それに妹の頼みごとにはできる限り答えてあげたいですし」

「いもうと?」

「そうです。ダイン坊ちゃまより年上の私ですから。ですからルシラは妹ということになりますね」

「さらおねえちゃん!」

突然ルシラにそういわれ、たまらなくなったサラはルシラの頭を撫でた。

「さて、では修行に入るとしましょうか。家事のみならず、意中の方を喜ばせる手段は数多くあります」

「そうなの?」

「ええ。家を守るというのは確かに大事ですが、攻めの姿勢も大切です。女が待っているだけの時代はもう終わったのです」

「いえを守り、まっている?」

しきりに首をかしげるルシラ。サラの話に追いつけなくなってきたようだ。

「ルシラならすぐに理解してくれることでしょう」

サラはいい、側に立てかけてあった手箒を持ち、朝日の差し込む玄関上部へ向けて掲げる。

「まずは講座を開きましょう。修行の…いえ、花嫁修業の」

そこでルシラは目を輝かせ、「うん!」、手箒はなかったのでスリッパを手にして掲げた。

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