91 村人、鍵を手に入れる。
「【 ワイド・メイクハンマー 】!」
「ギャオオォォオオオン!」
「凄い……【 グレートサラマンダー 】を一人で……!?」
オードリー兄妹やホタテ達、私設兵団の住む【 城下町 】とその隣国との国境の川。 ソコに大発生した、炎の蜥蜴【 サラマンダー 】や、巨大な牙を持つ【 ワイルドボア 】などの魔物の群を退治するサブイベント。
その大詰め。
キュアと私設兵団が魔物の群を八割り方退治し終えると……群の主、【 グレートサラマンダー 】が出現した。
体長11m。 上半身を持ち上げれば、その高さは4mを超える。
高所から炎を滝のように噴き出すさまは、脅威以外の何モノでもない。
群の残りは私設兵団に任し、キュアは一人で【 グレートサラマンダー 】に挑み……見事退治した。
「事前に【 サラマンダー 】相手で【 炎特防の指輪 】のスキルを会得できていたしな」
「いや……殆んど食らって無かったから【 ファイヤーガード 】なんて必要無かっただろう……。
───まあだからこそキュア殿のHP回復薬を回して貰えて、我等に死者は出なかったのだが」
「【 拡散の杖 】が、かなり強かったのもあるしな」
キュアは【 拡散の杖 】で【水の杖】などを拡散して撃っていたが───どうやら同時発射した魔法弾全てに、一発ごとの当り判定が有るらしく……上手くいけば一回で五発分のカウントを得られ、【 水の杖 】は27回でスキルを得られた。
( 【 ワイド 】は100回。)
最後は、【 ワイド 】にて三倍の長さに伸ばした【 メイクハンマー 】で【 グレートサラマンダー 】に止めをさしたのだ。
「ではキュア殿……報酬を。
済まないが我等は、急いで今回の結果をヘップ様に報告せねば成らないゆえコレで」
「ああ」
今回の魔物の群の大発生は、隣国の陰謀が見え隠れする。 その原因はオードリー達の兄弟、ヘップ。
結果を最も知りたがっているヘップは、私設兵団に 「 死んでも成功しろ 」「 結果は最速で持ってこい 」 と言われていた。
長話する暇は無いらしい。
「───あっ、キュア殿……」
「オードリー」
私設兵団の皆が去る中……オードリーだけ、キュアの下へ引き返す。 皆は敢えて無視しているようだった。
……女性兵団員は、クスクス笑っていたが。
「ほんまゴメンね」
「いや、事情は分かる。
俺もちょっと前まで、似たような……仕事をしていたからな」
「ほうなんやね……。
───あ、あのな?」
「うん?」
「し、【 シルクランジェリー 】……。
……こ、今度だれも居らんトコでなら───ううん、何でもないけん!
忘れて!? ほんと忘れてよ!?」
「あ、ああ……」
顔を真っ赤にして、オードリーは今度こそ仲間達と共に【 城下町 】へと向かう。 女性私設兵団員に、ニマニマと笑われながら去っていった。
「───ふう、リザルトボードを確認して……ん?」
『…………』
戦場の端、川縁に……以前見た女性、【 魔神城の鍵 】を見つけたキュア。 以前と同じく、キュアが彼女を確認したら 『 フッ 』 と闇色の光を残して消えた。
「何なんだ、アイツは……。
人間じゃなく、道具らしいが───」
と、暫くしたら……やや離れた位置に再び【 魔神城の鍵 】が出現する。 そして消える。
「───っ!?」
出現して消え、出現して消え……混乱するキュアの目の前で、繰返しを合わせて10回目───【 魔神城の鍵 】は消えなかった。
キュアの方を見つめたまま、微動だにしない。
「き……君は?」
『…………』
恐る恐る【 魔神城の鍵 】に近付くキュア。 消えず、キュアの顔を見つめ続ける【 魔神城の鍵 】。
キュアが【 魔神城の鍵 】に触れると……彼女はキューブとなり、キュアの足下に転がり落ちた。




