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エガオ
誰かの笑顔に
手をふった僕は
どことなく泣きそうで
なんとなく枯れそうで
咲かせた花を忘れて
立ちつくしていました
抱きしめた花束
舞った花びら
朝に無表情の朝顔
風にのって
会いに来た
残虐の月
花を枯らすだけの僕は
香りに抱かれた悪夢を恐れて
知らないふりを決めた子供のように
種をその手のひらで
握りつぶして
抱きしめた花束
舞ったひとひら
朝に泣き顔の夕顔
雲を越えて
微睡んだ子供達
青を過ぎて
迷った 僕たち
探していたのは
昨日なくした昨日の僕の
昨日のエガオ
吐き気がするほど
取り繕ったエガオで
今日も明日も明後日も
何も変わらない
そんな毎日に 微睡みながら
残虐の月と同じくらい
卑しい微笑みを
言葉にかえて
貴方に幸福の音色を捧げているのです
嘘に満ちたエガオで
某嬢に読ませろコールを社交辞令でも頂きましたので、過去詩より。
捻くれていてスイマセン。
こういう感覚や味を知っているオトナになって良かったのか悪かったのか。多分良くて。こういう歩みを知って、だからこそ優しくもなれるんじゃないか、と今は思ったりします。




