27 村人、地図を見る。
「ケビンっ!?」
「リマ、会いたかったよ!
いつも炊事の煙が上がっている筈の盗賊アジトから、今日は上がって無かったからね」
「コチラのキュアさんが、その盗賊を退治して下さったのよ」
「そうだったんですか、有難う御座います!
何か御礼が出来れば良いのですが、あまり稼ぎも無く……」
どうやら彼が、盗賊退治を依頼するキッカケになった恋人だろう。 恥ずかしげに答えるケビンだが、数日前までのキュアも似た感じだったのだ。
強くなど言えない。
「ならば、杖の魔法に詳しい人を知らないですか?
盗賊のボスが持っていた杖の魔法名を知りたいんですが……」
「ああ、ソレなら祖父が以前僕の村で魔法屋をやっていまして……店は閉じましたが、僕の名前を出して下さい」
そうケビンが言うと、キュアからスキルボードのような物が出現。 ケビンがボードに、書き込むような仕草をする。
「マップボードに僕の村を書き込んでおきました。
では、お世話になりました」
「え? ……え、ええ」
二人はキュアに頭を下げ、立ち去る。
取敢ず、『マップボード』 とは何だろうと気になったキュアは、『スキルボード』 みたいな物なのだろうから、同じ要領で 『マップ』 の 『ボード』 ……と念じてみる。
すると、地図が書かれたボードが出現した。
「コレは……地図、か?
この世界は一般人でも地図を持てるのか?」
キュアの住む現実に於いて『地図』とは、その土地の弱点を浮き彫りにさせる兵器の一種である。
例え子供の落書きレベルであろうと、一般人が地図を書いたり所持すれば下手すれば国家転覆の意思アリと取られ、罪が軽くて終身刑だ。 そういった事情から、キュアには地図を読む能力が無い。
マップボードの何となくな雰囲気から……辛うじてこの絵が地図なのだろうなと予測するキュア。




