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53 村人、核心に迫る。

 

「……その夢の魔法と、兄さんが【アジルー村】で使った魔法───何か、関係あるんじゃないかしら?」




 クリティカルの、突拍子もない説に……一瞬呆気に取られるも、すぐ冷静になるキュア。




「ま、まだ俺が現実で魔法を使ったと言い張るのか?

……………………ほら。

俺は魔力を操作出来ない。 クリティカルが、俺を庇いたいからみた夢───」


「兄さん、夢の中の……魔法の杖とかいう物の事を言っていたわよね?」


「あ、ああ。

【ドラゴンハーツ】の魔法は、魔法の杖を装備して魔法名を告げると使えるんだ」


「……兄さんがアシッドに魔法を使った時も、アシッドの持つ杖を掴んだわ」


「……っ!」




 クリティカルの怖いぐらいの真剣さに……思わず後ずさるキュア。 クリティカルは、若干夢見がちな所は在っても……嘘はつかない。 キュアは魔法が使えると確信しているようだ。




「ぱ、【仮想現実装置パーシテアー】は……遊具の魔道具だぞ?」


「遊びを通じて、魔法を会得する魔道具かもしれないわ」


「そんな、非常識な……」



 ……然れど、強くは言えないキュア。

 元々、人類は魔道具の事を殆んどを知らないからだ。


 魔道具は二種類存在する。 過去の遺跡などから出土する、現人類の技術を超えた『源・魔道具』と、ソレを劣化コピーした『新・魔道具』である。

 新・魔道具の代表としては時計が有名だろう。


 恐らく【仮想現実装置パーシテアー】は……その余りな高性能ぶりから源・魔道具だと思われた。

 源・魔道具の機能については……「 おそらく、こう『だろう』」 と想像するしか無い。

 キュアが【仮想現実装置パーシテアー】は『遊具の魔道具だろう』……と想像しているように。




「……今に成って思えば───兄さんは、魔物退治の直前にも魔法を使っていたわ」


「魔物退治の直前……いや、ソレこそ杖なんて持って無かったじゃないか!」


「ソレは……分からないけど、私は見たわ。

【アジルー村】の連中が兄さんに投げつけた石が……当たる寸前で落ちたのを」




 言われ、キュアが思いだしたのは───




「【敵からのダメージ2%カット】……」


「心当たりが有るのね!?」


「い、いや……しかし……」


「良いわ、私、杖を借りてくるから!」



◆◆◆



 クリティカルは、この短時間に実に様々な杖を持ってきた。 老人用の杖から紳士用のステッキ、松葉杖、誰の物やら……仕込み杖なんてのも有った。




「さあ……兄さん、杖よ!」


「このステッキ……領主様のではないか?

こんな物、おそれ多くて触れないよ」


「領主様も兄さんの魔法については気にしておられるわ!」


「…………」




 【仮想現実装置パーシテアー】を手にし、腐っていた自分を恥じたキュアは正直になった。 そんなキュアに合わせてクリティカルも正直になったが……やや、アグレッシブすぎる気がする。

 

 

 明日 ( 27日 ) は市役所に行く用が有りまして、投稿出来ません。


 なので、本日20時頃にもう一話投稿します。

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