第五幕 転校してきた美少女
久しぶりの投稿です。そして暫く連日投稿します。すみません。
「逃げろーーっっ!!」
「なんでこんなことになるんだーーーっっ!!」
そんな悲鳴を上げながら、壱弥と深衣菜は全力疾走している。
(まさか昨日話してたことが現実になるなんて!!)
そんなわけで、一日前に時間は遡る。
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「壱弥、明日大丈夫?」
「なにが?」
深衣菜が心配していること。
それは翌日の球技大会である。
球技大会――、それは[球]の競技でどれだけ己の実力を知るかである。
いわゆる、バスケットボール・バスケットボール・サッカー・ソフトボールの球技を全校生徒が学年別にクラス対抗で行うもの。
「だって、丸い物みると飛びつくでしょ?」
「それは白虎になったときだけだぜ。一ヶ月前の部活のテストのときちゃんとバスケできてただろ。」
「そういえば・・・・・」
「都合悪く鬼がでて獣化しなきゃならない事態にならなきゃ問題ねえって。」
「そーんな都合悪く出るわけないよね~」
そういって2人は笑っていたのだ。
それがまさか現実になるとは知らずに。
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ボールというものがあまりに近くにありすぎるため、鬼を倒す手段が実行できないのだ。
もちろん、出現した鬼のため、球技大会の会場のひとつであるグラウンドはパニクッていて、生徒たちは逃げ回っている。
中には勇敢にも手にしているボールを鬼に投げる生徒もいるが、全くダメージにならない。
今回出現した鬼は約3メートルほどの大きさで、武器である棍棒を振り回している。
そんな様子を保健室から見つめる影が三つ。
「うるさいなぁ・・・昼寝しようとしてるのに出来ないじゃないか・・・」
体調が悪いということでサボっている慶隆とそのお供の双子の2人である。
「お前たちあの鬼の動きを止めろ。僕が足止めをする。それで姫が封印できるはずだ。」
「「はっっ」」
双子は人間の成人くらいの大きさの鬼へと変化し、目にとまらない速さでグランドに飛び出す。
そして、暴れている鬼の足元を抑える。
すると、突然足が動かせなくなったため鬼は勢いよく転ぶ。
地響きがし、深衣菜と壱弥は思わず足を止める。
鬼が体を起こしたとき、水の大きな塊が口に飛び込んできたらしく、条件反射で飲み込んだ。
が、次の瞬間顔色が青くなっていき、悶絶の表情になる。
「深衣菜っ今だ!!」
「うんっっ」
深衣菜は錫杖を出すと地面に突き立てる。
「闇に帰せ!封印っっ!!」
すると、鬼は苦しそうな表情のまま光に包まれ、消えた。
「ふう・・・」
「おわったぁ・・・また玄武の奴に助けられたのかよ・・・・・」
深衣菜も壱弥もその場に座りこんだ。
一方、保健室のほうでは、人間へと戻っている双子と、外を見つめる慶隆がほっとしたように安堵の息を吐く。
「慶隆様、何を鬼の口にほおり込んだのですか?」
「ああ、毬栗を100個ほどまとめて。白虎をいじめるためにとっておいたのにあんなことに使うなんてね。」
双子は栗の実を包んでいる棘々としたものの塊を想像し、一瞬青くなるがすぐに元の表情に戻る。
「いまの時代は白虎にとって不利だな・・・」
慶隆はそう呟くが、ベットに潜る。
どうやら本当に昼寝をしたいらしい。




