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精霊王シリーズ

そして彼らを統べる方は真実を知る。

作者: 絆 蒼奈

これで最後です~……。

『精霊王の坐す場所』『光の彼女はわからず闇の彼はしっていた』を先に読むのをおすすめします。



ここはどこにも属さぬ世界と世界の境界線(狭間)

彼、彼女らを産み出し見守り続けている存在。


彼、彼女らはこう呼ぶ『父』もしくは『母』と。


人々はこう呼ぶ。




『創成神』




と。








創成神は自分の創造した世界を覗いていた。

正しきものには救済を。

悪しきものには断罪を。

自分の子供である神にこの世界の管理を任せた当初は不安ばかりだったが、今では正しき道であったと思える。


ふと、違和感を覚えた。


交わるはずのない光に闇が混ざり。

交わるはずのない闇に光が混ざり。


せめぎあう。


まずは神に事情を説明してもらおうと思ったが、些細なこと。しばらく観察していようと思った。




あるとき。

光と闇が、邂逅する。

自分の棲みかである蒼空を、宵闇を抜け出して。

であった。




創造神でさえ、何が起こったのか分からない。



ただひとつ。

分かったのは、



光の精霊王、闇の精霊王が、同時に消え去ったことのみ。




なぜ。


どうして。



疑問が生まれる。





そして、疑問のみが、残る。










…………年後。

創成神は気まぐれに、地上へと降り立ってみた。



水の精霊王のもと。


火の精霊王のもと。


樹の精霊王のもと。


風の精霊王のもと。



それぞれの場所へと訪れた。

皆が歓迎し、出迎えてきた。

しかしそれぞれの顔の、笑顔の裏にはやはり焦燥、哀しみなどの感情が仄かに見てとれた。



そして、蒼空へと。



「……あれ? はじめまして! ですね、母さん!」



輝く金色の髪に、漆黒の瞳をした彼がこちらに気づき挨拶をしてきたので創成神は挨拶を返した。


創成神はなにか……説明できないようなモノを彼から感じ、その場を後にした。

残された彼は、哀しげに誰もいなくなった虚空を見つめ、ポツリと呟いた。



「……母さん、僕」



なにも、分からないんだ。



ここにある理由も、なにをするべきかも。






そして、自分の存在を見失う、暗黒へと。



『はじめまして、我らが父よ』



会話とは違う、脳裏に響くような声が聞こえた。



『生まれたときから喉が少し、な。我らが父にこのような醜態を見せてしまい申し訳ない』



平気だと、創成神は返した。

彼女からは彼から感じたようなモノは感じられなかった。そして、ふと、気づいた。その説明できないようなモノの正体を。その正体はきっと……






狂気。






『我らが父も気づいたようだ』



ふわりと近くに小さな少女が降り立ったことに気がついた。

その髪は宵闇に紛れる漆黒の髪に、ナニも写さない虚無の黄金の瞳。



『総てを、話そう』

我らが父に隠すことなど、ナニもない。




◆◇◆◇



なにも見えない黒い視界に不自由を見せることなく少女は創成神を椅子にすすめた。



『これは…………年前』


我と、光の精霊王が消えたことから始まった。




光は希望と命を。


そして闇は、我は狂気と安らぎを統べるもの。



『この違いが、分かるか?』


と、闇は聞いた。


創成神は分からなかったので、首を横に振る。



『光は、人々の生きる意味。闇である我は、人々を……』



少女は顔を歪ませた。

といっても闇を司るものではない創成神は、歪ませたように思っただけだ。けれど創成神は、辛いのなら、話さずともよいと思った。



『いや、言わせてくれ。もう二度と、間違えたくはない』



その虚無の瞳に、力強いものが見えたような気がした。



『闇である我は、人々を、絶望させ、狂気へと導く。……まるで、毒だ』



そこからはポツリ、ポツリとそしてときたま辛そうに黙りながらも呟くように話していった。






『だから、我は……俺は光のと一緒に消える道を選んだ』

だが、どうだ。

光は俺の狂気と闇を引き継ぎ、すでに狂い始めた。闇の狂気は、光である彼女に強すぎる。

闇は彼女の気持ちと人々の道を仄かに照らす月の光を引き継いだ。



『こんなの、彼女が、憐れじゃねぇか』

俺はこんな結末にするつもりなんて、なかったんだ。



苦しそうに、辛そうに、闇であった彼と、闇である彼女は叫びながら思いを吐露した。


その表情を見て、彼もまた、苦しむもののひとりなのだと思った。



『…………見苦しいものを見せた』



構わない、と創成神はいう。

そして創成神は……ある言葉を紡ぐ。


その言葉を聴いたとき、闇のは驚いた顔をしたあと、くしゃりと顔を歪ませ、涙を落とし……小さな、小さな声で言葉を紡ぐ。










『………………ぁ…………とぅ………………





我ら……いや、我の父よ』































遠い、遠い、昔の物語。

けれど、私はしっている。

けれど私はわからない。


でも、それでいい。

彼であり、彼女である光がこの蒼空のしたで、狂うことなく、心からの笑みを浮かべているのなら。























【今このときより、精霊王は六柱ではなく、四柱……四大元素である火、水、樹、風の四代精霊となる】


あのときの決断を私は後悔しない。

愛しい我が子が、楽しげに暮らし、笑いあっているのを見続けられるのだから。








『………………ありがとう、我ら……いや、我の父よ』

書ききったぁ~。

こういったのはあんまり書かないから大変です。


何よりこれを書いてる間『自称凡人~』をあんまり書けてないことです(((゜Д゜)))ガタガタ

たけし城なみの震えが……


みなさん、こんな稚拙な文を読んでくださりありがとうございます。

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