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310 村人、教会軍よりも恐ろしい敵と戦う。

 

 バカ回ゆえ、登場人物の知能指数が著しく低下しております。

 

 

「───兄さん、話は終わってないわよ?」


「キュア……今まで、ええエッチな夢を見てたのなら許さないぞ!」


「前 (アジルー村村民総逮捕の時) に、ヘイストは 『良いんだ』 と言っ───

……ゴメンナサイ」




 キュアが 『両手に指輪を嵌められるスキル』 について二人の朱雀と語っていると……【ドラゴンハーツ】内でキュアと共に旅をしている【魔神城の鍵】朱雀が、想像以上に美しかった事実にクリティカルとヘイストが噛みついてきた。


 別に (ドラゴンハーツ内の) (朱雀が露出度の高い服) (だったのは関係無いし)エッチな夢など見ていないが、以前のヘイストの言葉の挙げ足を取ったら鬼の形相でメンチを切られた。 先程までの憔悴した感じは一切無い。

 元気になって良かった…… (とは何故か) (思えないキュア。)




「主様、此方を」


「朱雀(本体)?」




 目が据わった、大事な妹と同僚の扱いに弱り……他の同僚たちは定番のニヤニヤ。

 回りに味方は居ないのかとキュアが視線をさ迷わせると、朱雀本体が何やら小瓶を差しだしてきた。 小瓶が【ドラゴンハーツ】製なのは瓶の透明度などで分かるが、何の薬かは混乱中のキュアには思いだせない。




「精神安定剤みたいな物です。

二人に振りかけると、たちまち大人しく成りますよ? (……たぶん)


「そ、そうかっ!? 助かる!

……ていっ!」




 如何な天然とはいえ普段のキュアならば愛する妹と大事な仲間相手なのだから、もう少し小瓶の中身を警戒していた筈であろう。

 瓶の中では完全な液体だったその中身は、水滴サイズの霧となって広がり二人に降りそそがれ───




「な、何これ……!?」


「キュア、いきなり何を……!?」


「二人とも取敢ず落ちつけ!」


「もうっ、兄さん酷……い───」


「こんな事をせずと……も───」




 突如、ビクンっと固まるクリティカルとヘイスト。 みるみる顔を赤くし……うずくまる。




「───に、にに兄さんっ!?

これ……ナニっ!??」


「へぁ……??

せ、精神安定剤だが……だよな、朱雀?」


「ええ。

【豊胸剤】という名の、ですが」


「「「ええぇぇぇっ!?」」」




 どよめく一堂。

 クリティカルとヘイストは胸部を押さえたまま顔を真っ赤にして踞まり。

 一部の女子は。




「クリティカル、正直に答えなさいっ!

効果はっ!? てきめんっ!? 元気ですかっ!?」


「ヘイスト、服を脱ぎなさいっ!」


「「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!??」」




 大混乱である。

 元凶のキュアはオロオロし。

 真の元凶の朱雀は満面の笑みを浮かべ。

 何故か男性使用人の何人かが前屈みになり。




「【ドラゴンハーツ】内ならば 『小瓶一つ』 で 『一人一回』 ですが……現実ならば小分け出来るようですね」


「「「!!?」」」




 キュアが使った小瓶は一つ。

 しかし豊胸剤が掛かったクリティカルとヘイストの二人に効果が出ている。

 【魔神城の鍵】朱雀のセリフに、二人へ駆け寄っていた女性使用人達の剥いた目……その眼光は、領主館に教会軍が迫ってくると聞いた時以上に鋭かったのかもしれない。




「この浮かぶ水滴───

全て浴びれば5回り(カップ)ぐらい増える所を、二人がすぐに踞ってしまったので……凡そ1(Aカップ→Bカップ&)回り程度(AAカップ→Aカップ)の増量にしか為らなかったようです」


「「ううぅ……」」




 クリティカルとヘイストは、キュアに頼みこんでコルセットより肌触りや使い心地が段違いに良い【裁縫】スキルによる【ドラゴンハーツ】製の下着を身に付けていた。 愛する男に、直接肌に触れる下着を頼むのは恥ずかしかったが……キュアも恥ずかしかったので相子あいこだ。 (そうか?)


 強すぎない閉めつけは、二人に体型の変化を敏感に察知させていた。

 余りの恥ずかしさに、混乱しかない。




「すっ、朱雀さまっ!

私達にも御恵みを!」


此れ(豊胸剤)は主様の物。

主様に忠誠を誓うのです」


「キュアさん……いえっ、キュアさま!」


「や……止め───

朱雀も変な事を言うなっ!?」




 だが二人目以降は、恥ずかしさより羨ましさが勝ったようだ。 たくさんの味方・・が居る 『集団心理』 というヤツかもしれない。




「も……もともとクリティカルとヘイスト以外にも、この【豊胸剤】は頼まれていたんだし、皆がソレで良いなら……」


「有難う、キュアさん!」


「……【豊胸剤】って、母乳が豊かになる薬じゃなかったのか?

なんでみんな、こんな欲しがるんだ?」


「キュア……あのなぁ…………」




 残る【豊胸剤】を皆で別ける事を了承し、朱雀指導の下で順番に水滴を浴び……恍惚の表情で胸を押さえている女性達。 最後の小瓶も使う。

 未だ【豊胸剤】の 『真の効能』 と 『一部の( ・・・)女性達が拘る理由』 が理解できていないキュアは、目の前の光景に首をかしげ……そんなキュアを呆れた目で眺める男性使用人達。

 満足するW朱雀。


 余談ではあるが───


 サイズが変わり、下着を買い替える必要性が出た女性達。

 せっかくならばとピッタリ体型に合う下着を欲し……大量のブラとショーツのオーダーメイド依頼がキュアに舞い込むのだが、それはまた少し先の話。

 

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