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267 村人、バーンとケンカする。

 

 仕事終わりぐらいから、風邪の症状が出始めました。 明日は投稿出来たら投稿しますが、もしかしたら出来ないかもしれません。

 御了承下さい。

 

 

「【魔食いの癒し服】×1着。

【魔の送り手服】×7着。

【鼠の黒靴】×7足。

【鼠の黒剣】×2振。

【鼠の黒槍】×2本。

【鼠の黒斧】×2挺。

【魂石】×7個……か。

───くっくっくっ……」


「(キュア、なんか悪げな顔だぞー?)」


「(幹部格の装備品はスキル性能が良く、売れば高値。

其れがの量ですから。

主様のテンションが上がった時ぐらい、多目に見てあげなさい)」


「(はーい)」




 8人のヤマネを倒したキュア達。

 ヤマネの装備品を回収し、【道具箱】(アイテムボックス)に仕舞い終えたキュアは、塔を調べていたオードリー達と合流する。

 ちなみに。

 戦闘終了後、朱雀が火燐で三十階にいた私設兵団を最上階に誘導させる事に成功しており、現在はオードリーとバーンを手伝っている。 怪我人はキュアの【拡散癒し】(ワイドヒーリング)で粗方治療済みである。




「オードリー、どうだ?」


「よう分からんけど、この【星読みの塔】が巨大な魔力集積装置みたいやんねぇ」


「朱雀、俺達の故郷(げんじつ)の魔石みたいなモンかな?」


故郷(げんじつ)風に言うのならば、魔石内蔵型である 『中級以上の魔道具』 が近いでしょう。

集めた魔力を、指向性を持って何処かに送る能力も有るようですしね」


「ヤマネ同士で、魔力を送りあってたみたいなかー?」


「ええ。

真ヤマネは、そのチカラで【魂石】とやらに己の魂を転写し、7人のラットマンを偽ヤマネに作り換えた (という設定) のようです」




 【魂石】の【鑑定】文は、

【元々は魔人族の神、魔神が作りだした魔力を込めた者の記憶が転写される石】とある。 【魂石】の中でも最大級・高純度の物が、朱雀の魂が転写されてある【魔神城の鍵】の核であった。




「うーん……【星読みの塔】から、何処に魔力を送っているのか分かるのか?」


「あっち、としか分からんねぇ」




 マップボードを確認するに、北東を指差すオードリー。 バーンの指揮下、私設兵団団員達がテキパキと動いて【星読みの塔】の仕組みを調べ、分かったようだ。




「五柱神の神殿が有る北連山、だろうか?」


「ふむ、一考に値する意見であるが……ソレを判断するのは我等(私設兵団)ではなくヘップ様なのである故」




 隣国との交渉に失敗し。

 挙げ句、隣国敷地内の施設に人類の敵(黒鼠教団)が居るからという理由で私設兵団を塔へ突っ込ませた兄妹の異母兄弟……ヘップ。

 キュアは見も知らぬヘップが嫌いである。




「話に聞くヘップより……バーン、君の方が上に立つ者として───」


「キュア」




 腰の剣に手をかけ、キュアに殺意を向けるバーン。 慌てて止めに入ろうとする女性陣を制止するキュア。




「ソレ以上は、その首を斬らねば成らぬ」


「バーン兄ちゃん……」




 妾だった母が死に、貧困に喘いでいた所を実父に肉盾として拾われたバーンとオードリー兄妹。 命を軽視する命令も数多いが……バーンは、ソレでも飢えから救ってくれた実父実兄に恩を感じて忠誠を誓っているのだ。


 キュアはキュアで、妹クリティカルや領主館同僚ヘイスト達に朱雀……【仮想現実装置】(パーシテアー)と【ドラゴンハーツ】の面々に救われてきた。

 だが。

 アジルー村の村長達が 「放火する」 などと言いださなければ、今もキュアは肉盾として使われていただろう。


 キュアはアジルー村村民に反乱し、成功した。 しかし、バーンとオードリー兄妹の相手は貴族。 愚鈍なアジルー村村民とは───権力も戦力も、何もかもが違う。




「…………そうだな。

俺が言うべき台詞では無かった。

済まない」


「…………我も、大人げ無かった。

済まない」


「なら手打ちだな」




 大きく息を吐くオードリーと私設兵団団員達。

 朱雀とチェンは、一見冷静であるが……そこは生まれながらの戦闘民族の二人。 何時でも飛びだせるように成っていた。




「話を戻そう。

【星読みの塔】を占拠していたラットマンは、【黒鼠教団】だった。

コレから君達はどうするんだ?」


「当然、ヘップ様の下へ戻り御報告するのである」


「そうか。

何か手伝えるか?」


「───…………。

……いや、キュアは部外者・・・である故にヘップ様とは会わせられぬ」


「主様に其のようなクチを───」


「朱雀」




 バーンが、キュアに謝る 『前』 と 『今』 で……表情が違う。 怒らせたか。

 ───ソレ(・・)にしては、険しい表情である筈なのに毒気がない(・・・・・)




「分かった。

塔を出た所でお別れだな」


「うむ」




 オードリーや私設兵団団員達は、何か言いたげである。 キュアの意見は……決してクチに出さねど、『私設兵団の総意』 に近かったからだ。


 バーンの指揮の下、塔を下ってゆく私設兵団。 殿はオードリーとキュア達。




「キュア……ごめんね?」


「オードリー、バーンもだが君達は俺の故郷での事を知っているだろう?」


「う、うん……」


「だからこそ、俺はあんな事を言うべきじゃ無かった。

バーンの立場を考えれば、危険な台詞だ」


「しかし、あの者……!」


「朱雀も理解してくれ。

……逆らえないモノなんだ、ああいうのは」


「……………………主様の、良しなに」


「チェン、よく分かんないなー」


「分からなくても良いさ」




 私設兵団の 『枷』 が 『権力差』 なら、キュアの 『枷』 は 『魔ナシ』 。 放火発言も無くキュアが反乱を起こしたなら、逮捕されていただろう。


 朱雀とて、【ドラゴンハーツ】内の分身である自分は有る意味で、現実の本体朱雀に反乱した身なのだ。 バーンを責めるも───全く、欠片たりとも彼の事を理解できない訳ではない。

 やがて何一つの問題もなく、塔の入口へと辿りついた一堂。




「では我等私設兵団はコレで失礼する。

キュア、助力に感謝するのである」


「ああ。

上手く行くよう願っているよ」




 バーンは真っ直ぐ前を見。

 オードリーは名残惜し気にキュア達を眺めながら、馬でヘップへの報告に帰っていった。

 イッキに静かになる【星読みの塔】。




「……済まなかったな、朱雀」


「過ぎた事です。

ですが、あの男が主様の首を落とすというなら───その前に私が奴の首を落とします」


「そう成らないように努力するよ」




 ……と、いった所で【ドラゴンハーツ】の声。




☆【大乱闘セブンブラザーズ】クリア

『金12000』


☆ヤマネを倒す

『双子座の星』


☆【星読みの塔】の敵を全て倒す

『金5000』


☆私設兵団の死者を10人以下に抑える

『【錬金】レシピ』




「……双子座の星?

同じ【黒鼠教団幹部ハムスター】が持っていた【冥王星の欠片】と関係あるのかな?」


「キュア、コレからどうすんだー?」


「そうだなあ……」


「そーだなー……」




 今までと同じく、私設兵団(オードリーとバーン)のイベントは暫く起きまい。 ならば……暫しチェンと共に考え。




「……チェンと初めて会った時から、だいぶ俺もチェンも強く成った」


「おー!

チェン強くなったぞー?」


「【魔神神殿】の先へ、そろそろ挑戦できないかな?」

 

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