表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生せれくと。  作者: 灯些季
30/35

目に見える物すべてを破壊している。

そう表現するしかない。


「い、いち・・・や・・・?」


ふと、動きを止め

ゆっくりと深衣菜の方に体ごと向けてくる。


その瞳に

理性は見えない。


思わずビクリと体を震わせてしまう。


(ちがう・・・いちやじゃない・・・・)


逃げなきゃと頭のなかで警告音が鳴り響いているのに腰が抜けてしまって身動きが取れない。


(こわい・・・息をするのもくるしい・・・・)


「ガアァァァァァァァッッ!!」


咆哮しながら向かってくる。

狂気に満ちた瞳。


愛しい者ですら破壊の対象でしかない。


「いっいっっ・・・・」


呼びかけたくても言葉にできない。


(なんでこんなことにっっ)



「このバカッッ目を覚ましなさいよ!!」


深衣菜の目の前に依都美が飛び出してきて炎の壁を作り壱弥の行く手を阻む!

しかし、獣と化した壱弥の力強すぎる拳の前ではほぼ無力であった。


ひびが次第に入っていく。


「くっ人間のままじゃ厳しいわねっっ」

「師匠ぉぉぉぉぉ!!!」

「壱弥君!!」


裕と召喚された拓那が現れ、依都美と深衣菜に拳が当たる前に2人を抱えて避ける。


そして、裕に預けると、壱弥と向き合う。


「グルルルルル・・・」

「師匠!!おいらっス!拓那っスよ!」

「ガウゥゥゥゥ!」


すっかり獣と化した壱弥を拓那は悲しそうな目で見る。


「深衣菜なにがあった?」

「鬼の大嶽丸って奴に杖を壊された。」

「なんだって!?そうかっそれで白虎に召喚されてた壱弥君は暴走してるのか!」

「依都美は大丈夫なの?」

「ええ、四神としての力を解放されてない状態だから大丈夫よ。けど・・・・・」


言葉を止めて壱弥を見る。


(だから杖を大切にしろって・・・)


壱弥と拓那は互いに掴み合いそのまま転がる。

しかし、壱弥のほうが力が強いようで、拓那を殴り飛ばす。


「まずいわね。いくら壱弥が半分人間でも本気になれば拓那が不利だわ。」

「えっでも拓那は現役の白虎でしょ?」

「確かに。でも拓那は壱弥君に昔から一度も勝てないんだ。暴走本能しかない状態ならなおさらだ。」


依都美と裕の表情に焦りが見える。


(うそ・・・そんなに?)


「ぐっ・・たしかに師匠はおいらよりずっと強いっスけど・・・こんなの違うっス!

目を覚まして下さい!!」


拓那は再び壱弥を押さえつけようと飛び掛る態勢をとる。

が・・・・


「伏せて!!」


どこからかそんな声が聞え、とっさに身を屈める。


「あぎゃっっっ!!」


金属がぶつかったような鈍い音がした。

目の前の壱弥が声をあげて頭を抱える。


「水砲弾!!」


水の塊が壱弥を弾く。


「今だっっ!!」

「抹消白炎っっ!!」


よろめく壱弥の頭に金髪の男が触れる。

すると、壱弥は声もなくその場に崩れた。


「「壱弥!!」」

「師匠!!」


壱弥に駆け寄ろうとする深衣菜たちの前に青い服をきた者が立ちはだかる。


「その制服はまさかっっ」


そして、人の姿に戻り気絶している壱弥の両手首に手錠がはめられる。


「なにすんのよ!事情も聞かないだなんて[J]も落ちたわね!!」

「一般市民への暴行、および公共物の破壊行為で充分だ。お前たちも関係あるらしいな。来い」


男、と言うよりは少年が言い、金髪の青年が深衣菜たちの背中を押す。


「あなたはっ」

「以前会ったことあるな。話しとあいつの治療が必要だろ」

「・・・・・はい」


促されてワゴン車に乗り込む。

すると、後部座席に高校生くらいの少女が座っていた。


少年は運転席に座ると、その少女にトンファーを渡す。


「佐樹、ふつうコレ投げるか?」

「なによぉっ私の一撃で全部攻撃繋がったんだからいいじゃないっ」

「あと少し様子見るって言っただろ?」

「いーじゃないっこの子たちに怪我負わさなくて済んだんだからっ」


少年はため息をつき、無言で車のエンジンをかける。


「怜、安全運転ってわかってるよね?」

「・・・わかってる。」


ふてくされ気味に少年はいい、ゆっくりと車を動かす。


「僕に任せてくれれば安全なのにぃ。」

「「黙れ無免許」」


少年と少女の声がきれいにハモった。


「兄貴どうしよう。壱弥も倒れたままだし。」

「心配ない。」


裕は深衣菜を安心させるかのように頭に軽く手を置く。


「怜隊長、身内が迷惑掛けてすみません。」

「なんで裕様が謝るのですか!?」

「いいんだ。駆けつけて下さってありがとうございます。」

「いいって。後輩を助けるのは先輩の仕事だからねぇ。そうだよね怜君?」

「隊長と呼べと言ってるだろ。」


(え?後輩?先輩?)


「裕、深衣菜殿と先代、じゃなくて依都美殿には仕事のこと話したっスか?」

「すまん、まだだ。」


そのとき、運転している怜の隣に座っている女性、佐樹が好奇心の目で白虎を見ていることに気付く。


「拓那っ姿っっ」


依都美に注意され、半獣化の姿から慌てて皇丘の制服を着た金髪の青年の姿へと変わる。


「その制服なつかしーっっ!なになに姿変えられるの!?あなたがもしかして式神?」

「裕ぃぃ」


困惑の表情を向けられてため息をつく。


「とりあえず・・・俺の就職先兼現在のバイト先は[J]で来年の4月から正式に稼動される陰陽課。能力では対応しきれない怪奇現象を扱うとこ。」

「つまり先に居る僕たちのほうが先輩なんだよねぇ」

「そしていままで暴走してたのは俺の従兄弟です。」


思いもよらぬ方向に流されてくことにただただ茫然とするしかない深衣菜であった。


[J]本部に着くと、壱弥は早速医療室へと運ばれ、深衣菜たちは怜チームのメインルームへと連れてこられた。


すると、隊員である風花の他に連絡を聞いたのか燎と遥が居た。


「みんなお帰り~」

「この人たちが陰陽課の人たち?」

「いや、正確には一人と一匹・・・いや、2人?」


怜は人間のすがたの白虎を訝しげな目で見る。


「あ、おいらは一匹でいいっス。もとはこっちなので。」


鎧を身につけた半獣へと戻る。


「きゃーっすごーーいっ!カッコいい!!」

「へっ?そ、そうっスか?」


風花に言われて顔を緩める白虎。


「風花、勇火会長に嫉妬されるわよ。」

「でもカッコイイわよ~」


怜がせき払いをし、全員を厳しい視線で見た為、静まり返る。


「改めて自己紹介をする。俺はこのチームの隊長の怜だ。こいつは炎莉、その隣が佐樹、その隣が風花だ。」

「怜ってばずるーいっ私にも自己紹介させてよ~。風花でぇすっ。風の能力使えるのよろしくね。」

「僕は炎莉。火の能力が使えるんだ。君けっこう可愛いね。ここでバイトしない?」

「俺そっちの気はないんですよね~」


(遥先輩が男にナンパされてる!!)


「貴様ら・・・・・あとナンパすんな。」


(あー・・・怜さんため息ついいてる。みんなフリーダムっぽいし苦労してそう。)


「ちなみに、佐樹以外は全員レベルAだから逃げようだなんて思わないように。」

「わ、私だってやれば出来るんだから逃げない方が身のためよっ」


(佐樹さんはトンファー出してるけど武闘派!?)


「あっいえっそういうつもりはないので穏便にっ。こっちも自己紹介しようか。」


(レベルAって能力者のなかで一番レベルが高いんだっけ。そんな人たちと戦いたくないよっ)


「俺は伊那瀬裕。今はバイトの身だけど、来年の4月から稼働される陰陽課のメンバーです。こいつ、式神の白虎を相棒に怪奇現象に対応していきます。」


(兄貴が立派に見えるっっ)


関心してた深衣菜だが、裕に腕を小突かれる。


「あたしはその妹の深衣菜です。一応、少しだけ兄貴みたいな力使えます。」

「少しだなんて深衣菜様ってば謙遜しすぎですっ!!」


(そうはいうけど杖がなきゃほぼ何も出来ないもんだし)


「あれっもしかして依都美ちゃん!?本物っ?サインもらっていい??」

「風花、後にしろ」


(あ、依都美が営業スマイルなってる!)


「じゃあ自己紹介するね。花園依都美です。読者モデルやってます♪その実態は深衣菜様に従う朱雀の生まれ変わりで火を操れるの。」

「生まれ変わり?その朱雀というのはそこの白虎と同じなのか?」

「同じだなんてとんでもないっス!先代朱雀様はおいらなんかよりもずっと凄いっスよ!!」


冷静に聞いてきた怜にくってかかるかのように叫ぶ拓那。

その迫力に怜チームはつい後ずさる。


「確かに今はぎゃっっ!!!」

「白虎ちゃ~~んっっ最近調子にのってんじゃねぇ~~の~~?」

「痛いっっ耳はやめてぇぇぇぇぇ~~」


裕に耳を引っ張られながら引きずり戻されていく。


「あ、じゃあ俺も自己紹介しときますね。青野遥です。深衣菜ちゃんたちとはひとつ上の学年でよろず同好会の部長です。特別な力はないけどよろしくお願いします。」

「あ、ああ。」

「最後は俺か。火澄燎。まあここにいる全員と知り合いだから詳しいことはいいよな?」

「全くだ。わかってるなら喋るな。」

「怜くんひどい!!」


(なんか話し進まないよね?みんな個性的過ぎない?)


「それで、なぜ暴れていたんだ?」


(さすが隊長っ脱線してたけど話し戻してきた!)


深衣菜は自分の能力のこと、前世との繋がりのこと、鬼を封印していることを話し、杖を折られたことによって今回の事態になったことを説明した。


「というわけなので、壱弥は悪くないんですけど。」


(だって手錠掛けてたし・・・・・・)


「あの手錠は能力を抑える為のものだ。そういう理由なら逮捕はしない。」


怜の言葉に深衣菜たちはほっとため息をつく。

怜はじっと深衣菜をみる。


「先ほどの話しから考えると君は要なんだな。」

「でも杖がなきゃ大して・・・それに実際に戦うのは壱弥たちだし・・・・・」

「杖はただの媒体じゃないのか?君本来の力が凄いから世界の秩序を守ってきた四神たちが従ってるだろ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ