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転生せれくと。  作者: 灯些季
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「せぇぇぇいりゅうぅぅぅぅっっきっさまぁっっ!!散々じらしておきながらそれが本音か!!この変態がぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

「裕よ、お前には言われたくない。別にいかがわしいことしようってわけじゃないけどねぇ。姫だけど姫じゃない彼女に興味を持ったのさ。一応昔は姫の保護者みたいな存在だったからねぇ」

「昔も今もこいつの保護者は俺だっっ!!」


裕は青龍である遥に食ってかかるが遥は平然としている。


「ね、あれってよくわからないけど遥君二重人格みたいなもの?」

「そうですね。」


(記憶はともかく喋り方とか見た目はまんま遥先輩なんだよね)


このままでは言い争いは止まりそうもない。


(で、デートてっっ!けっけどっっ鬼を封印しなきゃ全て壊されちゃうっっっ)


「遥先輩っじゃなくて青龍、その条件飲むよ。」

「深衣菜っっ!!」

「兄貴は黙ってて!!誰も犠牲を出したくないからっっお願いします!」


深衣菜の頭を、遥は優しくなでる。


「いい子だねぇ。僕のことは遥でいいよ。今は別人格みたいにしてるけど壱弥君や依都美ちゃんと同じだからねぇ。」

「じゃあやっぱり二重人格みたいなものかしら?」

「そうだねぇ。もし僕が深衣菜ちゃんと正式に契約することになったら遥に青龍の記憶は統合されるからね。」

「なんでそんな回りくどいことやってんだよ。」


不機嫌な表情のまま裕は聞いてくる。


「そりゃあ誰かさんにめいっぱい力あげちゃったからいろいろ支障でちゃったんだよねぇ。契約をすれば式神としての力が開花されるから問題なくなるのさ。」


(だったら契約してもいいのに!!あ、でもあたしがまだ力弱いからムリなんだっけ。)


「じゃーとっとと杖完成させようじゃないかっ」

「裕ちゃんヤケクソね。」

「まったくなんで深衣菜が・・・(小声で)手ぇだしたら殺す」


(兄貴が何かブツブツ言いだしたけど無視していいよね)


青龍は折れた杖を手にする。


「では始めようじゃないか。これを元の形にするのは樹さんにお願いしていいかい?」

「大丈夫よ」

「形が元通りになったら、深衣菜ちゃんは杖にずっと触れているんだ。」

「わかりました。」

「裕と僕は杖に気を注ぎ込む。このとき少し強化してみよう。」

「そうだな。青龍の意見に従うか。」


四人は杖を囲むように立つ。

そして樹による形の修復から始まっていく。



怜・炎莉・依都美はと言えば怜が運転する車で街中を走っていた。


「本当にこの方角でいいのか?」

「わずかだけど気配を感じるの。」

「僕が空から探した方が良くない?」


炎莉の言葉に依都美は首を横に振る。


「鬼は強力だからいざって時の為に力を温存しておいた方がいいわよ。それに、私の眷属にも探らせてるから大丈夫よ。」

「眷属?」

「朱雀の力を持つ私に従う存在よ。私は鳥全般なの。この付近にいる鳥全てに鬼を見つけるように指示を出してあるわ。」

「「凄い!」」


2人の叫びに当然というような表情の依都美。


「その力があれば犯人の居場所見つけやすいな・・・」

「僕好みの可愛いコ見つけやすいね・・・」


怜は助手席に座る炎莉を一瞬睨みつけるがすぐに目線を前に戻す。


「裕の式神も似たような力を使えるのか?」

「ええ。拓那は猫科の動物を従わせることが出来るわ。」

「ねえ戦ったらどっちが強いの?」

「えっっ考えたことなかったわ。けど・・・拓那は現役だし、主の裕様の力の方が今は深衣菜様よりも強いから拓那じゃないかしら?」

「なるほど。それでもさっきの鬼の方が強いのか?」

「ええ。鬼は不死身なのよ。だから私達は鬼の力を弱らせるまでが精いっぱいだわ。」


怜と炎莉は自分たちでも倒すことは出来ないのだと分かった。

鬼を唯一この地上から消すことが出来るのは自分たちよりも年下の深衣菜だけだと。

本当に厄介なことになったとため息をついてしまう怜であった。



一方、風花・燎・人間姿の拓那は燎の運転する車で拓那の支持をうけながら移動をしていた。


「あっちの方角にわずかだけど怪しい気配があるみたいっす。えっ裕の学校?・・・ってコラッご飯につられてる場合じゃないっす!」


助手席に座ってときどき独り言を拓那は言う。


「おいっっせっかく助手席座ってるんだからちゃんとナビしろよ!ったく風花ちゃんがよかったのにぃ」

「すまないっす。オイラ眷属と脳内で話すの苦手でつい口に出てしまうっす。それに案内するなら助手席に座るように裕に言われてるっす。」

「ああ、眷属ってお前の部下みたいなもんだっけ。伊那瀬から聞いてるけどお前って能力は凄いらしいけどなんだかなぁ・・・」

「いいじゃない。親しみやすくて私は好きよ。」

「そ、そうっすか?」


風花の言葉に照れる拓那。

しかし隣の燎は鋭い目つきで睨んできた。


「燎~~怖いっす~~」

「ヘタレかよっ」

「う~~皆にも言われてるっす~~」


最初に式神の姿で現れた時の威圧感が嘘みたいだと燎は呆れてしまう。


「皆って依都美ちゃんたち?」

「違うっす。先代様たちじゃなくて現役の四神っす。」

「お前・・・・・・頑張れ。」


なぜか同情の目を向けてしまう燎。


白虎としての戦いを見たのだから凄い力をもっているということはわかる。

しかし、人間の姿をしている今はイマイチ緊張感がない。


「燎も拓那君も金髪だから目立つよねぇ~。車で移動して正解よね。」

「それはそうだけど目立つのは俺たちだけじゃないけど?」

「そうっすね。」


風花もモデルと言っても過言ではないくらい美形なのだが本人に自覚はないらしい。


「なんで俺と風花ちゃんと依都美ちゃんで組まれなかったんだよ。両手に花になったのに。」

「じゃんけんで決まったことだから仕方ないっす。」


そう、式神の力を持つ2人が別々になれば良いというだけで特に組み合わせにこだわりはないのである。


「止めて。」


緊張した表情で依都美が言う。

車を止めるとそこは特にこれといった異変は見られない住宅街である。


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