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45 村人、鍛冶屋の依頼を受ける。

 

 鍛冶屋デンダから出てきた男性。

筋骨隆々でおそらく、鍛冶焼けのハゲ上がった男だ。

 その頭上には、イベントを依頼してくる人間と思われる『?』マークが浮かんでいた。




「あ、あの……」


「ん? 客か?

……悪ィが今は忙しいんだ」


「さ……さっきの娘さんか?」


「───ちっ、見苦しいモンを見せちまったな。

あの馬鹿娘、女の癖に……鍛冶屋に産まれたからって鍛冶師に成りたいなんて言いやがる」


「その……詳しい事は知らんが女性には不可能な仕事なのか?」


「…………。

別に不可能って訳じゃねえよ」


「才能が無いとか?」


「馬鹿いえっ!?

アイツの才能はオレを超える!」




 キュアの台詞に、男は思わず叫び……自らが発したその内容に───彼は顔を赤くする。




「う、ウチも複雑な家庭事情だから……他人にクチ出しされたくは無いが、ソレでもお互いがお互いを想っているのだったら」


「う、うるせぇよ」




 あ、コレ面倒くさい奴だ……とキュアは心の中で思う。 キュアの癖に。




「その……『北連山の鍛冶堂』とやらの道中は安全なのか?」


「道中は、な」


「道中は?」


「『北連山の鍛冶堂』は……昔の、鍛冶屋は名剣を打つか死ぬか───っつう時代の鍛冶屋修業場でな」


「名剣を打つか死ぬか……」




 昔、この地方では駄剣を打った鍛冶屋はその瞬間……自らの首を斬らねば成らなかったそうだ。

 斬首を躊躇った者、逃げた者は……自らが駄剣を打った炉に放りこまれて踠き苦しみながら死ぬとの事。

 キュアは、いろんな意味で絶句する。




「『北連山の鍛冶堂』は、良質な鉄と素晴らしい炉が有るんだが……魔物が出るんだ」


「そんな所に娘を一人で行かせたのか!?」


「あ、アイツは誰に似たのかやたら頑固で……つい、売り言葉に買い言葉で───」


「ソレで娘が死んだらどうするんだ!?」




 キュアは万が一、腐っていた頃の自分が本気では無かったとしても……己れの台詞でクリティカルが死んでいたかもしれないと考えたら───胃がキュウッとなる。




「あ、アンタは戦士か!?」


「ま……まあ」


「た、頼む! 娘を……ダイを連れ戻してきてくれ!」


「……分かった」




 キュアが、男───鍛冶師デンダの依頼を了承すると……デンダの頭上の『?』マークが消えた。

 

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