表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
271/420

271 村人、魔人族のチンピラを許す。

 

「……城壁内部に入るにはどうしたら良い?」


「城壁は、魔人族の翼でも飛び越えられるモンじゃ無いんでさぁ」


「城壁にも鍵の掛かった【門】が有りやして、開けるにゃあ【魔神城の鍵】が必要なんでごぜぇやす」




 キュア達を遮る【魔神城】の城壁前で、タカリをしていた成人の魔人族男性二人組。 キュアとチェンが軽くのしてやると、実力主義の魔人族らしく大人しく負けを認めてキュア達が欲する情報をペラペラと喋りだした。

 【魔神城】上空は特に何も無いが、城壁上空のみ見えぬ壁が有る。 アクションゲーム等に有りがちな、 『進入禁止ライン』 という奴である。




「【真・魔神城の鍵】の鑑定文に、 『何度も使える』 と有ったのはソレか。

もし【半壊した魔神城の鍵】だったら、城壁外部しか探索できなかったんだろう」


「なるほどなー?」




 本来、【真・魔神城の鍵】はチェンを生贄にするルートで入手する。

 生贄にしないルートで入手する【半壊した魔神城の鍵】は【魔神神殿】からコチラへ潜る時に消滅するので、チェンと【魔神城の鍵】がこの【魔神城】を同時に探索する事は有り得無い。


 その事にウッスラとしか気付いていないキュアに、凡そではあるが気付いている朱雀が先を促す。




「主様、いかが成されますか?」


「其処でしか得られん装備品(スキル・魔法)も有るかもしれんし、まずは城壁外部を探索したいんだ」


「城壁の外にゃあ、オレ等みたいな……いンや、オレ等が理性的にすら見える飢えた狂人も多いんでさぁ?」


「なんせ魔界は満足に植物が育たねぇんで、作物も家畜のエサも育たねぇから食いモンは城壁の中に集まるんでごぜぇやすぜ?」


「そうなのか……。

まあ俺等の飯に、チェンのゴハン用インゴットも多目に持ってきてはいるから心配は無いか」


「キュア、コイツ等はどうするんだー?」




 必要な情報は得たと彼等を無視し立ち上がるキュアに、己等の用済みを理解した男魔人族が生唾をのみ。




「…………行け、だが次は容赦しない」


「キュア、良いのかー?」


「コイツ等は盗賊という程の事はしていないしな」




 『魔ナシの』 キュアを狙ってきたタカリ共は、キュアより上の立場の者達ばかりであった。 食い扶持の為だとかではなく、自らの支配欲を満たす為だけの唾吐すべき行為である。


 然れど彼等は食うに困って仕方無くといった感じであった。 無論、ただソレだけなら盗賊も同然であるが……彼等の何となく愛嬌ある雰囲気や、キュアとチェンを上位者と認めている所作にも毒気も抜かれたし、キュアとしては無駄な殺生はしたくない。

 男性魔人族二人を許し───た、所で【ドラゴンハーツ】からの声。




☆【魔神城の中へ】クリア

『金5000』


★魔人族のチンピラどちらかを殺す

『魔人族の角』


☆魔人族のチンピラを懲らしめる

『魔人のボロ服』

『魔人のボロ靴』




「そういや、【魔神神殿】で扉を開ける時に 『?』 が出てたっけ。

依頼サブイベント扱いだったんだな。

コイツ等は懲らしめた扱いに成るのか」




 ちなみに、キュアは彼等の装備品を剥いではいない。 彼等が身に着けていたのと同じ服であるリザルトを検分していると。




「ひ……ひょっとして、兄サンは【鍛治】を御持ちで?」


「…………? ああ?」


「お、御願いでさぁ!

アッシ等の集落へ来て下せい!」


「下位魔人族に【鍛治】持ちは居ねぇんでごぜぇやす!」




 突如ドゲザし、キュアに懇願してくる男性魔人族の二人。 その頭上には 『?マーク』 が浮かんでいた。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ