表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/420

35 村人、合流する。

 

「トドメだっ!」


「ヂッ───」




 最後の【ウェアラット】を切り伏せるキュア。 痛みは無いが、数回噛まれた気がする。


 興奮し過ぎた時、痛みを感じなくなる事があるのを知っていたキュアは……万一にも噛まれていたら、下手な毒よりヤバいコトに成りうると、己れの身体を見渡す。

 ……が、ドコにも傷がない。




「む……? 気のせい、だったのか?」


「何をボサッとしていやがる、クソ魔ナシがっ!」




 魔物が居なくなった途端、キュアに近付く村人の一人……もっともキュアを見下す幼馴染み、アシッドだ。




「テメェ……何で魔物が出てすぐ、肉壁に成らなかったぁっ!?」


「…………寝ていたからな」


「言い訳するなぁ!」




 聞いてきたのはソッチだろうに……呆れるキュアだが、クリティカルの身の安全を確認するまでは一先ず下手に出る。


 アシッドは、掴まっていた杖でキュアを殴りつける。 どうやら【ウェアラット】の姿を視認した時……つまり一番最初に邪魔をした時から腰を抜かしていたらしい。


 ……殴られても痛くはない。

 二人の身長差 ( キュア・187cm、アシッド・163cm ) を考慮しても、戦闘の才能差を考慮してもなお。

 戦闘が終わって、未だ腰を抜かしているようだ。




「( さて……クリティカルは無事逃げだせられただろうか? )」




 クリティカルの魔法は『個人』を『その場』で守るには適しているが、逃げるのには適さない。

 上手く逃げるには、クリティカル本人の運動能力に関わってくるものの、クリティカルの運動能力は……並の上といったトコロである。




「( 魔物を倒したと伝われば、いくらコイツ等とはいえ冷静を取りもどして放火など言いださないかも…… )」


「おらぁっ、ボサッとするな!

このグズ魔ナシが!」


「( 取敢ず家に帰ろう。 クリティカルに合流するのが何より先決だ! )」




 走って我が家へと帰るキュア。

 アシッド他、付いてきた村人たちから怒号を背中に受けるが全て無視。

 クリティカルと合流してから、村人を遣り過ごすなり逃げるなり決める。




「クリティカル!」


「兄さん!」




 果して、クリティカルは家の裏庭に居た。 しかも防壁魔法を発動しており、その周囲を武装した村人を囲んでいたのだ。


 村人たちは、恐ろしい顔で兄妹を交互に睨むが……キュアは、ソレ以上の怒りを込めて村人を睨む。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ