表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
340/420

340 村人、骨と恐竜と戦う。

 

「【トロルスカル】、武器の素材か」




 【聖なる泉】を目指す道程で入ったダンジョンにて、門番たる【トロルスケルトン】を苦戦しつつも (ゾリディアからの) (フレンドリーファイア) (以外) 大したダメージを受ける事なく倒したキュア達。




「おいキュア、コイツがココのボスじゃなく門番ってなァどーゆーこった?」


「ボス戦っぽくなかったから、だな」


「はァ?」




 キュアの知る【ドラゴンハーツ】の 『ボス』 とは、必ずダンジョンなどの最奥……『ボスっぽい場所』 に居る。

 絶対に食事や風呂、トイレの最中ではなく 『ボスっぽく待ち構えて』 いるのだ。




「…………いや、そりゃ偏見だろうが」


「まあ見てろ。

この道の先に、『いかにも』 って奴が出てくる筈だから」



◆◆◆



≪───小さな虫よ、愚物よ。

何ゆえココまで来た?≫


「「「「「「ぶフッ!?」」」」」」




 崖道を進むキュア達の前に、古代遺跡の続きとおぼしき建築物が出現。 ヒビ割れから中に侵入し、巨大な円柱が規則正しく並ぶ場所へと出た。

 キュアの言う、『いかにも』 といった場所を進むと……『いかにも』 といった声。 思わず吹きだす (ドヤ顔のキュア以外の) 一同。




≪……愚かな。

矮小すぎて、眼前の存在も正しく認識できんか≫


「わ、笑ってる場合じゃ無ェな。

【リッチ:LV153】……ヤベェぞ、神話に出てくるような魔物だぜ?」


≪矮小な虫ケラ如きが……今更に慈悲を乞うても遅───む?≫




 出現したのは、【スケルトン】ではあるが……非常に強い自我と魔力を放つ存在。 何も無い虚空から現れ、羽根も持たずに空中に浮かぶその魔物は───『小さき者』 以外の来訪者に気付く。




≪『亜竜』 か……≫




 それは、キュア達の背後の虚空から突如現れる。 ズシンズシンと地響かせながら、彼等に近付くのは……体高30mは有ろうかという超巨大爬虫類。




「こ、今度は……超巨大トカゲ……!?」


「【アビスダイナソー:LV151】……!

こんな化けモンが二匹も───」


≪キサマが何故ココに……≫


≪決まっているぞ、『超越者』 。

オマエが、其処な連中から 『邪竜』 の臭いを感じたように……我も 『邪神』 のイヤな臭いを感じとったからよ≫


≪ふん……竜と鬼の子孫が共に歩むか。

滑稽であるな≫




 前方には死を凝結させたかの如き骨。

 後方には生の濁流の如き恐竜。


 常人ならば、見ただけで恐怖のあまり息の根を止める化物共に挟まれる一同。 そんな中、キュアと朱雀は。




「(主様)」


「(朱雀……たぶんだが【リッチ】と【アビスダイナソー】は、本来どちらか(・・・・)しか出現しない筈のボスなんじゃないかな?)」


「(同意致します。

おそらく、ゾリディアルートとやらとイーストン・シーナルートとやらが合併した結果かと)」


「(ああ。

イーストン達も、何らかの理由イベントで【聖なる泉】を目指す事となったんだろうなぁ)」




 ただし別々で。


 ゾリディアルートを選べば、別行動のイーストン達は【聖なる泉】を知らずに過ごし、イーストン・シーナルートを選べばその逆となる。


 その途中、【滝裏のダンジョン】はゾリディアルートなら【スケルトン】【リッチ】、イーストン兄妹ルートなら【アビスゲーター】【アビスダイナソー】のみが出現するのだ。




「お……おいっ、二人で喋ってないで何とかしろよっ!?」


「じゃあ、何とかしようか」




 二体の怪物に、顔を青くするイーストン・シーナ・ゾリディアの三人。

 だがキュアは。

 朱雀とチェンとヘイストは。




「たぶん、大変さはLV161の【光を食らいし蜘蛛】とドッコイだろう」


「LV130台の三鬼よりは単純かと」


「LV173のラストユキーデよか弱いしなー?」


「まあ、アシッドより被害が大きくなりはすまい」


「「「…………」」」


≪人間風情が……≫


≪我は神に近きもの……≫




 何時ものキュア達の言動に、呆れる【リッチ】と【アビスダイナソー】 (とイーストン達。)




「あいにく、神や神に近い者には慣れてる」


「朱雀に格で負けてるぞー?」


「私も……分身ですし、神に近い者としておきましょうか」


「キュアが倒した、八部伯衆とか言う 『芋』 と同格だな」


≪……訳の分からぬ事を。

下らぬ、サッサと死ね≫




 【リッチ】が、発光しつつ同じ姿勢のまま高く舞い上がる。 と同時に、地面に赤い丸が描かれて囲まれるキュア。




「よく分からんが……避けない意味は無いよな。

チェン、念のために上空でも避けてくれ!」


「ガッテンだー!」




 徐々に不気味に発光しだす赤丸。

 その間、【アビスダイナソー】も動く。 武器はその巨体。 数歩動けば、辺りは嵐の通過痕の如く。

 それでも【バックステップ】などを使い、ギリギリで回避したイーストン兄妹とゾリディア。




「───ちぃッ、化けモンがよ!」


「だがココなら足場を気にせず戦える!

もう味方専用針ネズミ製作機などと呼ばせん!」


「……オメェがヤると、シャレになってねーンだがな」

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ