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転生せれくと。  作者: 灯些季
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第七幕 破壊

依都美も現れたことでよろず同好会への依頼はうなぎのぼりと言っても過言でないほど依頼は増える日々。


朱雀が加わったということで鬼退治の方もほぼ苦戦することなく片付いていく。

全てが順調かもしれないと思っている深衣菜であった。


そんなある日の放課後、深衣菜は一人で部室に行くと遥だけだった。


「あれ?壱弥と依都美来てないですか?」

「うん?来てないよ。」


(2人ともあたしより先に教室出たのになぁ)


「そういえばここにあたしと先輩だけなんて久しぶりですね。」

「そうだねぇ。今日は珍しく依頼はないからお茶でもどう?」

「はい。いただきます。」


(こんな余裕ある放課後久しぶりかもなぁ)


遥と深衣菜がまったりとくつろいでいる頃、壱弥と依都美は屋上にいた。


「なんだよ話って。」

「よく私に付き合ってくれたわね。てっきり深衣菜様のそば離れるわけにはいかなーい!って言うかと思ったわ。」

「おまえが真剣な顔で言ってきたってことは四神関係のことだろ?それに、部室に居るなら安全さ。記憶が無くても青龍がいるからな。」


依都美は壱弥に真剣な眼差しを向ける。


壱弥もつられて表情を引き締める。


「あなた手首に何物騒なものつけてるのよ?」

「あー・・・やっぱバレた?」


苦笑いしつつも転生時の時のことをはなしだす。

依都美は静かに聞く。


「それで、期間はあとどのくらいなの?」

「大体10ヶ月くらい」

「そんなことするなんて、玄武は何が目的かしら?」

「知るかよ。あいつは俺が大嫌い、それしかない。」

「でも命にかかわるほどの呪いはやりすぎよ!」


自分のことで怒っている依都美を壱弥は珍しそうに見る。


(朱雀って確かにムカつくけどそんなに悪い奴じゃないんだな)


「で、深衣菜様には姫様の前のことは話してないのでしょうね?」

「話せるかよ!言う必要もねぇし。」

「そうね。」

「あの事知ってるのは俺たち前四神と裕さんだけさ。」

「まって!なんで裕様も!?」

「裕さんは昔の俺の主だったじゃん?契約してもらう代わりにワケ話したんだよ。そのときの記憶残ってるからな」

「アンタ・・・いいわ.裕様が味方なら心強いから。」


依都美は呆れた顔を向けるがため息を一つつく。


(玄武の奴は俺たちの状況を傍観してやがるんだよな。本当にムカつくガキだ!!)


その時依都美が屋上の出入り口のあたりを睨んでることに気付く。


(何かの気配ッッ・・・・・しないぞ?)


「いつまで覗いてるの!?ポンコツ白虎は誤魔化せても私にはムダよ!!」

「やっぱり君にはバレてたんじゃな?前朱雀、おっとモデルの依都美ちゃんと言うべきか。」

「お前はっっ!!」


建物の陰から全身黒ずくめの青年が姿を見せる。

鋭い眼光に腰まである艶のある黒髪を束ね、二人に微笑みかける。


「久しぶりじゃな。」

「お前は八咫烏やたがらす!っていうか依都美っ一言余計だ!!」

「気付けなかったくせに。」


壱弥と依都美は八咫烏と呼ばれた青年を睨む。


「昔みたいに夜汰やたって呼んでくれないかのう。」


八咫烏といえば三本足の烏で、初代天皇を大和へと案内したことで有名である。

勝利のシンボルとしても信仰されている神の使いだ。


そして、いつの時代も見てきた全てを知る傍観者と壱弥も依都美も思っている。


「てめぇに隠し事はムリだったな。」

「干渉してこないなら別にいいわよ。」

「二人とも理解があっていいのう。そうそうお兄さんは見てるだけだから気にするな。」

「なーにがお兄さんだ!最初から代替わりしてねぇのてめぇくらいじゃねぇか!爺さんの間違いじゃねぇの?」

「口のきき方気を付けるんじゃな。呪い発動させるぞ?」


夜汰が右手を挙げる。

途端に壱弥の顔色が変わる。


「すっすみませんでしたぁっ夜汰お兄様!!」

「ウム、理解あってよろしい。」


見た目は若者だが口調は老人のような夜汰。

半分人間である壱弥や依都美にはできないことを簡単にやってのけてしまえる。


「ねぇ、夜汰なら壱弥の呪い解けるんじゃないの?」

「出来るんじゃが・・・ここで解いてしまったらつまらんじゃろ?」


((そうだ、こいつは愉快犯だ。))


「ふふふワシはもがく様子を見るのが楽しいならな。手助けする筈なかろう?」

「そういうと思ってたぜ。てめぇなんかに頼らなくても何とかして見せるぜ。」

「楽しみじゃのう。」


(この様子じゃ玄武の正体聞いてもムダか。)


夜汰は笑顔を見せ、姿を烏へと変えていく。


足は確かに三本あるが、それはさほど大きくない生物のためよく見なければわかりにくいのかもしれない。


「ワシはおヌシらの行動を暫く見させてもらうぞ。」


翼を広げると天へと羽ばたいて行ってしまった。


「暫くっていつまでだよ。」

「飽きるまでよ。どうせ関わって来ないわよ。」


2人とも大きくため息をついた。


「それで、これからどうするのよ?」

「鬼を封印していく。俺たちの役目はそうだろう?」

「それだけじゃないわよ?深衣菜様の真の覚醒を防ぐ事もよ。だからあなたが欠けると困るのよ。」


依都美は壱弥をきつく睨む。


「・・・・・・わかってる。なんとかするぜ。」

「頼んだわよ。私これから撮影あるから行くわ。」


屋上に一人残される壱弥。


(問題ばかりじゃないか・・・)


「どう片付ければいいんだよぉ~・・・・・」







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