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279 村人、最後の鉱山をクリアする。

 

「ピョウ、ユン!」


「す、すまねぇでさぁ!」


「申し訳ねぇでごぜぇやす!」




 【イビルゲイザー】と【イビルローパー】が同時に出現した、最後の鉱山。


 【イビルローパー】が草原のごとく触手を地面に広げ展開し、敵を絡めとり、【イビルゲイザー】の石化光線の前へと曝してくる。

 天性の回避技術を持つキュアと、空を飛べるチェンと朱雀には然して問題ないコンボだが……下位魔人族であるピョウとユンには恐るべき効果があった。

 みるみるウチに減ってゆく石化治療薬。




「だから、未熟者など主様の御側に置くべきでは……!」


「キュアの希望にチェン達も納得したんだし、仕方無いかなー」


「それでもです」




 キュアは足手纒いを連れゆくのには慣れている。 現実でも【ドラゴンハーツ】でもチェンと朱雀並にキュアと共闘できる仲間は居ないし、そもそも戦闘向きではない人間が戦場に付いて来るの事も、現実と【ドラゴンハーツ】の両方で有ったからだ。


 しかし朱雀の見解は違う。

 神である自分を (限定条件下とはいえ) 倒すキュア、そのキュアに頼りにされているチェン、チェンには実力で劣るもののキュアのチカラに成りたい一心で頑張る【ドラゴンハーツ】のヒロイン達やクリティカルやヘイスト。

 キュアの役に立つ、彼女達ならば朱雀も (個人的(・・・)感情を抜きにすれば) 文句は無い。


 ただし下位魔人族、テメーはダメだ。

 基本、二人はキュアの恩情にオンブにダッコで、 (朱雀から見て) キュアに全く恩恵が無い。 誰かを守る時に真のチカラを発揮するタイプの人間であるキュアの成長の為には、多少の足手纒いも必要かと思ったが……限度という物がある。


 朱雀がキリキリする一方、ピョウとユンを治療するキュアは。




「……仕方無い」


「な、何でやすか……?」


「き、キュア兄サン……?

目が怖ぇでや───」


「───最強の人間種なら、我慢しろよ?」


「「はひ? ほへ??」」




 キュアは。

 右腕にピョウを。

 左腕にユンを。




「あー…………。

キュア……趣味なのかなー?」


「違いますよ………………………………………………たぶん」




 キュアの肩で、二人の頭を支え。

 二人の膝裏に、キュアの手を回し。




「特別スピードを出す。

……落ちるなよ、【倍加強化】(インクリースヘイスト)!!」


「「ふぅーーーーーーーーーっ!?」」




 おっさん二人をダブルお姫様抱っこするキュア。 顔を青冷めさせる二人のおっさん。 無表情……というか、虚無の表情になるチェンと朱雀。




「【ロケットダッシュ】、【ロケットダッシュ】、【ロケットダッシュ】!」


「「ぎゃああああああああああああああああああああああああっっ!!!」」


「【マジカルファイター】っ!」


「「ひぎゃあああっ!

目がっ!? 【イビルゲイザー】の目がああっ!!?」」




 おっさん二人を両腕で支えている為に武器や杖が持てないキュアは、素手攻撃力を上げる魔法を唱えて【イビルゲイザー】を蹴りあげたり、一瞬だけおっさんを宙に放り投げてブン殴ったり。

 キュアの攻撃を受けた巨大な眼球は───何故かキュアではなく、自分達ばかりを超近距離から睨んでいるようで……おっさん二人は、恐怖のあまり呼吸の仕方すら忘れてしまったようだ。


 無数のミミズヘビがmm(ミリメートル)単位で鼻先を掠め。

 石化光線が放たれると同時にその後ろへ回りこみ。

 あれ? 最強の人間種って何だっけ? と、気絶しかけた頭で考えているとチェンと朱雀からの声。




「キュアー! 【イビルゲイザー】を倒したぞー!」


「無数の触手の中に、核と成っていたらしき色違いの触手が居ました。

其奴を仕止めたならば途端に」


「そうか」




 ピョウとユンにとっての福音。

 彼女等が女神に見える。

 魔神は何処いった。

 キュアの腕から降ろされたおっさん二人は、腰が抜けつつ物陰へ。




「後は何時も通りだ。

───…………【会心】(クリティカル)




 二人を降ろし、両腕が自由になったキュアは抜剣し……敵へ駆ける。

 幾合かの後、倒れる【イビルゲイザー】。

 

 

 朱雀の物言いは、アクションゲームやウォーシミュレーションゲームなどに多い、低AIの非戦闘員が付いて来るイベントをプレイすると分かって頂けるかと。


 安全地帯に行くため、その手前に陣取る盗賊の集団に突っ込むとか。

 軽くブチ切れます。

 


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