219 村人、SAN値ちょっと減少。
218話にて。
壁の穴 について
修正前はダイが【輝くトラペゾヘドロン】を打ち上げた直後に開いた。
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最初から開いていた。
【輝くトラペゾヘドロン】について
『闇をさ迷う者』 が必殺技扱いのため、ただ抜剣しても唯の剣として説明ナシ
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全体的にクトゥルフ表現のの追加
と、修正しました。
「い、いくぞ」
複数の虹色の球体で構成された扉。
僅かだが生物的反応があり、嫌悪感が無くもないが……意を決して飛び込むキュア達。
飛び込んだ先には───
「あ、アタシの住む街の近くだわ」
「アッチが君のお父さんの職場【鍛冶屋デンタ】への道だよな……マップボード!」
「丁度、中間辺りですね」
「ほ……北連山からこの辺りまで、歩きなら泊まりよっ!?」
【鍛冶屋デンタ】から北連山麓まで、約12km程の距離である。
整地されて安全が保証されていればもっと早く着くだろうが、山あり谷あり魔物盗賊あり。 ダイは一流に近い剣の腕前だが、安全を確保しつつと成るとやはりソレぐらいには成る。
「俺なら数時間……いや、今なら一時間を切るかも」
「チェンならひとっ飛びだぞー!?」
「……いや。
凄いとは思うけど、そうじゃ無いから」
何故か突然始まったキュアとチェンの自慢。 子供か。 いや、一人は確実に子供である。 もう一人は……子供並みに純粋なのだ。
「主様、御加減は?」
「ああ、扉に飛び込む瞬間は一瞬だけ目眩がしたが……体調に問題は無い。
……移動費を取られたとかも無いな。
皆は?」
「アタシもキュアと同じよ」
「チェンもー!」
「同じく」
特に問題なく、瞬間移動をしたキュア達。 振り返り、扉を見遣る。
人通りのない岩場の影、目立たぬ位置にキュア達が出てきた扉が浮かぶ。
「…………。
この辺は何度か通ったが……こんな扉、今まで見たこと無かったと思うんだが」
「ほぼ毎日通るアタシもよ。
奥まった場所とはいえ、こんな3m近い虹色の球体なんて気付かないワケ無いわ」
「【光燐神殿】の開放と関係あるんだろうなあ。
もしこんなのが知れ渡ったら…………」
瞬間移動。
世俗に疎いキュアとて、犯罪利用できる代物だと分かる。 例えば国境を素通りして軍隊を送る事も可能だろう。
「主様、【輝くトラペゾヘドロン】を御借りしても宜しいでしょうか?」
「ダイ、構わないか?」
「その剣はもう、キュアの物だもの。
キュアに任すわ」
「ならば朱雀」
剣を受けとる朱雀。
暫し眺め。
「恐らくこの剣の所有者の近くに居なければ、扉は認知されないかと」
「そうなのか?」
「私が剣を持って離れてみますので、御確認ください」
「分かった」
【輝くトラペゾヘドロン】を手に、フワリと浮かぶ朱雀。
朱雀が10mも離れないウチに、扉が消え失せた。 キュアから声がかかり、朱雀が戻ってくると再び出現する扉。
「この剣を主様が所持する限り、扉の存在は他人に認知されないでしょう」
「そうか……」
朱雀からキュアへと返された【輝くトラペゾヘドロン】。 柄に施された気味の悪い生物の意匠が、笑った気がした。
くとぅるふ・ふたぐん にゃるらとてっぷ・つがー
しゃめっしゅ しゃめっしゅ
にゃるらとてっぷ・つがー くとぅるふ・ふたぐん
気の所為と決めつけたキュア。
「冒険には便利だろうが……善からぬ連中に目を付けられんようにせんとな」
「もしバレても、チェンがキュアを守るぞー」
「有難う、チェン」
「もちろんアタシも言いふらすつもりなんて無いけど……ドッグマンがヤバイかもね」
「元々のダイの依頼の連中か」
「ええ……」
異邦神ヘルメスが齎た【オリハルコン】と【ミスリル】。 その異世界の金属を最も多く所持しているのは、ドッグマンの盗賊である。
そのドッグマンは【餓狼神】の神官達であり、【光燐】の騎士団を襲っていた。
「奴等は【輝くトラペゾヘドロン】と同じ【オリハルコン】製の武具を持っているわ。
【村雨】か、ソレ以外かは分かんないけど」
「【在りし日のオリハルコン】では無い以上、数は作れないハズだが……何らかの手段で秘密を嗅ぎ付ける可能性は有るよな」
「そういう事ね」
ダイは村雨を掲げながら、【鍛冶屋デンタ】へと歩みだす。
「ダイ?」
「【オリハルコン】の事や【光燐神】の事も分かったし……クソ親父ん所へ、一辺戻るわ」
「なら送ろう」
「いいえ、親父だけなら兎も角……今アッチに弟子や客が居ないとも限らないわ。
その剣は人目から隠さなきゃ」
「キューブ化したら……」
「プロなら気付くのも居るかもしれないわ」
ゲームでいう所の、『所持品フラグ』 という物である。
キュアが所持する 『品』 がサブイベント開始起点だった場合、たとえ【 道具箱 】の中に在ろうと、その存在に気付く者はいる。
「成程な……」
「暫く、コレを研究したいし……キュアに頼んだ依頼は完了よ」
「……分かった。
ダイ、君の役に立てたのなら幸いだ」
「…………っ。
あ、アタシこそ…………ううん。
色々アリガトね」
「ああ」
【鍛冶屋デンタ】へと立ち去るダイ。 追いたい気持ちも有るが───ダイの言う事も確かである。
……そしてその時、ダイにも大きな迷惑を掛けるだろう。
追うのを止めたキュア。
と、出現するリザルトボード。
☆【いあ! いあ!】クリア
『金80000』
☆【光を食らいし蜘蛛】を退治
『SP3』
☆蜘蛛を全滅させる
『SP2』
☆扉を発見する
『アルハザードのランプ』
「……ん。
サブイベントをクリアしたか」
キュアの頭に響く、【ドラゴンハーツ】の声。 寂寥感を感じていたキュアは、気を取りなおしてリザルトボードを確認する。
「き……金80000…………。
流石LV162の魔物が出ただけは有るな。
……いあ! いあ! って何だ?」
「『お腹すいた』 という意味ですね」
「……は?」
「キュア、お腹すいたのかー?
チェンもお腹ペコペコだー!」
「じゃあ、ダイの街へと行くか。
彼処は、鍛冶師や鍛冶ギルドが固まって住んでいるらしい。
ソコを避ければ、【輝くトラペゾヘドロン】に気付く人間も居まい」
「主様の、良しなに」
【ドラゴンハーツ】における 『瞬間移動』 は、『スカイ○ム』 のファストトラベルでは無くて 『ドラ○ンズドグマ』 の、特殊な道具で決まった場所へワープ (に近い方式) に成ります。